フリーレント契約における法人税の按分処理と既契約分の取扱い
2025年11月27日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「フリーレント契約における法人税の按分処理と既契約分の取扱い」をお伝えさせていただきます!
フリーレント契約とは、賃貸契約の初期の一定期間について賃料を免除する取り決めのことです。
実務では店舗やオフィス移転、スタートアップの資金計画、不動産オーナーとの交渉など、静岡市や浜松市の企業でも多く使われています。
しかし、フリーレント期間があると「会計処理」と「法人税の損金処理」がズレやすく、結果として別表四での調整が必要になるケースがあります。
特に令和7年4月1日以後開始事業年度からは、改正法人税基本通達により法人税側の考え方が大きく整理されるため、多くの会社で見直しが必要になります。
本稿では、この複雑なルールを初心者でも理解できるように体系的に整理し、既契約分の扱い、按分処理の可否、申告調整の継続要否を具体例で丁寧に解説します。
【№2 結論】
本稿のテーマは、フリーレント期間(家賃無料の月)が含まれる賃貸契約について、会計処理と法人税処理のズレをどう扱うか、そして令和7年4月1日以後開始事業年度から適用される「改正法人税基本通達」の解釈を整理することです。
結論として、押さえておくべきポイントは次の五つです。
① 令和7年4月1日以後開始事業年度からは「按分処理で損金算入」が原則になる
賃料総額を賃借期間で割り、フリーレント期間を含めて平準化して損金算入する方向に統一されます。
② 既契約分は「無償期間が含まれなければ按分処理は不要」
令和7年4月1日前に始まった事業年度の契約でも、改正後の期間にフリーレント期間が存在しない場合は対象外です。
③ 過去に会計で按分、法人税で支払時損金だった会社は申告調整を継続する
別表四で未払家賃の否認・認容を続ける必要があります。
④ 会計を按分処理に統一すれば、法人税側も按分で揃えられるケースがある
損金経理(帳簿に費用計上)が条件となります。
⑤ 静岡・浜松の企業ではフリーレント契約が頻繁に使われるため、誤処理が多い
不動産契約が多い地域事情から、店舗・事務所移転の度に同様の論点が発生します。
この五つを軸に、本稿では制度の背景、具体的な按分方法、既契約の判定基準、別表四の書き方まで網羅的に解説します。
【№3 やさしい解説】
フリーレント契約は、家賃が無料となる期間を含む賃貸契約であり、店舗やオフィス移転が多い静岡市や浜松市では一般的です。家賃を払わない月があっても、実際にはその期間も物件を使用しているため、会計では賃料総額を賃借期間全体で割って、毎月の費用を平均化する「按分処理」が基本になります。
例えば12か月契約で総額12,000円、最初の2か月が無料であっても、会計では1か月1,000円を毎月費用にします。物件の利用価値は無料期間を含めて変わらないため、費用認識を平準化するという考え方です。
一方、法人税の世界では、従来は「支払があった時点で損金にできる」というルールが原則でした。このため、無料期間は損金ゼロとなり、会計と税務で差が生じました。差が出た月は別表四で「未払家賃否認」などの調整が必要で、翌期には反転させる必要があり、実務負担の大きい原因となっていました。
令和7年4月1日以後開始事業年度からは、法人税基本通達が改正され、会計で按分している場合には法人税でも同じ按分処理による損金算入が認められます。条件は「損金経理」、つまり帳簿に費用として記録していることです。これにより、会計と税務のズレが減り、別表の調整も少なくなります。
ただし「既契約分」の扱いは注意が必要です。既契約分とは、令和7年4月1日前の事業年度で締結された契約のことです。改正後の期間にフリーレントが残っている場合には按分が必要になる可能性があり、残っていなければ新たな按分処理は不要です。過去に会計と税務の処理が違っていた場合は、既存の別表調整を継続する必要があります。
静岡や浜松では物件契約の更新が多く、フリーレント付きの契約も一般的なため、改正内容を理解しておくことは重要です。無料期間があるからこそ起きる「会計(按分)vs 税務(支払時)」のズレ、その解消方法、既契約の取扱いを理解すると、誤った損金算入や別表ミスを防ぐことができます。
【№4 具体例】
フリーレント契約は、契約内容によって会計処理・法人税処理の判断が変わるため、実際のパターンを見て理解するのが最も早いです。
ここでは、静岡市や浜松市の中小企業でもよく発生する内容を中心に、代表的な具体例を番号形式で整理します。
按分の考え方、既契約の扱い、別表調整の必要性が直感的に理解できるよう、実務でよく遭遇する12パターンを取り上げます。
① 初期2か月無料(総額12,000円・12か月)
会計:1,000円ずつ按分。税務:改正後は一致。
② 静岡駅前オフィスで3か月無料
24か月契約・総額48,000円。会計・税務とも2,000円で統一。
③ 改正後に無料期間が残る既契約
無料期間が改正後も続く場合は按分対象。過年度のズレは別表調整継続。
④ 浜松市ロードサイド店舗で6か月無料
36か月契約72,000円。按分は2,000円。改正後は税務も一致。
⑤ 途中解約予定
5年契約・1か月無料でも、解約が決まれば会計見積り変更。税務も合わせる。
⑥ 実質無料(契約書に記載なし)
実質2か月無料でも按分対象。税務も実態を基準に判断。
⑦ 途中で無料月が追加
契約変更後は総額を再計算し按分。税務も改正後は同様。
⑧ 総額明示なし(月額100,000円×12・2か月無料)
総額1,200,000円とみなして按分。
⑨ 内装補助付きフリーレント
補助評価を含めた賃料認識が必要。税務も契約実態に基づく。
⑩ 短期契約(6か月・2か月無料)
按分額が大きくなるため要注意。
⑪ 改正後に無料期間が残らない既契約
改正後に無料期間がなければ按分不要。過去差異のみ反転。
⑫ 改正後に会計方針を按分へ変更
税務も按分へ統一可。ただし留保項目は別表四で継続。
【№5 手順】
フリーレント契約の法人税処理を誤らないためには、順番に確認することが重要です。
特に「既契約分かどうか」「改正後の期間に無料月が残っているか」「会計処理が按分かどうか」が判断の分岐点になります。
以下の手順は、初心者でも迷わずチェックできるように、最小限の流れを整理したものです。
① 契約書でフリーレントの有無を確認
明記・実質の双方をチェック。
② 契約締結日と事業年度を照合
既契約かどうかを確定。
③ 改正後の期間に無料月が残るか確認
残っていれば按分対象の可能性。
④ 会計処理が按分かどうか確認
会計が按分なら税務も原則合わせられる。
⑤ 賃料総額と期間から按分額を算出
月額費用を確定。
⑥ 損金経理されているか確認
帳簿に費用計上されていることが条件。
⑦ 過去の会計・税務の差異の有無を確認
差異があれば別表四で継続調整。
⑧ 留保残高を確認
未払家賃否認・認容の反転が必要。
⑨ 按分処理へ統一するか方針を決定
統一すると実務負担が軽くなる。
⑩ 別表四の必要項目を整理
按分額・支払額・差額・留保残高を管理。
【№6 FAQ】
フリーレント契約の法人税処理で、実務上よく寄せられる質問を10個に絞り、簡潔にまとめました。静岡市・浜松市の中小企業の方から実際に受ける内容も含めています。
① フリーレントの月も費用が必要なのですか?
はい。利用は続いているため、賃料総額を期間全体で割って費用を計上します。
② 法人税も同じ金額で損金算入できますか?
令和7年4月1日以後開始事業年度から、損金経理があれば按分処理が認められます。
③ 既契約分とはどこまでの契約を指しますか?
令和7年4月1日前に開始した事業年度で締結された契約です。
④ 既契約分でも按分が必要な場合はありますか?
はい。改正後の期間に無料期間が残っている場合は按分対象になります。
⑤ 契約書にフリーレントと書いていなくても対象ですか?
実質的に無料期間があれば按分対象です。記載の有無は問いません。
⑥ 過去に会計と税務の処理が違っていた場合どうなりますか?
その差は別表四で留保として残り、改正後も反転処理を継続する必要があります。
⑦ 賃料総額が契約書に書かれていない場合の按分は?
月額×期間で総額を推計し、按分額を計算します。
⑧ 途中解約予定でも按分しますか?
はい。ただし、解約が確定したら会計で見積り変更し、税務もそれに合わせます。
⑨ 無料期間が途中で追加された場合は?
契約内容が変更された扱いとなり、総額と期間を再計算して按分します。
⑩ 静岡・浜松の企業で特に多いミスは?
無料期間の費用計上漏れ、既契約の誤判定、別表四の反転漏れが多いです。
【№7 まとめ】
フリーレント契約は「無料期間がある」という特徴から、会計処理と法人税の損金処理がズレやすい項目です。特に静岡市や浜松市のように店舗移転・事務所開設が多い地域では、フリーレントが付いた契約が一般的であるため、誤解や処理ミスが生じやすくなります。
会計では、無料期間を含めて賃料総額を賃借期間全体で平均化する「按分処理」が基本になります。一方、法人税では従来「支払時損金」が原則であったため差異が発生し、別表四の調整が必要でした。しかし、令和7年4月1日以後開始事業年度からは、法人税においても按分処理の採用が明確に認められ、会計処理と一致させやすくなっています。
ただし、「既契約分」の取扱いには注意が必要です。改正後の期間にフリーレント期間が残っているかどうかで適用範囲が変わり、過去の会計・税務の差異が残っている会社は、引き続き別表四の反転処理を行わなければなりません。
実務では、
・契約締結日と事業年度の確認
・改正後に無料期間が残るかの判断
・按分額の算定
・損金経理の有無
・別表四の留保残高の管理
といったチェックを順に行うことで、ミスを大幅に減らすことができます。
フリーレントは単純そうに見えますが、契約内容の違いによって判断が変わるため、安易な処理は禁物です。静岡・浜松の中小企業にとっても、正しい按分処理と税務判断は、毎年の決算精度を高めるうえで重要なポイントとなります。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3868号(2025年09月22日)「フリーレント 会計と法人税で異なる既契約分の適用関係」媒体名
参考:国税庁タックスアンサー「No.5405 地代家賃の必要経費算入」(参照日:2025-11-17)
参考:e-Gov法令検索「法人税法 第22条・第37条」「法人税基本通達12の5-3-2」(参照日:2025-11-17)
【№9 該当条文の説明】
フリーレント契約の法人税処理を理解するためには、法人税法および法人税基本通達の該当条文を押さえることが重要です。ここでは、実務判断の要となる条文をやさしく解説します。
① 法人税法第22条(各事業年度の所得の金額)
法人税の計算は「益金-損金」で行われます。損金に算入できる費用は、事業のために直接要したものが対象です。賃借料も通常は損金算入の対象ですが、計上のタイミング(いつ損金に入れるか)は別途規定に従います。
フリーレント契約では、支払いの有無ではなく「費用を認識すべきタイミング」をどう考えるかが問題となります。
② 法人税法第37条(損金経理を要する費用)
損金として認められるためには「損金経理」が条件になります。損金経理とは帳簿に費用として記録していることを指し、按分処理を税務でも採用する場合には、この要件が欠かせません。
改正後の按分処理が認められるのは、この条文の要件が満たされることが前提です。
③ 法人税基本通達12の5-3-2(フリーレントの按分処理)
改正の中心となる通達で、フリーレント期間が定められた契約について、法人税でも会計と同じ按分処理を認めることを明確化しました。
引用(要旨):
「損金経理がある場合には、賃料総額をフリーレント期間を含む賃借期間で按分し、その金額を各事業年度の損金に算入できる。」
この通達により、従来「支払時」に損金算入していた法人税の実務が、会計処理と揃えられる形へと整理されました。
④ 法人税基本通達 総則・改正の経過措置
改正は「令和7年4月1日以後に開始する事業年度」から適用され、既契約分については改正後に無料期間が残っているかどうかで対応が変わります。
改正後の期間に無料がない既契約については、新しい按分処理を行う必要はありません。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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