新リース会計基準の会計処理と借手・貸手の仕訳例

2025年12月1日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市・浜松市から全国へ「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信し、わかりやすい税務支援を目指す最高のIT税理士法人です。
私たちは「関わる全ての人を幸せにする」理念のもと、ITを活用して中小企業の業務効率化を支援しています。
今回のテーマは「新リース会計基準の会計処理と借手・貸手の仕訳例」です。
2024年9月に新基準が公表され、日本でもIFRS16号に近い仕組みが導入されました。
従来はリースの種類によって処理が分かれていましたが、新基準では借手側は原則、すべてのリースを
・使用権資産
・リース負債
として貸借対照表に計上します。
貸手側は、従来の
・ファイナンス・リース
・オペレーティング・リース
の整理を維持しつつ、収益認識基準との整合性をより重視した内容になりました。
★重要
リースを多く使う企業では、総資産や負債が増えるため、利益計画や金融機関との対話に影響することがあります。静岡・浜松の製造業、介護事業、IT機器関連の企業は特に早めの確認が必要です。
本コラムでは、中小企業の経営者・経理担当者に向けて
・借手の会計処理
・貸手の会計処理
・短期・少額リースの簡便措置
・経過措置
をシンプルに整理して解説します。

【№2 結論】

最初に、このコラム全体の結論を整理します。
① 借手側は「ほぼ全てオンバランス」へ
リース契約は原則として「使用権資産」と「リース負債」を計上します。
リース料は利息と元本に分かれ、損益計算書では「減価償却費」と「支払利息」が中心になります。
② 「短期リース」「少額リース」は簡便処理が可能
1年以内の契約や金額の小さいリースは、従来どおり「賃借料」として処理できます。
中小企業では、この簡便措置を採用するかどうかが実務上の大きな判断ポイントです。
③ 貸手側は、業態により会計処理が変わる
リース業か、販売の一環としてリースしているかで区分が異なります。
ファイナンス・リースでは「リース投資資産」「リース債権」を計上し、利息相当額を期間配分します。
④ 経過措置の選択が、初年度の実務負担を左右
過去契約を遡るか、期首残高から新基準に切り替えるかで処理量が大きく変わります。
自社のリース件数や契約内容に合わせて、最適な方法を選ぶことが重要です。
⑤ 経営面では「財務指標」と「契約設計」に影響
リース負債が増えるため、借入金と同様に財務指標や金融機関の評価に影響し得ます。
新たに契約する際は、リース期間・更新条件・解約条項をこれまで以上に慎重に検討する必要があります。
静岡市・浜松市の中小企業さまにとっては、まず自社のリース契約の数と残高を把握し、どの程度影響があるか早めに確認することが最初の一歩になります。

【№3 やさしい解説】

ここからは、専門用語をできるだけ使わず、新リース会計基準の考え方をやさしく整理します。
① リースとは何か
リースは「資産を買わずに長期間借りる」仕組みです。
コピー機、パソコン、車両、介護用具、工場設備など、多くの企業が日常的に利用しています。
従来は、内容によって「買ったのと同じ扱い」と「通常の賃貸借」に分けて処理していました。
② 新基準の中心となる考え方
新基準では「借手はその資産を使う権利を得ている」という点を重視し、ほとんどのリースを貸借対照表に乗せる考え方に変わりました。
借手は「使用権資産」を資産に計上する
同時に「リース負債」を負債に計上する
使用権資産は「使う権利の価値」、リース負債は「将来払うリース料の今の価値」というイメージです。
③ リース料の中身(元本と利息)
毎月同じ金額でも、実際は
元本返済(リース負債の減少)
利息相当額(支払利息)
に分けられます。
ローン返済と同じ考え方で、初期は利息が多く、後半ほど元本部分が増えます。
重要性が低い小さな契約では、簡易的な計算方法も使用できます。
④ 使用権資産の減価償却
使用権資産はリース期間で計画的に償却します。
最後に所有権が移るタイプなら、通常の固定資産と同じ償却
移らない場合は、リース期間を耐用年数として償却
という扱いが基本です。
⑤ 短期リース・少額リースの例外
新基準でも負担軽減のための例外があり、以下の契約は従来どおり経費処理で済みます。
12か月以内の短期リース
金額が小さいリース
中小企業では、この範囲をどこまで認めるかが決算の効率化に大きく影響します。
⑥ 貸手側の基本的な考え方
貸手側は従来と同じく
ファイナンス・リース
オペレーティング・リース
に分けて処理します。
ファイナンス・リースは「実質分割販売」に近く、貸手は「リース投資資産」「リース債権」を計上し、利息相当分を期間配分します。
オペレーティング・リースは「通常の賃貸借」に近く、貸手は資産を自社に残しつつ、リース料を収益として認識します。

【№4 具体例】

ここでは、借手側・貸手側の両面からイメージしやすい事例をまとめて紹介します。
① コピー機の5年リース(借手側・所有権移転なし)
月額20万円、期間5年、所有権はリース会社
新基準では、開始日に「使用権資産」と「リース負債」を現在価値で計上します。
支払いは
元本返済分
利息相当分
に分けて処理し、使用権資産は5年で償却します。
② 机・椅子の少額リース(借手側)
総額300万円以下の小規模契約
少額リースの簡便措置を使えば、従来どおり賃借料処理だけで完結します。
中小企業は「どこまで簡便措置を使うか」を社内ルール化すると実務が安定します。
③ 1年更新の車両リース(借手側・短期リース)
契約期間1年、更新は毎年協議
12か月以内のため「短期リース」として扱え、オンバランス不要です。
支払リース料を費用計上する従来処理が認められます。
④ 医療機関の検査機器リース(借手側)
静岡県内クリニックが5年リースで導入
返却前提で解約不可期間が長いためオンバランス対象です。
高額な契約ほど貸借対照表の規模が増え、金融機関への説明が重要になります。
⑤ 介護事業の福祉用具リース(貸手側)
浜松市の介護事業者が利用者へ貸し出すケース
販売目的で仕入れ、貸与が主事業であれば、「所有権移転外ファイナンス・リース」となる可能性があります。
開始日に
売上高
売上原価
リース投資資産
を計上し、その後は利息相当分を期間配分します。
⑥ 製造業による自社リース(貸手側)
静岡市の製造業が自社の機械を自社リースで提供
販売方法の一つとして位置付けられるため、所有権移転外ファイナンス・リースの処理が基本です。
開始日に売上高・売上原価を計上し、利息相当分を配分します。
⑦ 不動産のオペレーティング・リース(貸手側)
自社所有ビルを他社に貸す場合
通常の賃貸借に近く、オペレーティング・リースとして賃料収入を認識し、建物は自社資産として償却します。
⑧ オフバランス契約の経過措置(借手側)
過去の賃貸借扱いの契約を期首でまとめてオンバランスに切替
残リース料の現在価値を「リース負債」、同額を「使用権資産」として計上します。
方法により期首の利益剰余金の調整額が変わります。
⑨ IT機器リースの大量保有(借手側)
PC・サーバーなど多数のリース契約がある会社
使用権資産の総額が大きくなるため、利息計算の簡便法を使えるかが実務上のポイントです。
⑩ 金融機関とのコミュニケーション(借手側)
新基準で負債が増えて見える可能性
静岡・浜松の金融機関との関係では、事前に
負債が増える理由
契約内容の見直し状況
を説明しておくことで不要な誤解を防げます。

【№5 手順】

ここからは、静岡や浜松の中小企業が新リース会計基準に対応するための実務ステップを、より簡単にまとめたものです。
① リース契約をすべて洗い出す
コピー機・PC・車両・医療機器・設備など、契約書・請求書ベースで一覧化します。
金融機関経由の設備は資料が別管理になりやすいため、銀行資料も必ず確認します。
② 契約を「短期」「少額」「その他」に分ける
分類基準は次の通りです。
短期リース(12か月以内・購入オプションなし)
少額リース(自社基準で少額と判断)
その他(オンバランス対象)
特に「少額基準」を社内で明確にしておくことが運用の肝になります。
③ オンバランス対象の契約情報を整理する
必要な情報は次の通りです。
リース開始日・期間
税抜リース料
更新条件・解約条項
割引率(追加借入利子率)
Excelなどで一覧化しておくと後工程が大幅にラクになります。
④ 使用権資産・リース負債を試算する
将来リース料と割引率から、現在価値=リース負債を算定します。
はじめは金額の大きい契約から計算し、全体の影響を把握します。
必要に応じて税理士・会計事務所にシミュレーションを依頼すると確実です。
⑤ 経過措置の方法を選ぶ
選択肢は以下の2つです。
過去に遡るフルレトロスペクティブ
期首残高から始める簡便法
監査がない中小企業では簡便法が使いやすいケースが多くなります。
⑥ 会計ソフト・仕訳設定を見直す
設定するポイントは以下です。
使用権資産・リース負債・支払利息の科目設定
減価償却の方法
月次仕訳や台帳の運用方法
クラウド会計のリース機能が使える場合は事前に確認するとスムーズです。
⑦ 金融機関への説明を準備する
負債が増えて見えるため、誤解を避ける説明が必要です。
ポイントは次の3つです。
新基準の概要
実質の資金繰りは変わらないこと
自社の試算結果
静岡・浜松の地元金融機関とは、決算前のタイミングで共有しておくと安心です。
⑧ 社内ルールを文書化する
短期・少額の基準
新規契約の事前確認フロー
経理・現場の役割
などを社内規程にまとめることで、担当者が変わっても運用が安定します。

【№6 FAQ】

ここでは、新リース会計基準に関して中小企業からよく出そうな質問を、Q&A形式でまとめます。少しずつ読み進めていただければ、全体像が整理されるはずです。

①Q. 外形標準課税は資本金1億円以下なら関係ないのではありませんか。
 A. 資本金だけでは判断しません。令和6年度改正により、減資後でも外形基準により外形標準課税の対象となるケースがあります。

②Q. 減資すれば自動的に中小企業者等になり賃上げ税制を使えるのですか。
 A. いいえ。外形標準課税の対象であることと、中小企業者等の要件を満たすことの両方が必要です。

③Q. 賃上げ判定の1.5%増は従業員全員の給与が上がる必要がありますか。
 A. 全員ではありません。総額ベースで前年度より1.5%以上増えていれば要件を満たします。

④Q. 給与補填の支払を受けていますが賃上げ判定に影響しますか。
 A. はい。補填分は給与額から控除して計算します。控除漏れが誤判定につながるため注意が必要です。

⑤Q. 雇用安定助成金はどの場面で控除するのですか。
 A. 増加割合の計算では控除しませんが、付加価値額控除額の算定では控除します。

⑥Q. 法人税の賃上げ税制を使っていません。外形側だけ適用できますか。
 A. はい。両制度は独立しているため、片方だけの適用も可能です。

⑦Q. 明細書(第6号様式別表5の6の3)は必ず添付する必要がありますか。
 A. はい。明細書の添付がなければ適用できません。申告・修正申告のどちらでも必須です。

⑧Q. 当初申告に記載を忘れました。今から適用できますか。
 A. できます。当初申告要件がないため、修正申告または更正請求で適用可能です。

⑨Q. 静岡市や浜松市の中小企業でも活用できますか。
 A. 外形標準課税の対象であり中小企業者等に該当すれば可能です。地域規模は影響しません。

⑩Q. 賃上げ率の判定には賞与も含まれますか。
 A. はい。給与と賞与を含む給与等支給額で比較します。

⑪Q. 役員給与も賃上げ総額に含まれますか。
 A. 含まれますが、役員のみの増加では1.5%に届きにくいため従業員部分の管理が重要です。

⑫Q. 付加価値割の控除額はどのように決まりますか。
 A. 控除対象雇用者給与等支給増加額と雇用安定控除の有無を基に計算し付加価値額から差し引きます。

【№7 まとめ】

新リース会計基準は、従来と比べて「借手側はオンバランス」が原則となる点が最大の特徴です。コピー機やパソコン、サーバー、車両、医療機器などリースを多く利用する中小企業では、貸借対照表や損益計算書への影響が比較的大きくなります。リース負債が見える化されるため、金融機関や取引先への説明を事前に整えておく重要性も増します。
一方で、短期リース・少額リースの簡便処理が認められており、全契約をオンバランスにする必要はありません。どの契約が簡便措置の対象となるかを明確にし、社内ルールとして整理することが実務を安定させます。またオンバランス対象の契約では、契約期間、更新条件、利率の見積りなど、契約書上の情報を整理したうえで初期計上額の試算を早めに行うことがスムーズな導入につながります。
貸手側では、従来のファイナンス・リースとオペレーティング・リースの枠組みは維持されつつ、収益認識基準との整合性が求められます。特に製造業や介護事業者など、自社リースと借手リースが混在する企業は、台帳管理や仕訳ルールの整理が必要です。
また静岡市や浜松市など金融機関との連携が強い地域では、財務指標の見え方が変わることを早めに共有しておくと、お互いの認識が揃いやすくなります。新基準は財務の見せ方にも影響するため、借入枠や企業価値の判断に関係する場合があります。
最後に、新リース会計基準は一度で全体を理解する必要はありません。まずはリース契約の棚卸し、分類、簡便措置の判断、オンバランス試算という流れを押さえることで全体像がつかみやすくなります。難しい部分は税理士や会計士と連携しながら無理なく進めることができます。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3868号(2025-09-22)「外形標準課税の賃上げ税制 減資対応の中小企業者等も適用対象」媒体名
※本文は引用せず、一文のみ必要最小限で参照しています。

参考:国税庁タックスアンサー「No.5285 企業向け賃上げ促進税制の概要」(参照日:2025-11-18)
参考:e-Gov法令検索「地方税法附則第9条 付加価値割の特例」(参照日:2025-11-18)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法 中小企業者等判定規定」(参照日:2025-11-18)
※制度の理解を深めるため、本文で説明した内容はこれら一次情報をもとに再構成しています。

【№9 該当条文の説明】

ここでは、本文で触れた主要な条文を、初心者の経営者でも理解しやすい形で要点だけ整理します。逐語引用は行わず、内容のポイントを簡潔にまとめています。
① 地方税法附則第9条(外形標準課税の特例)
内容
外形標準課税の対象法人に対し、一定の条件で付加価値割を軽減する特例を定めた条文です。
減資して資本金が1億円以下になっても、判定日は事業年度末のため、すぐに中小企業者と扱われるわけではありません。
賃上げ税制との関係でも、形式的に中小企業規模になっても外形標準課税対象となる可能性があります。
② 租税特別措置法(中小企業者等の定義)
内容
賃上げ促進税制などで用いる「中小企業者等」の定義を規定した条文です。
資本金1億円以下、資本のない法人など複数の基準があります。
ただし、一定の大企業子会社は除外されるなど、対象外規定にも注意が必要です。
③ 賃上げ促進税制の関連条項(租税特別措置法)
内容
給与等支給額の増加割合、雇用者給与増加要件、教育訓練費の要件など、税額控除の基礎となるルールが定められています。
控除率や限度額は毎年改正されるため、適用年度ごとに最新情報の確認が欠かせません。
④ 法人税法(法人税額の計算規定)
内容
税額控除は法人税額から差し引くため、法人税法で定める基礎税額の計算方法と密接に関係します。
中小企業の軽減税率や所得区分は、賃上げ税制のメリットを判断する際に重要です。
⑤ 地方税法(外形標準課税の仕組み)
内容
外形標準課税は、付加価値割・資本割・法人税割の3つで構成されます。
賃上げ税制が国税、外形標準課税が地方税であるため、制度は別々に動きます。
そのため、賃上げ税制の適用判定と外形標準課税の判定が一致しないケースもあります。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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