所有権移転外リースと少額減価償却資産の特例
2025年12月7日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「所有権移転外リースと少額減価償却資産の特例」をお伝えさせていただきます!
設備投資の現場では、「購入」ではなく「リース」を選ぶ会社が増えています。
特に、コピー機やパソコン、業務用機械などをリースで導入している静岡・浜松の中小企業の社長さまも多いと思います。
その一方で、
「所有権移転外リースって何?」
「30万円未満の少額減価償却資産の特例と、どう関係するの?」
というご相談をよくいただきます。
この記事では、新しいリース会計基準を踏まえた税務上の考え方を前提に、
・所有権移転外リースとは何か
・少額減価償却資産の特例とどう組み合わせられるのか
・実務で何を確認し、どう仕訳し、どこに注意すべきか
を、初心者の方にも分かるように整理していきます。
【№2 結論】
まず押さえておきたいポイントを、先にシンプルにまとめます。
所有権移転外リースでも、税務上「法人税法上のリース取引」に該当するものは、賃借人(借りる側)がリース資産を取得したものとみなされます(法人税法64条の2第1項)。
そのリース資産の「取得価額」が10万円以上30万円未満で、かつ中小企業者等に該当する場合には、「中小企業者等の少額減価償却資産の特例」(租税特別措置法67条の5)を使って、その事業年度で全額を損金算入できます。
ただし、特例を使うには「その資産を事業の用に供した事業年度に、取得価額の全額を損金経理していること」が条件です。リース期間に合わせて毎期に分割して経費計上している場合は、この特例は使えません。
取得価額が10万円未満の資産は、そもそも通常の法人税法のルールで全額損金算入が認められているため(少額資産扱い)、この特例の対象外です。
中小企業経営強化税制など、他の特別償却・税額控除制度を適用している資産も、少額減価償却資産の特例の対象からは外れる点に注意が必要です。
★重要
静岡・浜松の中小企業さまにとっては、
「所有権移転外リースだから特例が使えない」
のではなく、
「税務上、取得した資産として扱えるなら、条件次第で特例が使える」
という発想が重要です。
【№3 やさしい解説】
① 所有権移転外リースとは?
リースには、大きく分けて次の2つがあります。
所有権移転リース
契約の終了時に、ほぼ確実に所有権が借り手に移るタイプです。
所有権移転外リース
契約が終わっても、所有権は借り手に移らないタイプです。
会計や税務で問題になるのは、
「実質的には購入と同じようなリースかどうか」
という点です。
法人税法上のリース取引に該当する所有権移転外リースは、
途中で解約ができない
リース期間が耐用年数の大半を占める
リース料の総額が、買い取り価格に近い
など、実質的に購入と変わらないものとされています。
このようなリースは、税務上、
「リース資産を最初にまとめて買ったうえで、分割払いで支払っている」
と考えるイメージになります。
② 少額減価償却資産の特例とは?
中小企業者等が、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得し、事業の用に供した場合、
1個(1組)あたり30万円未満
1事業年度あたり300万円まで
令和8年3月31日までに取得等し、事業の用に供したもの
という条件を満たせば、その事業年度に全額を損金算入できるのが「少額減価償却資産の特例」です。
③ 所有権移転外リースと特例の関係
税務上、所有権移転外リースであっても、法人税法上のリース取引に該当する場合は、
賃借人(借り手)がリース資産を取得したものとみなされます。
そのため、
「取得価額」が10万円以上30万円未満
中小企業者等である
当該事業年度に全額を損金経理
といった条件を満たせば、少額減価償却資産の特例を使うことができます。
★注意
「毎年、リース料の支払額だけを費用にしている」
という処理を続けている場合は、この特例の適用要件を満たさないので注意が必要です。
【№4 具体例】
静岡・浜松の中小企業をイメージしながら、ケースごとに見ていきます。
① 24万円のパソコンを3年リースで導入したケース
1台24万円、3年の所有権移転外リース
税務上のリース取引に該当し、賃借人が取得したものと扱われる
資産の取得価額24万円(10万円以上30万円未満)
中小企業者等で、当期に24万円全額を損金経理すれば、特例適用可能
② 36万円の機械をリースしたケース
1台36万円、5年リース
取得価額が30万円以上のため、少額減価償却資産の特例は使えない
通常の減価償却または他の特別償却制度の検討が必要
③ 8万円のタブレット複数台をリースしたケース
1台8万円のタブレットを10台、所有権移転外リース
1台あたりの取得価額が10万円未満なので、そもそも少額減価償却資産の特例の対象外
通常の法人税法の規定で、取得年度に全額損金算入可能
④ 20万円の複合機を3台まとめてリースしたケース
1台20万円、3台で60万円
資産単位の考え方が重要
1台ごとが独立しているなら、1台20万円としてそれぞれ特例の検討が可能
ただし、1事業年度300万円の上限管理が必要
⑤ 他の特例を適用している設備との関係
中小企業経営強化税制を使う予定の機械と、少額減価償却資産特例の対象にしたいパソコンを同時にリース
強化税制を適用する資産は、少額減価償却資産の特例の対象からは外れる
どの資産にどの特例を使うか、事前のシミュレーションが重要
⑥ 決算期末にギリギリで導入したリース資産
決算月に24万円のリース資産を導入
決算日までに事業の用に供し、かつ当期に全額を損金経理していれば特例適用可能
「いつ事業の用に供したか」の日付管理がポイント
⑦ リース期間に応じて費用計上していたケースの見直し
これまで、毎年のリース料をそのまま経費にしていた
実は法人税法上のリース取引に該当し、特例適用の余地があった
処理方法の変更には、税務上の影響や過年度の取扱いを慎重に検討する必要あり
⑧ 貸付用資産との違い
自社が賃貸業で、他人に貸す目的で取得した資産は、少額減価償却資産特例の対象外になり得る
所有権移転外リースで自社が「借りる側」の場合は、通常は貸付用資産には該当しない
⑨ ソフトウェア付きリース機器
ハードウェア部分が25万円、ソフトウェア部分が10万円相当とされているパッケージ
資産区分と取得価額の内訳を確認し、それぞれについて特例の対象となるかを検討
⑩ 静岡市の製造業での活用イメージ
静岡市の中小製造業が、24万円の検査装置を所有権移転外リースで導入
条件を満たせば、導入年度に24万円を全額損金算入でき、資金繰りに余裕が生まれる
設備投資の計画とあわせて、税制の活用を設計することがポイント
【№5 手順】
所有権移転外リースと少額減価償却資産の特例を、実務で間違いなく扱うための基本的な流れです。
① リース契約書の確認
所有権が移転するかどうか
リース期間、解約の可否
リース料総額と内訳(機器ごと・ソフトウェア分など)
② 法人税法上のリース取引に該当するかの判定
途中解約の可否
リース期間と耐用年数の関係
リース料総額と見積現金価格の関係など
必要に応じて、国税庁のタックスアンサーや税務通達の内容を確認する
③ 資産単位と取得価額の決定
1台ごとに独立して使われるのか
1組として一体で機能するのか
それぞれの取得価額(リース料の現在価値など)を計算
④ 中小企業者等に該当するかの確認
資本金1億円以下かどうか
大企業の100%子会社に該当しないか
連結の関係など、細かい条件を確認
⑤ 少額減価償却資産特例の条件チェック
1個(1組)あたりの取得価額が10万円以上30万円未満か
その事業年度の合計が300万円以内か
令和8年3月31日までに取得等し、事業の用に供しているか
⑥ 会計処理・税務申告への反映
事業年度内に取得価額の全額を損金経理する仕訳を行う
別表・明細書上で、少額減価償却資産特例の適用額を記載する
決算書の注記や固定資産台帳にも反映し、翌期以降に二重計上しないように管理
⑦ 将来の更新・入替えも見据えたルールづくり
リース契約が多い会社では、社内で
「どの条件のリースは特例検討対象にするのか」
「誰が契約書をチェックするのか」
といったルールを作っておくと安心です。
【№6 FAQ】
Q1. 所有権移転外リースは、すべて特例の対象になりますか?
A1. いいえ。「法人税法上のリース取引」に該当し、かつ取得価額や中小企業者等の要件を満たしたものだけが対象です。リースだからといって、自動的に特例が使えるわけではありません。
Q2. 取得価額の10万円以上30万円未満は、税込ですか?税抜ですか?
A2. 原則として、法人税では税抜金額で判定します。消費税の課税事業者であれば、取得価額は税抜で計算するのが一般的です。
Q3. リース料を毎年の費用として処理してきました。今期から特例を使うために処理方法を変えてもよいですか?
A3. 処理方法の変更は、過年度の取扱いとの整合性や影響を慎重に検討する必要があります。安易に変更すると、税務調査で問題になる可能性もありますので、顧問税理士に相談することをおすすめします。
Q4. 所有権移転外リースと、いわゆるオペレーティング・リースは同じですか?
A4. 会計上の分類と税務上の取扱いは必ずしも一致しません。税務上は、法人税法上のリース取引に該当するかどうかで判断されますので、会計上オペレーティング・リースでも、税務上はリース資産として扱う場合があります。
Q5. 静岡市や浜松市の企業だからこそ使える特別なルールはありますか?
A5. 少額減価償却資産の特例は全国共通の制度であり、地域による違いはありません。ただし、静岡や浜松の補助金・助成金制度と組み合わせることで、設備投資の負担をさらに軽くできる場合があります。
Q6. リース資産のうち、一部だけ特例を使って全額損金算入し、残りは通常の減価償却にすることはできますか?
A6. 資産単位が独立している場合には、資産ごとに適用方法を変えることは可能です。ただし、1個(1組)として一体で機能するものを分割してカウントすることはできません。
Q7. 特例を使うと、翌期以降の減価償却はどうなりますか?
A7. 特例を使って取得年度に全額を損金算入した資産については、翌期以降に減価償却費を計上することはありません。固定資産台帳上でも、償却済みとして管理する必要があります。
Q8. 決算後に「特例の適用を忘れていた」と気付いた場合はどうすればよいですか?
A8. 原則として、その事業年度で損金経理していることが要件ですので、決算確定後に遡って適用することは簡単ではありません。場合によっては更正の請求や修正申告を検討することになりますので、早めの確認が大切です。
Q9. 個人事業主でも、所有権移転外リースと少額減価償却資産の特例は使えますか?
A9. 個人事業主にも少額減価償却資産に関する特例がありますが、法人向けの措置と内容が異なる部分があります。ここでは法人税を前提に解説していますので、個人事業のケースは別途確認が必要です。
Q10. 顧問税理士に何を相談すればよいですか?
A10. 「どのリース契約が法人税法上のリース取引に当たるのか」「どの資産を少額減価償却資産の特例の対象にするのが有利か」「他の特例とのバランスはどうか」といった点を、具体的な契約書や見積書を見てもらいながら相談するとよいでしょう。
【№7 まとめ】
所有権移転外リースであっても、法人税法上のリース取引に該当するものは、賃借人が資産を取得したものとして扱われます。
取得価額10万円以上30万円未満のリース資産については、中小企業者等の少額減価償却資産の特例を使うことで、導入年度に全額損金算入できる可能性があります。
ただし、「その事業年度に全額損金経理していること」「年間300万円の上限」「他の特例との関係」など、細かな条件があります。
静岡・浜松の中小企業さまにとっては、設備投資と税制優遇をセットで考えることで、資金繰りや節税に大きな差が生まれます。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3869号(2025年9月29日)「所有権移転外リースと少額減価償却資産」税務通信編集部
参考:国税庁タックスアンサー「No.5704 リース取引と税務上の取扱い(法人税)」 (参照日:2025-12-01)
参考:e-Gov法令検索「法人税法第64条の2(リース取引)」 (参照日:2025-12-01)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法第67条の5(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)」 (参照日:2025-12-01)
参考:国税庁「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関するパンフレット」等の解説資料(参照日:2025-12-01)
【№9 該当条文の説明】
ここでは、本文で触れた代表的な条文のポイントだけを、やさしく整理します。
① 法人税法第64条の2(リース取引)
法人税法上のリース取引に該当する所有権移転外リースについて、
「賃貸人から賃借人への引渡しの時に、その資産の売買があったものとみなす」
という規定です。
実務的には、借り手側がリース資産を取得したものとして、減価償却や特例適用を判断する根拠となります。
② 租税特別措置法第67条の5(少額減価償却資産の特例)
中小企業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得し、事業の用に供した場合に、
その事業年度において、損金経理することで取得価額の全額を損金算入できる特例です。
主なポイントは次のとおりです。
1個(1組)あたりの取得価額が30万円未満
1事業年度あたりの適用額が300万円まで
対象期間は令和8年3月31日までに取得等した資産
取得価額が10万円未満の資産や、他の特例の適用対象となる資産などは除外
③ 他の関係条文・通達
租税特別措置法第53条(中小企業等の設備投資促進税制等)との関係で、
同一資産について複数の特例を重複適用できない場合があること。
法人税基本通達やリース取引に関する取扱通達において、
どのような条件を満たすと「法人税法上のリース取引」に該当するかが具体的に示されています。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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