台風による被害と所得税の軽減措置
2025年12月24日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「台風による被害と所得税の軽減措置」についてお伝えいたします。
台風や豪雨は年々勢いを増しており、静岡や浜松でも住まいや家財の被害が増えています。被害を受けたときに活用できる税制として「雑損控除」と「災害減免法」がありますが、制度の違いが分かりにくいという声を多くいただきます。
そこで、本コラムでは仕組みのポイントだけをやさしく短くまとめ、どのような場面で使えるのかを分かりやすく説明します。
【№2 結論】
最初に、台風被害に遭った場合の税務措置は「5つの柱」を理解すれば迷いません。
① 雑損控除と災害減免法はどちらか一方を選ぶ
所得税法の雑損控除は「控除」ですが、災害減免法は「税額を直接軽減または免除」する仕組みです。
両方は併用できず、より有利な方法を選択します。
② 雑損控除は被害額が大きいほど効果が出やすい
雑損控除は所得金額や損失額との関係で控除額が決まるため、計算式を理解する必要があります。
控除しきれない場合は3年間繰り越せる点も重要です。
③ 災害減免法は「所得1,000万円以下」「住宅・家財の損害が時価の2分の1以上」が大前提
条件を満たせば税額が1/4〜全額まで軽減される強力な制度です。
④ 保険金・共済金が出る場合は、それを差し引いた後の金額が対象
損失額に対する誤解が多く、実務では必ず補填金を控除して計算します。
⑤ 確定申告書等作成コーナーでは自動判定が可能
国税庁システムが雑損控除と災害減免法の有利不利を比較してくれます。
特に静岡県では台風・豪雨・土砂災害が増えているため、
「いざ被災したらどの制度を使うべきか」
を事前に理解しておくことが非常に重要です。
【№3 やさしい解説】
台風で住宅や家財が壊れた場合に使える税制は「雑損控除」と「災害減免法」の2つです。
どちらも被災者を救済する制度ですが、仕組みは大きく異なります。
1. 雑損控除(災害による実際の損失を所得から控除)
雑損控除は、災害で住宅や家財に損害が出た場合に、所得から一定額を差し引ける制度です。
損害額から保険金などの補填分を除いた「実質的な損失」を基に控除額を計算します。
損失額-所得金額×1/10
災害関連支出-5万円
のどちらか大きい方を控除できます。
控除しきれなかった場合は3年間繰り越せます。
2. 災害減免法(所得金額で軽減割合が決まる税額軽減)
災害減免法は、被害の大きさと所得に応じて所得税が軽減または免除される制度です。
条件は次の2つです。
その年の所得金額が1,000万円以下
住宅や家財の損害が時価の1/2以上
軽減割合は以下のとおりです。
所得500万円以下 → 全額免除
所得500~750万円 → 1/2軽減
所得750~1,000万円 → 1/4軽減
損害が大きいほど効果が大きい制度です。
3. どちらが有利かは条件次第
両制度は併用できないため、どちらが有利か比較する必要があります。
大きな損害 + 所得が低い → 災害減免法
中程度の損害 → 雑損控除が有利な場合も多い
国税庁の確定申告作成システムには自動判定機能があります。
4. 保険金が出ても利用できる
雑損控除・災害減免法とも、保険金で補填されなかった部分があれば適用できます。
「保険が出たら使えない」という誤解が多いため注意が必要です。
5. 対象となる資産は生活に必要なもの
対象は以下のような生活に通常必要な資産です。
住宅
家財
衣類
日用品
別荘や趣味性の高い資産は対象外です。
【№4 具体例】
台風被害では「雑損控除」「災害減免法」のどちらが有利かがケースごとに変わります。
静岡・浜松の被災相談でもよくある典型的パターンを10例にまとめました。
① 屋根の一部が破損し修理費60万円。保険金40万円
損失額は20万円。
災害関連支出が少ないため雑損控除A・Bとも控除額は小さくなりがち。
所得税の軽減は期待しにくいため、雑損控除適用でも控除額は限定的。
② 床上浸水で家電と家具の損害が合計150万円。保険金90万円
損失額60万円。
所得がやや高い場合は雑損控除の方が控除額が大きくなる可能性がある。
③ 静岡市で自宅が半壊し時価の1/2以上の損害。損害額350万円
所得500万円以下なら災害減免法による「全額免除」が最有力。
雑損控除より即効性が高い。
④ 車が浸水し修理不能。時価80万円。保険金ゼロ
車は「生活に通常必要な資産」に該当するため雑損控除の対象。
災害減免法は「住宅・家財」基準なので適用不可。
⑤ 家財がほぼ全損、修理不可。時価250万円、補填50万円
損害が大きい場合は災害減免法の基準を満たす可能性が高い。
所得750万円以下なら軽減割合の恩恵が大きい。
⑥ 一部屋のみ浸水し畳・壁紙の交換が必要。修理費45万円
損害額が限定的なため雑損控除はあっても控除額は大きくならないことが多い。
災害減免法の基準(時価の1/2以上)には届かない。
⑦ 台風と同時に停電し食材が全て廃棄。損害3万円
少額のため雑損控除の計算式B(災害関連支出−5万円)では控除額ゼロ。
救済制度は適用されないことが多い。
⑧ 自宅が傾き地盤改良工事が必要。工事費300万円
災害関連支出として扱える部分は雑損控除Bで反映されやすい。
所得が高い人ほど控除額の効果が大きい。
⑨ 静岡市内の賃貸アパートの1階が浸水し家財60万円が損害
持ち家でなくても「生活に必要な資産」の損害は雑損控除の対象。
災害減免法は家財の時価が1/2以上であれば検討可能。
⑩ 静岡県内で自営の倉庫が被害(業務用設備)
事業用資産は雑損控除の対象外。
災害減免法も「住宅・家財」基準なので適用されない。
事業所得の必要経費として処理する。
【№5 手順】
台風などの自然災害が発生した場合、税務手続は「記録」と「整理」が最重要です。
静岡・浜松では水害被害が多く、毎年このステップで相談を受けます。
① 被害状況を写真・動画で記録する
住宅・家財・家電の破損箇所を日付入りで撮影
修理前・撤去前の状態を必ず残す
領収書・見積書がなくなっても、写真があれば評価の手助けになる
② 修理費・廃棄費・購入費の領収書を保管
雑損控除の「災害関連支出」に使う
廃棄費・運搬費・解体費も対象になる
ネット購入でも明細の保存が必要
③ 保険会社へ速やかに連絡し、補填額を確認
「損害額-補填額」の差額が雑損控除や災害減免法の基礎になる
仮払金があっても申告時に精算可能
④ 損害の程度を整理(住宅・家財の時価と比較)
災害減免法は「時価の1/2以上」が重要な基準となるため、
工務店の見積り
保険会社の評価
修理不能の証明
などを活用して大まかな時価をつかむ。
⑤ 雑損控除と災害減免法のどちらが有利か試算
判断のポイントは次のとおり。
雑損控除が有利
所得が高め
災害関連支出が大きい
災害減免法が有利
損害が住宅・家財の「時価の1/2以上」
所得が1,000万円以下
特に所得500万円以下の場合は免除が大きい
確定申告書等作成コーナーでは自動判定も利用できる。
⑥ 年末調整では雑損控除は扱われない(必ず確定申告)
サラリーマンでも災害関連の控除は自分で確定申告
書類を添付して提出する
⑦ 3年間の繰越控除も忘れずに活用
雑損控除を使って控除しきれない場合、
翌年以後3年間繰り越し可能。
災害年以後の所得が上がる方には特に有利。
⑧ 自治体の罹災証明・被災証明を取得
軽微・半壊・大規模半壊等の区分が税務判定の参考に
後から申請するほど取得が困難になることも
⑨ 書類が流失した場合の救済策を確認
金融機関の残高証明
家電量販店の購入履歴
クレジットカードの利用明細
など代替資料で対応可能。
⑩ 災害関連の寄附をした場合は別途寄附金控除を検討
災害義援金は特例として全額控除の枠が使える
雑損控除とは別制度なので併用可能
【№6 FAQ】
① 台風被害を受けたら、まず何をすべきですか?
最優先は「安全確保」です。そのうえで、被害箇所を写真・動画で残し、修理前の状態を記録します。後日の税務判断に大きく影響します。
② 雑損控除と災害減免法はどう違いますか?
雑損控除は「所得から控除」、災害減免法は「所得税そのものを軽減・免除」する制度です。所得や損害額で有利不利が変わります。
③ どちらを選べばいいのかわかりません
一般的には、所得が高い方は雑損控除、所得が500万円以下の方は災害減免法が有利になるケースが多いです。最終判断は試算が必要です。
④ 静岡市・浜松市で台風被害が多い地域の相談傾向は?
水害・屋根破損・家財の浸水が多く、保険補填額の差によって控除額が大きく変わります。自治体の罹災証明の取得時期も重要です。
⑤ 購入した家具や家電の領収書が流されてしまいました
クレジットカード明細、家電量販店の購入履歴、銀行振込記録などが代替書類として利用できます。可能な限り集めてください。
⑥ 保険金が出た場合も控除できますか?
できます。ただし「損害額-保険金等」が控除の基礎となるため、補填額が大きいと控除額が小さくなることがあります。
⑦ 雑損控除は年末調整でできますか?
できません。サラリーマンでも災害関係の控除は必ず確定申告が必要です。
⑧ 災害減免法の「所得1,000万円以下」は総所得ですか?
はい。総所得金額等で判定します。給与所得者の場合は源泉徴収票の金額で確認できます。
⑨ 半壊などの判定は税額に影響しますか?
影響します。罹災証明の「区分」は損害の程度を判断する目安になり、災害減免法の要件判定でも参考にされます。
⑩ 会社(法人)が被害を受けた場合も同じ制度ですか?
いいえ。今回の雑損控除・災害減免法は「個人向け」です。法人は別の損金算入ルールや特例が適用されます。
【№7 まとめ】
台風などの自然災害は予期せず発生し、生活や仕事に大きな影響を与えます。住宅や家財に被害が出た場合、税金の負担を軽減するための制度として「雑損控除」と「災害減免法」の2つが用意されています。どちらも家計を助ける重要な仕組みですが、内容と適用条件が大きく異なります。
雑損控除は、所得から災害による損失を差し引く制度です。災害関連の支出も対象になるため、復旧費用を広くカバーできます。一方、災害減免法は所得税そのものを軽減または免除する制度で、所得が一定以下の方に大きな効果があります。
どちらが有利かは、所得、損害額、保険金の補填状況によって変わります。計算してみると結果が大きく変わるため、被災後は早めに情報を整理し、申告に必要な書類を揃えることが重要です。
特に静岡市や浜松市では台風や豪雨の被害相談が増えており、損害の程度や自治体の罹災証明の内容によって適用できる制度が変わるケースもあります。実際の申告では細かい判断が多いため、迷ったときは専門家に確認することが安全です。
災害後の生活再建には多くの手続きが必要ですが、税制上の支援を正しく使うことで負担を抑えることができます。制度を知っているだけで選択肢は増えますので、早めの準備と記録の保管がとても大切です。
【№8 出典】
出典:
『税務通信』第3871号(2025年10月13日)「台風による被害と所得税の軽減措置」媒体名
参考:
国税庁タックスアンサー「1110 雑損控除」(参照日:2025-12-11)
国税庁タックスアンサー「1115 災害減免法による所得税の軽減免除」(参照日:2025-12-11)
e-Gov法令検索「所得税法72条(雑損控除)」(参照日:2025-12-11)
e-Gov法令検索「災害減免法2条(所得税の軽減・免除)」(参照日:2025-12-11)
【№9 該当条文の説明】
ここでは、雑損控除と災害減免法の根拠となる条文を、専門知識がない方でも理解しやすいように解説します。条文は難しい表現が多いため、実務で押さえておきたいポイントに絞って説明します。
(1)所得税法72条(雑損控除)
所得税法72条は、災害や盗難などで生活に必要な財産が損害を受けた場合、その損失の一部を所得から差し引くことができる制度を定めています。
条文では、
「損失額-所得金額の10%」
「災害関連支出-5万円」
のいずれか大きい方を控除できる、と規定されています。
この条文のポイントは次の3つです。
1 対象となる財産が「生活に通常必要な資産」であること
例:住宅、家財、日用品など。投資目的の不動産や貴金属は原則対象外です。
2 損害額は「保険金等で補填される部分を除いた額」で計算すること
保険が出る場合、控除額が大きく変わるため注意が必要です。
3 控除しきれない場合は「翌年以後3年間の繰越控除が可能」
被災した年の所得が少ない方でも、後の年で税金軽減の効果を受けられます。
(2)所得税法71条(雑損控除の繰越控除)
所得税法71条は、雑損控除額がその年の所得で引き切れない場合に、翌年以後3年間にわたり控除できると定めています。
実務上、繰越控除を受けるには
・毎年連続して確定申告する
ことが条件となります。申告漏れがあると繰越が切れてしまうため注意が必要です。
(3)災害減免法2条(所得税の軽減・免除)
災害減免法2条は、被災した年の所得が1,000万円以下で、住宅・家財の損害割合が「時価の1/2以上」である場合、所得税を軽減または免除することを定めています。
ポイントは次の3つです。
1 所得金額で軽減割合が変わる
・500万円以下:全額免除
・500万円超~750万円以下:1/2を軽減
・750万円超~1,000万円以下:1/4を軽減
2 雑損控除より簡便
損害額の細かな計算は不要で、「損害割合」が基準になります。
3 保険金が出ても適用可能
ただし損害割合の判定上、保険金の補填内容が重要になるため、証明書等の確認が必要です。
(4)所得税法施行令262条(必要書類の添付)
施行令262条では、雑損控除を受ける際の手続について規定しています。
具体的には以下の書類が必要となります。
災害関連支出の領収証
被害状況の確認書類(罹災証明など)
控除額の計算過程が分かる資料
確定申告時に添付が必要なケースと、提示を求められた際に保存しておけばよいケースがあるため、災害後の早い段階から記録を残しておくことが重要です。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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