防衛特別法人税の創設と中小企業への影響

2026年1月3日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「防衛特別法人税の創設と中小企業への影響」をお伝えさせていただきます!
防衛特別法人税は、令和7年度税制改正で新設された税であり、今後多くの企業に関係します。特に静岡県や浜松市の製造業・地域企業では、法人税の申告に直結する制度のため、早めの理解が重要です。このコラムでは、制度の位置付け、計算方法、申告の流れ、中小企業が実務で注意すべき点などを、初学者でも分かるやさしい言葉で整理します。
制度の趣旨は「防衛力強化のための財源確保」です。法人税と地方法人税の体系に似ていますが、基礎控除額が設けられていること、4%の税率で計算すること、基準法人税額の算定が通常の法人税と異なることなど、正確な理解が必要です。
静岡や浜松の企業の皆さまにとって、予算策定や資金繰りにも関連するため、「いつから発生するのか」「結局いくら増えるのか」という視点で丁寧に解説していきます。

【№2 結論】

① 防衛特別法人税は「法人税額の一部に追加で課される税金」
課税対象は法人税の基準額
所得ではなく「法人税額」に4%を乗じて計算します。
地方法人税と似た仕組みです。
② 年500万円の基礎控除があるため、中小企業は多くの場合ゼロ
基準法人税額が500万円以下なら税額は発生しません。
年商規模や利益率が小さい企業は実質的に課税されないケースが多いです。
③ 計算の基礎となる「基準法人税額」に注意
所得税額控除などを適用する“前”の法人税額
別表1の「法人税額計」に近いイメージ
留保金課税がある場合はその税額も含まれます。
④ グループ通算制度を使っている企業は、基礎控除500万円をグループ全体で按分
個社500万円ではありません。
通算親法人と通算子法人の税額比で配分します。
⑤ 令和8年4月1日以降開始事業年度から適用
令和8年3月決算までは影響なし
令和8年4月以降解消する一時差異には「法定実効税率の変更」が必要
税効果会計の見直しが発生する企業は要注意。
※この後の章で、計算例・注意点・経理処理・別表の書き方もやさしく解説します。

【№3 やさしい解説】

防衛特別法人税は、「法人税に上乗せされる追加の税金」です。
複雑な新税ではなく、「法人税の金額をベースに、一定割合を掛けるだけ」というシンプルな仕組みになっています。

① 防衛特別法人税は「法人税の4%」が基本
まず通常どおり法人税を計算します。
その法人税額(=基準法人税額)から年500万円を引き、その残りに4%を掛けます。
計算式は次のイメージです。
防衛特別法人税額 =(基準法人税額 - 500万円)× 4%
基準法人税額が500万円以下であれば、差し引きゼロとなり、防衛特別法人税は発生しません。

② 中小企業は「500万円の基礎控除」でほとんど無税
年500万円の基礎控除があるため、法人税額が500万円以下の会社では税額は発生しません。
課税所得が数千万円以下の中小企業では、法人税が500万円未満に収まるケースが多く、
実務上は「影響がない」会社も相当数あります。
一方で、利益水準の高い中堅企業・大企業は追加負担が生じます。

③ 「基準法人税額」とはなにか(ざっくりイメージ)
基準法人税額は、法人税の「税額控除前」の金額と思ってください。
所得税額控除や外国税額控除などを引く前の法人税額がベースになります。
特定同族会社の留保金課税がある場合は、その税額も含めて基準法人税額を計算します。

④ グループ通算制度では「500万円はグループで1枠」
グループ通算を採用している場合、年500万円の基礎控除は「グループ全体で500万円」です。
親会社・子会社それぞれに500万円あるわけではなく、
各社の基準法人税額の比率で按分して使います。
そのため、グループ全体で見ると、ある程度の負担増になるケースが多くなります。

⑤ 損金不算入であり、申告や期限は法人税と同じ
防衛特別法人税は、法人税や地方法人税と同じく「損金不算入」です。
→ 別表4で加算調整を行います。
確定申告の期限は「事業年度終了の日の翌日から2か月以内」で、法人税と同じです。
法人税の中間申告義務がある場合は、防衛特別法人税についても中間申告が必要になります。

⑥ 適用開始時期と税効果会計への影響
適用開始は「令和8年4月1日以後に開始する事業年度」からです。
3月決算なら令和9年3月期から、12月決算なら令和8年12月期から適用されます。
法定実効税率の計算にも含める必要があり、
大企業では繰延税金資産・負債の計算で影響が出ます。

⑦ 静岡・浜松の企業が押さえたいポイント(実務目線)
利益が大きい製造業・卸売業などは、500万円の控除を超えてくる可能性があります。
事前に「基準法人税額が500万円を超えるかどうか」をざっくり試算しておくと安心です。
静岡市・浜松市の中堅企業では、投資計画や配当政策とあわせて、
防衛特別法人税分を踏まえた税負担のシミュレーションが有効です。

【№4 具体例】

ここでは「どんなときに税額が発生するのか」「500万円の基礎控除がどう効くのか」を、
数字を使った10のケースで示します。
専門書のように難しい数字は避け、社長がその場で理解できるレベルにしています。

① 基準法人税額が480万円の会社(税額は0円)
基準法人税額:480万円
500万円の基礎控除以下
防衛特別法人税:0円
小規模企業の多くがこのタイプになります。

② 基準法人税額が600万円の会社(税額4万円)
超過額:600万円−500万円=100万円
税額:100万円×4%=4万円
利益が伸びてきた中小企業で発生しやすい税額です。

③ 基準法人税額が1,000万円の会社(税額20万円)
超過額:1,000万円−500万円=500万円
税額:500万円×4%=20万円
中堅企業ではこの水準の負担が想定されます。

④ 基準法人税額が5,000万円の会社(税額180万円)
超過額:5,000万円−500万円=4,500万円
税額:4,500万円×4%=180万円
大企業では確実に税負担が発生します。

⑤ 外国税額控除が大きい企業(控除前の税額が基準)
実際の法人税額がほぼ0でも、控除前の金額が基準法人税額
例:控除前600万円 → 基礎控除後100万円 → 4万円の負担
“控除前”の金額を見る必要があります。

⑥ 留保金課税が発生する会社(留保金課税額も含む)
通常の法人税額300万円
留保金課税額300万円
基準法人税額合計600万円
→ 600万円−500万円=100万円
→ 税額4万円
留保金課税があると基準額が一気に増えます。

⑦ 赤字でも申告は必要(税額は0円)
基準法人税額0円
税額0円
申告義務は法人税と同じく「必ずあり」
“ゼロだから申告不要”ではありません。

⑧ グループ通算(500万円は全社で1枠)
【例】
親会社 基準法人税額:700万円
子会社 基準法人税額:300万円
→ グループ合計1,000万円
基礎控除500万円は、
親:700/1000=70% → 350万円
子:300/1000=30% → 150万円
のように按分します。
親会社の負担が大きくなるケースが多いです。

⑨ 設備投資を行い減価償却が増加(税額が減って0円に)
設備投資で償却費が増える → 課税所得が減る
結果として基準法人税額が500万円以下になれば税額0円
利益調整で税額が変わることを示す典型ケースです。

⑩ 利益が急増した会社(シミュレーションが重要)
前期:基準税額450万円 → 税額0円
今期:基準税額800万円 → 超過300万円×4%=12万円
利益の伸びが大きい業種(製造・IT)で起きやすいです。

【№5 手順】

防衛特別法人税は、法人税とほぼ同じ流れで計算・申告しますが、
「基準法人税額の確認」と「基礎控除500万円の扱い」に注意するだけで、実務は大きく難しくありません。
ここでは、担当者が迷わないように 6ステップ に整理しています。

① 基準法人税額を算定する(まず最重要)
法人税の「控除前の税額」を確認
(所得税額控除、外国税額控除などを使う前の税額)
別表1「法人税額計」の数値が“基準法人税額”のイメージ
★重要
実際に納税する法人税額とは異なることが多いので、必ず控除前の金額を見る必要があります。

② 基礎控除500万円を減算する
基準法人税額 − 500万円
0円を下回る場合は、税額は0円
中小企業の多くはここで税額が消えます。

③ 税率4%を乗じて税額を計算する
(基準法人税額 − 500万円)×4%
千円未満切捨て(法人税と同じ)
例:
600万円 − 500万円=100万円
100万円×4%=4万円

④ 留保金課税がある場合の追加計算
留保金課税額も「基準法人税額」に含まれる
基礎控除500万円を、通常法人税と留保金課税に順次適用する
※留保金課税がある会社は、誤計算が多いので要注意。

⑤ グループ通算制度利用時(500万円は全社で一枠)
親子の基準法人税額の比率で按分して使用
親会社の負担が大きくなる傾向
例:基準法人税額合計1,000万円
親700万円(70%)→控除350万円
子300万円(30%)→控除150万円

⑥ 申告書の作成・提出
防衛特別法人税の申告は「法人税と一体」で行います。
別表1の2枚目に入力
提出期限:法人税と同じ(事業年度終了後2か月以内)
申告期限延長がある場合は同様に延長
※基準法人税額が500万円以下で税額0円でも申告は必須。

【№6 FAQ】

① 防衛特別法人税とは何ですか
法人税額を基準にして計算される追加税で、税率は4%です。
年500万円の基礎控除があるため、小規模法人では税額0となるケースが多いです。

② いつから適用されますか
令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

③ 誰が納税義務者になりますか
各事業年度の所得に対して法人税を課される法人すべてが対象です。
中小企業も対象ですが、基準法人税額が500万円以下なら税負担は発生しません。

④ 基準法人税額とは何ですか
所得税額控除・外国税額控除を適用する前の「乾いた」法人税額のことです。
別表1の法人税額計がイメージに近い数値になります。

⑤ 基礎控除500万円の意味は何ですか
基準法人税額から500万円を控除して税額計算するため、税負担を軽減します。
基準法人税額が500万円未満の場合は税額0円です。

⑥ 基準法人税額が500万円以上なら必ず税負担が発生しますか
はい。
(基準法人税額 − 500万円)×4% で計算されるため、基準法人税額が大きいほど税額も増えます。

⑦ 留保金課税がある場合の扱いは
留保金部分も基準法人税額に含まれます。
500万円の基礎控除を通常分→留保金分の順に配分して控除します。

⑧ 法定実効税率には影響がありますか
あります。
防衛特別法人税は法人税に上乗せする税金のため、税効果会計に使う法定実効税率に含まれます。

⑨ 外国税額控除の関係はどうなりますか
法人税→地方法人税で控除しきれない外国税額があれば、防衛特別法人税から控除できます。
控除適用の順番は決められているため、誤ると過少申告になるおそれがあります。

⑩ グループ通算制度では基礎控除500万円はどう扱われますか
グループ全体で1枠(500万円)となります。
親子の基準法人税額の割合で按分して使用します。

【№7 まとめ】

防衛特別法人税は、令和7年度税制改正によって新設された新しい法人課税であり、令和8年4月1日以後開始事業年度から適用されます。名称から難しい税に見えますが、仕組み自体は比較的シンプルで、法人税額を基準に4%を乗じて計算します。さらに年500万円の基礎控除があるため、特に中小企業では実際には税負担が発生しない企業も多いことが大きな特徴です。
一方で、制度自体は法人税・地方法人税と類似しておりながら、外国税額控除の取扱いや留保金課税の調整、グループ通算制度における基礎控除の按分など、注意すべき細かなポイントも存在します。申告書の別表1が3枚構成になるなど、実務処理でも変更が生じるため、早めの理解が必要です。
★重要
制度開始後、税効果会計に使用する法定実効税率にも影響が及ぶため、将来減算・将来加算の一時差異を管理している企業では、計算に使用する税率が変わる点に注意が必要です。特に大企業や連結グループでは影響が顕著になるため、期中での再確認を推奨します。
静岡・浜松の中小企業の皆様においては、基準法人税額が500万円未満であるケースが多く、まずは「自社が基礎控除の範囲内に収まるか」を把握することが重要です。税負担が発生しない場合でも、申告手続きそのものは必要となるため、税務ソフト・別表1の更新状況も併せて確認することが実務上のポイントになります。
総じて、防衛特別法人税は「金額よりも制度理解と申告実務の準備」が大切な税制です。特に以下の点が実務の要となります。
新税は法人税と同時申告であり、別表1の構成が変わる
外国税額控除・グループ通算制度では独自の計算規定がある
税効果会計で使用する法定実効税率が変動する
中小企業でも適用対象だが、多くは基礎控除で税額0となる
誤差は申告漏れや過少申告につながるため実務者の理解が必要
企業規模に関わらず、新制度を正しく理解しておくことで、決算対策や税務リスク管理に役立ちます。特に静岡市・浜松市の企業の皆様は、地域産業の構造上中小法人が多いため、「基礎控除内に収まるか?」が第一のポイントとなるでしょう。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3872号(2025年10月20日)「現代税務・会計ニュースのキーワード 防衛特別法人税の創設」媒体名
参考:国税庁タックスアンサー「法人税の仕組み」(参照日:2025-12-11)
参考:国税庁タックスアンサー「外国税額控除」(参照日:2025-12-11)
参考:e-Gov法令検索「法人税法(法法)」第68条・第69条ほか(参照日:2025-12-11)
参考:e-Gov法令検索「防衛力強化に係る財源確保のための特別措置法」(参照日:2025-12-11)

【№9 該当条文の説明】

ここでは、防衛特別法人税を理解するうえで最低限押さえるべき条文ポイントだけを、短く整理します。

① 防衛特別法人税の根拠法(防確法)
防衛特別法人税は「防衛力強化のための特別措置法」で規定。
仕組みは「基準法人税額−500万円」×4%。
申告期限は法人税と同じ。
法人税に追加される独立税というイメージで整理できます。

② 法人税法の控除規定との関係(法法68・69 等)
基準法人税額は「控除前の法人税額」を使う。
所得税額控除・外国税額控除などはいったん無視して計算。
そのため、別表1の「法人税額計」と近い水準の税額が基準になります。

③ グループ通算制度の条文
基礎控除500万円はグループ合計で一つ。
通算各社の基準法人税額の比率で按分。
赤字法人は按分比0。
実務的には軽減税率の按分と同じ発想です。

④ 損金不算入の根拠
防衛特別法人税も法人税・地方法人税と同じく損金不算入。
別表4で加算調整するだけ。

⑤ 外国税額控除との関係
控除順序は「法人税 → 地方法人税 → 防衛特別法人税」。
法人税・地方法人税で余った控除額だけが対象。
仕組みは既存の外国税額控除とほぼ同じ流れです。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
無料相談をご希望の方は、最高のIT税理士法人へお気軽にお問い合わせくださいませ。
https://toc-tax.jp/contact/