会計検査院が指摘したストック・オプション(SO)の申告・課税漏れ問題

2026年1月8日

【№1 はじめに】

こんにちは!
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私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「会計検査院が指摘したストック・オプション(SO)の申告・課税漏れ問題」についてお伝えさせていただきます!
近年、スタートアップ企業や成長企業を中心に、役員や従業員へストック・オプションを付与するケースが増えています。
一方で、SOに関する税務は分かりにくく、「いつ」「どの所得として」「誰が申告するのか」を誤解したまま処理されている例も少なくありません。
こうした状況の中、会計検査院は令和5年10月、ストック・オプションに関する課税状況について検査を行い、税制適格SO・税制非適格SOの双方で、申告漏れや課税漏れが生じている可能性を指摘しました。
この指摘を受け、国税庁は事務処理の見直しや情報活用の強化に動いています。
つまり、今後はSOに関する税務チェックが、より厳格になることが想定されます。
静岡市や浜松市の中小企業、ベンチャー企業においても、SOは決して他人事ではありません。
本稿では、今回の指摘内容と、その背景、会社側と個人側が注意すべきポイントを、できるだけ分かりやすく整理していきます。

【№2 結論】

★重要
会計検査院は、ストック・オプションに関する税務について、申告漏れや課税漏れが発生している蓋然性が高い と明確に指摘しました。
特に問題とされたのは、次の2点です。
税制適格ストック・オプションにおいて、株式譲渡時の譲渡所得が申告されていない可能性があること
税制非適格ストック・オプションにおいて、権利行使時の経済的利益が給与所得等として適正に申告されていない可能性があること
これらはいずれも、「制度を知らなかった」「申告が不要だと思っていた」という認識のズレから生じています。
しかし、会計検査院の指摘により、国税庁はSO関連の調書データを本格的に活用し、申告確認を強化する姿勢を明確にしています。
結論として、SOに関して会社側と個人側が押さえるべきポイントは次の3点です。
税制適格であっても「非課税になる場面」と「申告が必要な場面」があること
税制非適格SOでは、原則として権利行使時に課税関係が生じること
国税庁は既に調書データを保有しており、申告漏れは把握されやすい状況にあること
SOは節税制度ではなく、正しく理解して初めて活用できる制度です。
今回の指摘は、その前提を改めて確認する重要なメッセージといえます。

【№3 やさしい解説(ストック・オプションとは何か)】

ここでは、ストック・オプションの基本から整理します。
ストック・オプションとは、あらかじめ決められた価格で、自社の株式を取得できる権利のことです。
会社の成長に貢献した役員や従業員が、将来株価が上がった場合に利益を得られる仕組みです。
SOには大きく分けて、税制適格ストック・オプションと、税制非適格ストック・オプションの2種類があります。
この違いが、税務上の取扱いを大きく左右します。
税制非適格SOの場合、株式を取得した時点、つまり権利行使時に、株価と取得価額との差額が経済的利益となり、給与所得などとして課税されます。
会社側では、給与としての処理や調書提出が必要になります。
一方、一定の要件を満たす税制適格SOでは、権利行使時には課税されません。
しかし「非課税=申告不要」という意味ではありません。
税制適格SOでは、取得した株式を将来売却した時に、譲渡所得として課税されます。
この譲渡所得は、原則として本人が確定申告を行う必要があります。
今回の会計検査院の指摘は、この「売却時の申告」や「権利行使時の給与課税」が、実務上きちんと処理されていないケースが多い点に向けられています。

【№4 具体例】

ここでは、ストック・オプションに関する課税関係について、実務で起こりやすい場面を具体例で整理します。
税制適格か非適格かによって、課税のタイミングと申告主体が大きく異なる点に注意が必要です。

① 税制非適格SOを権利行使したケース
役員が非適格SOを行使し、時価と取得価額の差額が生じました。
この差額は経済的利益として給与所得等に該当し、原則としてその年の所得になります。

② 税制非適格SOで給与課税が漏れていたケース
会社側で経済的利益を把握できておらず、給与として計上していませんでした。
後日、行使の調書データとの突合により、申告漏れが指摘される可能性があります。

③ 税制適格SOを行使しただけのケース
一定の要件を満たす税制適格SOを行使した段階では、所得税は課税されません。
この時点では確定申告が不要と誤解されやすい場面です。

④ 税制適格SOの株式を売却したケース
権利行使後に取得した株式を売却し、利益が出ました。
この利益は譲渡所得として、本人が確定申告を行う必要があります。

⑤ 税制適格SOで売却申告をしていなかったケース
売却益が出ていたものの、申告不要と誤認して申告していませんでした。
今回の会計検査院の指摘は、こうしたケースを想定しています。

⑥ 上場前後で株価が大きく変動したケース
上場前に行使し、上場後に売却した場合、譲渡所得が多額になることがあります。
金額が大きいほど、申告漏れは把握されやすくなります。

⑦ 金融機関を通じて株式を管理しているケース
税制適格SOでは、金融商品取引業者等が異動の調書を提出します。
本人が申告しなくても、税務当局には情報が届いています。

⑧ 会社が小規模でSO管理が属人化しているケース
管理担当者が変わったことで、SOの税務処理が引き継がれていませんでした。
制度理解不足が申告漏れにつながる典型例です。

⑨ 退職後に株式を売却したケース
会社を退職した後でも、譲渡所得の申告義務は本人に残ります。
退職=関係終了と誤解しやすい点です。

⑩ 税制適格と非適格を混同していたケース
同じSOでも課税関係が異なる点を理解しておらず、処理を誤っていました。
今回の指摘で最も多く想定されるパターンです。
これらの例から分かるとおり、SOは「いつ課税されるのか」「誰が申告するのか」を誤ると、申告漏れにつながりやすい制度です。

【№5 手順】

次に、ストック・オプションに関して、会社側と個人側が実務で押さえるべき流れを整理します。

① 付与しているSOの種類を確認する
まず、自社が付与しているSOが税制適格か非適格かを明確にします。
ここを誤ると、その後の判断がすべてずれます。

② 付与条件と要件充足状況を整理する
税制適格SOの場合は、付与時点から要件を満たしているかを確認します。
途中で要件を外れると非適格扱いになる点に注意します。

③ 権利行使の有無と時期を把握する
誰が、いつ、いくらで権利行使したのかを整理します。
非適格SOでは、この時点で課税関係が生じます。

④ 経済的利益の計算を行う
非適格SOでは、行使時点の株価と取得価額との差額を算定します。
会社側で把握し、給与処理につなげます。

⑤ 必要な調書を提出する
非適格SOでは行使の調書、適格SOでは異動の調書が提出されます。
これらは国税庁のシステムにデータとして取り込まれます。

⑥ 本人へ課税関係を説明する
特に税制適格SOでは、将来の売却時に申告が必要である点を説明します。
「非課税=申告不要」と誤解させないことが重要です。

⑦ 売却があったかを定期的に確認する
取得株式の売却有無を、本人任せにせず確認します。
退職後も含めて注意が必要です。

⑧ 本人による確定申告をフォローする
譲渡所得が生じた場合、本人が確定申告を行う必要があります。
税理士の関与を勧めることも有効です。

⑨ 国税からの照会に備える
調書データと申告内容は突合されます。
照会が来ても説明できる体制を整えておきます。

⑩ 制度変更や指摘を定期的に確認する
今回のように、会計検査院の指摘をきっかけに運用が変わることがあります。
最新情報を定期的に確認することが重要です。

【№6 FAQ(よくある質問)】

ここでは、ストック・オプションに関して、実務で特に多い質問を整理します。
Q1.税制適格SOなら税金は一切かかりませんか。
A.いいえ。権利行使時は非課税ですが、株式を売却した際には譲渡所得として課税され、確定申告が必要です。

Q2.税制非適格SOはいつ課税されますか。
A.原則として、権利行使時に経済的利益が給与所得等として課税されます。

Q3.SOの申告は会社がしてくれますか。
A.非適格SOの給与課税部分は会社が対応しますが、適格SOの譲渡所得は本人が申告します。

Q4.確定申告を忘れるとどうなりますか。
A.無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。

Q5.国税庁は申告漏れを把握できますか。
A.調書データが国税庁のシステムに集約されており、把握されやすい状況です。

Q6.退職後に売却した場合も申告が必要ですか。
A.必要です。退職しても申告義務は本人に残ります。

Q7.株式を少額で売却した場合も申告が必要ですか。
A.譲渡益が出ていれば、原則として申告が必要です。

Q8.税制適格と非適格を後から変更できますか。
A.原則としてできません。付与時の要件充足が重要です。

Q9.会社が小規模でもSO管理は必要ですか。
A.必要です。規模に関係なく税務上の取扱いは同じです。

Q10.静岡市や浜松市の企業でも調査対象になりますか。
A.なります。地域による扱いの差はありません。

Q11.判断に迷った場合はどうすればよいですか。
A.早めに税理士へ相談し、整理することが安全です。

【№7 まとめ】

今回の会計検査院の指摘は、ストック・オプションに関する税務が、これまで以上に注目されていることを示しています。
特に、税制適格SOでは譲渡所得の無申告、税制非適格SOでは給与課税の漏れが生じやすい点が問題とされました。いずれも制度を正しく理解していないことが主な原因です。
国税庁は、既に調書データを活用した申告確認を進めており、SOに関する申告漏れは見過ごされにくい状況になっています。
静岡市や浜松市の中小企業、スタートアップ企業においても、SOは成長戦略の一環として活用される場面が増えています。だからこそ、付与時から将来の課税や申告までを見据えた管理が重要です。
SOは節税のための制度ではなく、正しく理解して使うインセンティブ制度です。今回の指摘をきっかけに、自社と個人の対応を一度整理しておくことが、将来のリスク回避につながります。

【№8 出典】

出典:
『税務通信』第3873号(2025年10月27日)
「検査院 SOの申告・課税漏れを指摘」
税務通信編集部
参考:
国税庁タックスアンサー
「ストック・オプションに係る課税関係」(参照日:2025-12-22)
参考:
e-Gov法令検索
「所得税法」「租税特別措置法」(参照日:2025-12-22)

【№9 該当条文の説明】

ストック・オプションの課税関係は、主に所得税法と租税特別措置法に基づいて整理されています。
税制非適格SOについては、所得税法施行令により、権利行使時の経済的利益が給与所得等として課税される仕組みが定められています。これは、会社から受ける経済的利益と同様に扱う考え方です。
一方、一定の要件を満たす税制適格SOについては、租税特別措置法により、権利行使時の課税が繰り延べられ、株式売却時に譲渡所得として課税されます。
ただし、課税が繰り延べられるだけで、非課税になるわけではありません。譲渡所得が生じた場合には、本人による確定申告が必要です。
今回の会計検査院の指摘は、これらの条文に基づく運用が、実務の現場で十分に機能していなかった点に向けられたものです。今後は、条文どおりの課税と申告がより厳格に確認されていくと考えられます。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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