フードバンクへの食品提供は損金になる?寄附金・廃棄損の分かれ目をやさしく解説
2026年1月22日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
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本日は、「フードバンクへの食品提供は損金になる?寄附金・廃棄損の分かれ目をやさしく解説」をお伝えさせていただきます!
近年、物価高や生活環境の変化を背景に、まだ食べられる食品が廃棄されてしまう「食品ロス」が社会問題となっています。こうした状況の中で、企業が余剰食品をフードバンクへ無償提供する動きも広がっています。
一方で、経営者や経理担当者の方からは、
★ フードバンクへの食品提供は「寄附金」になるのか
★ それとも「廃棄」として損金にできるのか
といった税務上の疑問を多くお聞きします。
特に、食品メーカーや小売業、飲食関連事業を営む法人にとっては、在庫管理や廃棄処理と直結する重要な論点です。処理を誤ると、想定していたよりも損金にできず、結果として法人税の負担が増えてしまう可能性もあります。
そこで本コラムでは、フードバンクへの食品寄附について、法人税上どのように取り扱われるのかを整理したうえで、
寄附金として扱われるケース
廃棄損として処理できるケース
この違いを中心に、できるだけやさしく解説していきます。
【№2 結論】
結論からお伝えすると、フードバンクへ食品を提供した場合、原則としてその取扱いは「寄附金」となります。これは、法人が事業と直接関係のない相手に対して、金銭や物品などの資産を無償で供与した場合には、寄附金として扱うという法人税の基本的な考え方によるものです。
ただし、すべてのケースで寄附金になるわけではありません。食品の提供が、実態として商品廃棄の一環であると判断できる場合には、寄附金ではなく「廃棄損」として損金に算入できる可能性があります。
この判断で特に重要になるのは、次のポイントです。
★ もともと社内ルール等により廃棄予定であった食品であること
★ フードバンクがその食品を回収する形になっていること
★ 提供した食品が転売されないことや、目的外使用がされないことが確認できること
これらの条件を満たしていれば、食品を寄附したというよりも、廃棄処理を行ったと見ることができるため、提供に要した費用を廃棄損として処理することが認められます。
また、食品提供の目的が社会貢献ではなく、企業の広告宣伝やイメージ向上にある場合には、広告宣伝費として損金に算入できるケースもあります。ただし、この判断は形式ではなく実態が重視されるため、慎重な整理が必要です。
つまり、フードバンクへの食品提供については、
★ 何を目的として提供しているのか
★ その食品がどのような位置付けの在庫なのか
★ 提供後の使途がどのように管理されているのか
これらを踏まえて、寄附金・廃棄損・広告宣伝費のいずれに該当するかを判断することが、税務上の正しい対応となります。
【№3 やさしい解説】
フードバンクへの食品提供を考える際、まず押さえておきたいのは、法人税における「寄附金」の基本的な考え方です。法人が金銭や商品などの資産を、事業と直接関係のない相手に無償で提供した場合、その支出は原則として寄附金として扱われます。
寄附金は損金に算入できますが、全額が必ず損金になるわけではありません。支出先や法人の規模に応じて損金算入限度額が定められており、その限度額を超えた部分については、法人税の計算上、損金不算入となります。
フードバンクへ食品を提供した場合も、基本的な考え方は同じです。食品を無償で渡している以上、形式的には寄附金に該当するため、限度額の枠内でしか損金にできないのが原則となります。
もっとも、すべての食品提供が寄附金になるわけではありません。もともと社内ルール等により廃棄する予定であった食品について、フードバンクが回収する形を取っている場合には、実態として商品廃棄の一環と考えることができます。
このような場合、単なる善意の寄附ではなく、廃棄処理の代替として食品が提供されていると評価されます。その結果、提供に要した費用については、寄附金ではなく廃棄損として損金に算入することが認められることがあります。
ただし、廃棄損として処理するためには、一定の前提条件を満たしていることが重要です。例えば、提供した食品が転売されないこと、目的外に使用されないことについて、フードバンクとの合意があり、法人側でもその使途を確認できる体制が求められます。
また、食品提供の目的が社会貢献ではなく、企業の広告宣伝やブランドイメージの向上にある場合には、寄附金ではなく広告宣伝費として処理できるケースもあります。この場合も、名称や形式ではなく、実際の提供目的や実態が判断基準となります。
つまり、フードバンクへの食品提供については、
★ 提供する食品がどのような在庫なのか
★ 提供の目的は何か
★ 提供後の使途がどのように管理されているか
これらを総合的に確認したうえで、寄附金、廃棄損、広告宣伝費のいずれに該当するのかを判断することが、実務上とても重要になります。
【№4 具体例】
① 賞味期限が近づき、社内ルールで廃棄対象となっていた食品を、フードバンクが引き取り、無償提供したケース
→ 実態は商品廃棄の一環と考えられるため、提供に要した費用は廃棄損として処理できる可能性があります。
② パッケージ変更により販売できなくなった在庫食品を、廃棄予定として管理したうえでフードバンクへ提供したケース
→ 廃棄予定であったことが明確であれば、廃棄損としての処理が検討されます。
③ 倉庫内で長期滞留し、販売見込みが立たない食品を、社内規程に基づき処分対象とした後に提供したケース
→ 単なる寄附ではなく、廃棄処理の代替と評価される余地があります。
④ フードバンクとの合意書で転売禁止や目的外使用禁止を定め、提供後の使途確認ができる体制を整えたケース
→ 提供食品の管理が担保されており、廃棄損としての判断がしやすくなります。
⑤ 廃棄予定ではなかった通常商品を、社会貢献目的でフードバンクに提供したケース
→ 廃棄ではなく寄附に該当し、一般の寄附金としての取扱いになります。
⑥ 販促イベントの一環として、企業名を表示した形で食品を提供したケース
→ 社会貢献よりも宣伝目的が強い場合、広告宣伝費として処理できる可能性があります。
⑦ 食品提供を広報資料や自社サイトで積極的に発信し、ブランド価値向上を狙っていたケース
→ 実態次第では広告宣伝費と判断されることがあります。
⑧ フードバンク側に食品の使途確認を行っておらず、提供後の管理状況が不明なケース
→ 廃棄損としての要件を満たさず、寄附金扱いとなる可能性が高くなります。
⑨ もともと廃棄予定だった食品だが、社内ルールや記録が残っていなかったケース
→ 実態の説明が難しく、税務上は寄附金として扱われるリスクがあります。
⑩ フードバンク提供と同時に、廃棄費用の削減効果が明確に把握できているケース
→ 廃棄処理の代替であることを裏付ける要素となり、廃棄損としての説明がしやすくなります。
【№5 手順】
フードバンクへの食品提供を行う際は、
思いつきで処理せず、次の流れで整理していくことが重要です。
手順① 提供する食品が「廃棄予定」かどうかを確認する
まず、その食品が社内ルールや在庫管理上、もともと廃棄対象となっていたかを確認します。賞味期限切迫、販売不能、長期滞留など、廃棄理由が明確になっていることが重要です。
手順② 廃棄予定であることを客観的に説明できる資料を残す
社内規程、在庫一覧、廃棄リスト、稟議書など、後から見ても「廃棄予定だった」と説明できる記録を整えておきます。口頭判断だけでは足りません。
手順③ フードバンクとの提供条件を整理する
食品の転売禁止、目的外使用禁止、無償提供であることなどについて、フードバンクと事前に認識を合わせます。可能であれば、合意書や覚書を作成します。
手順④ 提供後の使途確認ができる体制を整える
提供した食品が、どのように活用されたのかを把握できる仕組みを用意します。報告書や写真、簡単な実績報告でも構いません。
手順⑤ 提供の目的を整理する
社会貢献なのか、廃棄処理の代替なのか、広告宣伝なのかを整理します。目的によって、寄附金・廃棄損・広告宣伝費の判断が変わります。
手順⑥ 会計処理の区分を決定する
上記の内容を踏まえ、寄附金として処理するのか、廃棄損とするのか、広告宣伝費とするのかを決定します。迷う場合は、保守的な処理も選択肢です。
手順⑦ 税務上の説明ができる状態で帳簿に反映する
金額だけでなく、処理理由が説明できるように摘要欄などに補足を残します。後日の税務調査でも重要になるポイントです。
【№6 FAQ】
Q1. フードバンクへの食品提供は、必ず寄附金になりますか。
A1. 原則として寄附金になりますが、もともと廃棄予定だった食品で、実態として廃棄処理の一環と判断できる場合には、廃棄損として処理できる可能性があります。
Q2. 廃棄損として処理するために、必ず合意書は必要ですか。
A2. 必須ではありませんが、転売禁止や目的外使用禁止などを明確にするため、合意書や覚書がある方が税務上の説明はしやすくなります。
Q3. 社内で「廃棄予定」と決めていただけでも大丈夫ですか。
A3. 口頭判断だけでは不十分です。社内規程や廃棄リストなど、客観的に確認できる資料を残しておくことが重要です。
Q4. 廃棄予定ではなかった商品を提供した場合はどうなりますか。
A4. その場合は廃棄損とは言えず、一般の寄附金として扱われるのが通常です。損金算入限度額の計算が必要になります。
Q5. フードバンクへの食品提供に消費税はかかりますか。
A5. 無償提供であるため、原則として対価のない資産の譲渡に該当します。個別の取扱いは、提供形態や在庫区分によって異なるため注意が必要です。
Q6. 食品提供をホームページで紹介した場合はどうなりますか。
A6. 社会貢献の紹介にとどまる場合は寄附金扱いが基本ですが、広告目的が強い場合には広告宣伝費と判断されることがあります。
Q7. フードバンクが食品を回収しに来ることは要件になりますか。
A7. 回収方法自体が必須条件ではありませんが、廃棄処理の代替と説明するうえでは、回収型の方が実態を説明しやすくなります。
Q8. 廃棄損として処理できる金額は、食品の時価ですか。
A8. 廃棄損として処理する場合は、提供に要した費用が対象となります。寄附金として扱う場合は、時価評価が問題になります。
Q9. 静岡市で食品製造業を営んでいますが、税務調査で指摘されやすい点は何ですか。
A9. 廃棄予定だったことを示す証拠が不十分な点や、提供後の使途管理が曖昧な点は、指摘を受けやすいポイントです。
Q10. 浜松市の小売業ですが、少量の提供でも同じ考え方ですか。
A10. 金額の多寡にかかわらず、基本的な判断枠組みは同じです。ただし、金額が小さい場合でも記録を残しておくことは大切です。
Q11. 毎年継続してフードバンクへ提供している場合、注意点はありますか。
A11. 恒常的な提供になると、広告宣伝目的や寄附金性が強く見られることがあります。毎期、目的と処理区分を確認しましょう。
【№7 まとめ】
フードバンクへの食品提供は、社会的にも意義のある取り組みですが、税務上は処理を誤りやすい論点でもあります。単に「良いことをしているから大丈夫」と考えてしまうと、思わぬ損金不算入につながる可能性があります。
原則として、フードバンクへの食品提供は寄附金として扱われます。
ただし、その食品がもともと廃棄予定であり、実態として商品廃棄の一環と評価できる場合には、寄附金ではなく廃棄損として処理できる余地があります。
この判断で重要になるのは、形式ではなく実態です。
廃棄予定であったことを説明できるか
提供目的が何であったのか
提供後の使途が適切に管理されているか
これらを総合的に整理したうえで、会計処理を決める必要があります。
特に、食品メーカーや小売業、飲食関連事業を営む法人では、在庫管理や廃棄ルールと密接に関わるため、日常の業務フローの中で意識しておくことが大切です。事前にルールを整えておけば、税務調査の場面でも落ち着いて説明することができます。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3875号(2025年11月10日)
「フードバンクへの食品寄附の損金性」税務通信
参考:国税庁タックスアンサー
「寄附金の取扱い」(参照日:2026-01-05)
参考:e-Gov法令検索
「法人税法 第37条」(参照日:2026-01-05)
【№9 該当条文の説明】
法人税法では、法人が金銭その他の資産や経済的利益を、事業に直接関係のない者に対して無償で供与した場合、その支出は寄附金として取り扱うこととされています。これが、フードバンクへの食品提供が原則として寄附金とされる根拠です。
寄附金については、支出先の性質や法人の規模に応じて、損金算入できる限度額が定められています。そのため、限度額を超えた部分は、法人税の計算上、損金に算入することができません。
一方で、国税庁の質疑応答事例では、フードバンクへの食品提供であっても、実質的に商品廃棄の一環と認められる場合には、寄附金ではなく廃棄損として損金算入しても差し支えないとされています。
この判断にあたっては、
社内ルール等に基づき廃棄予定であったこと
フードバンクとの合意により転売禁止などが定められていること
提供した食品の使途が確認できること
といった点が重視されます。
また、食品提供の目的が広告宣伝である場合には、寄附金ではなく広告宣伝費として処理できるケースもあるとされています。ただし、この場合も名称ではなく実態が判断基準となります。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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