スキマバイトを直接雇用した場合の年末調整対応

2026年1月31日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信し、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念のもと、最先端のIT技術を活用し、中小企業の業務生産性向上に日々取り組んでいます。
本日は、「スキマバイトを直接雇用した場合の年末調整対応」についてお伝えします。
近年、スキマ時間を活用した働き方が広がり、スキマバイトを活用する企業も増えています。
静岡市や浜松市の中小企業でも、繁忙期や人手不足対策として導入されるケースが一般的になってきました。
その中で、スキマバイトとして働いていた人を、年の途中から正社員として直接雇用する場面も少なくありません。
このとき、「年末調整はどう扱えばよいのか」「スキマバイト時代の給与は含めるのか」と悩む声を多く耳にします。
スキマバイトの給与は、通常の正社員給与とは異なる扱いになるため、対応を誤ると年末調整漏れや確定申告が必要になることもあります。
そこで本コラムでは、スキマバイトを直接雇用した場合の年末調整について、基本的な考え方と実務上のポイントを、できるだけやさしく整理していきます。

【№2 結論】

結論からお伝えすると、
スキマバイトを直接雇用した場合の年末調整対応は、
「同じ会社で正社員になったか」
「別の会社に就職したか」
によって、大きく異なります。
ポイントを整理すると、次のとおりです。
同じ会社でスキマバイトから正社員になった場合
 → スキマバイト時代の丙欄給与を含めて、会社が年末調整を行う
スキマバイト先とは別の会社に正社員として就職した場合
 → 正社員として働く会社の甲欄給与のみが年末調整の対象
 → スキマバイト先の丙欄給与は年末調整の対象外
複数のスキマバイト先がある場合
 → 正社員として就職した会社以外の給与は年末調整の対象外
 → 原則として従業員が確定申告を行う
★重要
「スキマバイト=すべて年末調整できない」と思い込むのは誤りです。
同一会社内での雇用形態の変更であれば、
丙欄給与も含めて年末調整の対象になるケースがあります。
この結論を正しく理解しておくことが、
年末調整ミスや、従業員とのトラブルを防ぐ第一歩になります。

【№3 やさしい解説】

ここでは、スキマバイトと年末調整の関係を理解するために、
まず「給与区分」と「年末調整の基本」を整理します。
年末調整は、すべての給与が対象になるわけではありません。
一定の条件を満たした給与だけが、会社側で年末調整されます。
その判断のカギになるのが、「甲欄・乙欄・丙欄」という給与区分です。

給与区分の基本
給与から源泉徴収を行う際、税額表には「甲欄」「乙欄」「丙欄」の3種類があります。
それぞれの意味は、次のとおりです。
甲欄給与
 会社に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している従業員の給与です。
 正社員や契約社員など、いわゆる本業の給与が該当します。
乙欄給与
 扶養控除等申告書を提出していない従業員の給与です。
 副業先や短期雇用などで使われることがあります。
丙欄給与
 日雇い労働など、その日ごとに支払われる給与です。
 スキマバイトで支払われる給与の多くが、この丙欄に該当します。
★注意
丙欄給与は、原則として年末調整の対象になりません。
ここがスキマバイト対応で混乱しやすいポイントです。

なぜスキマバイトは丙欄になるのか
スキマバイトは、
「短期間」「単発」「日ごとの支払い」
という働き方が前提になっています。
そのため、多くの場合、
会社に扶養控除等申告書を提出しません。
結果として、
税額計算は日額表の「丙欄」を使うことになります。
なお、
1日の給与が一定額未満であれば、
源泉徴収自体が行われないケースもあります。
ただし、
源泉徴収がない=税金がかからない、
という意味ではない点には注意が必要です。

年末調整の対象になる給与とは
年末調整は、
「その会社が支払った甲欄給与」を前提に行われます。
そのため、原則として、
丙欄給与
他社で支払われた給与
これらは、年末調整の対象外になります。
しかし、
ここで例外的な取り扱いが生じるのが、
「同じ会社で雇用形態が変わった場合」です。

同じ会社でスキマバイトから正社員になった場合
スキマバイトとして働いていた人が、
年の途中から同じ会社で正社員になることがあります。
この場合、
正社員として雇用されたタイミングで、
会社に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出します。
すると、
それ以降の給与は「甲欄給与」に切り替わります。

★重要
このケースでは、
スキマバイト時代の丙欄給与も含めて、
同じ会社が年末調整を行います。
「同一会社内での区分変更」であることが、
この取り扱いの根拠です。

別の会社に就職した場合の考え方
一方で、
スキマバイト先とは別の会社に正社員として就職した場合、
考え方は大きく変わります。
この場合、
正社員として働く会社が年末調整を行うのは、
あくまで自社で支払った甲欄給与だけです。
スキマバイト先で受け取った丙欄給与は、
年末調整の対象にはなりません。
その結果、
一定の所得を超える場合には、
従業員本人が確定申告を行うことになります。

【№4 具体例】

ここでは、スキマバイトを直接雇用した場合に、
実務で特に質問が多いケースを具体例で整理します。
判断に迷ったときは、近い事例を当てはめて確認してください。

① 同じ会社でスキマバイトから正社員になったケース
年の前半は日雇いのスキマバイトとして勤務し、
年の途中から同じ会社で正社員として雇用された場合です。
この場合、丙欄給与と甲欄給与を合算して年末調整を行います。

② 同じ会社でスキマバイトから契約社員になったケース
雇用形態が正社員でなく契約社員であっても、
扶養控除等申告書を提出し、甲欄給与に切り替われば、
スキマバイト時代の丙欄給与も含めて年末調整の対象になります。

③ スキマバイト先とは別の会社に正社員として就職したケース
A社でスキマバイトを行い、その後B社に正社員として就職した場合です。
B社ではB社の甲欄給与のみ年末調整を行い、
A社の丙欄給与は年末調整の対象外になります。

④ 複数社でスキマバイトをしてから1社に就職したケース
A社・B社でスキマバイトを行い、C社に正社員として就職した場合です。
C社での丙欄給与と甲欄給与は年末調整対象となりますが、
A社・B社の丙欄給与は対象外となり、原則確定申告が必要です。

⑤ 年末直前にスキマバイト先で正社員になったケース
12月にスキマバイト先で正社員となり、
扶養控除等申告書を提出した場合です。
期間が短くても、同一社であれば丙欄給与を含めて年末調整します。

⑥ スキマバイト期間中に源泉徴収がなかったケース
日給が一定額未満で、源泉徴収が行われていなかった場合です。
源泉徴収の有無にかかわらず、
同一社で正社員になれば丙欄給与を含めて年末調整します。

⑦ スキマバイトと正社員で部署が異なるケース
同じ会社内で部署が変わった場合でも、
法人が同一であれば年末調整の考え方は変わりません。
丙欄給与と甲欄給与を合算して処理します。

⑧ スキマバイト後に扶養控除等申告書を未提出のままの場合
正社員になったにもかかわらず、
扶養控除等申告書を提出していない場合です。
この場合、甲欄にならず年末調整ができないため、
速やかな書類提出が必要になります。

⑨ 年の途中で一度退職し、同じ会社に再就職したケース
スキマバイトとして退職後、
同年中に同じ会社へ正社員として再就職した場合です。
同一法人であれば、年末調整で合算処理します。

⑩ スキマバイトと副業の両方があるケース
本業とは別に複数のスキマバイト収入がある場合です。
正社員として雇用された会社以外の給与は、
原則として確定申告の対象になります。

⑪ スキマバイトからアルバイトに切り替えたケース
日雇いから月給制アルバイトに切り替え、
扶養控除等申告書を提出した場合です。
この場合も、同一社であれば年末調整の対象になります。

【№5 手順】

ここでは、スキマバイトを直接雇用した場合に、
会社側が実務で行うべき対応を、流れに沿って整理します。
年末調整前に一つずつ確認することが重要です。

手順① 雇用形態の変更有無を確認する
まず、スキマバイトとして働いていた従業員が、
同じ会社で正社員や契約社員に切り替わったかを確認します。
同一法人内かどうかが最初の判断ポイントです。

手順② 扶養控除等申告書の提出状況を確認する
正社員等として雇用した場合、
「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されているかを確認します。
提出がない場合、甲欄給与にならず年末調整ができません。

手順③ 給与区分の切替時期を把握する
丙欄給与から甲欄給与へ切り替わった日を明確にします。
月途中で切り替わるケースも多いため、
給与台帳や雇用契約書の確認が必要です。

手順④ 丙欄給与の合算対象を判断する
同じ会社で雇用形態が変更された場合は、
スキマバイト時代の丙欄給与を年末調整に含めます。
別会社の場合は合算しない点に注意します。

手順⑤ 他社給与の有無をヒアリングする
従業員に対して、
他社でのスキマバイトや副業の有無を確認します。
他社分の給与は年末調整の対象外となるため、
確定申告が必要になるケースがあります。

手順⑥ 源泉徴収票の記載内容を確認する
同一社内での切替の場合、
源泉徴収票の摘要欄に特別な記載は不要です。
他社分がある場合は、摘要欄への記載要否を確認します。

手順⑦ 年末調整後の説明を行う
年末調整後、
従業員に対して確定申告の要否を説明します。
特に複数社でスキマバイトをしていた場合は重要です。

【№6 FAQ】

Q1. スキマバイトはすべて年末調整の対象外ですか。
A1. 原則は対象外です。ただし同じ会社で正社員等に切り替わった場合は、丙欄給与も含めて年末調整します。

Q2. スキマバイト先で正社員になった場合、扶養控除等申告書は必要ですか。
A2. 必要です。提出がないと甲欄給与にならず、年末調整ができません。

Q3. 別の会社に就職した場合、スキマバイト分も新しい会社で年末調整できますか。
A3. できません。新しい会社の甲欄給与のみが年末調整の対象です。

Q4. 複数のスキマバイト先がある場合はどうなりますか。
A4. 正社員として就職した会社以外の給与は年末調整の対象外となり、原則として確定申告が必要です。

Q5. 日給が少額で源泉徴収されていない丙欄給与も合算しますか。
A5. 同一社で正社員になった場合は、源泉徴収の有無に関係なく合算します。

Q6. 年の途中でスキマバイトから正社員に切り替わりました。摘要欄の記載は必要ですか。
A6. 同一社内の切替であれば、摘要欄への特別な記載は不要です。

Q7. アルバイトから正社員に切り替えた場合も考え方は同じですか。
A7. はい。同一社で扶養控除等申告書を提出していれば、年末調整の対象になります。

Q8. スキマバイトと副業の区別がつきません。どう判断しますか。
A8. 日ごとに支払われ、扶養控除等申告書を提出していない給与は丙欄として扱われます。

Q9. 静岡市や浜松市の中小企業でもこの取扱いは同じですか。
A9. はい。地域に関係なく、全国共通の所得税のルールです。

Q10. 年末調整後に確定申告が必要かどうかは誰が判断しますか。
A10. 原則として従業員本人が判断しますが、会社側が説明することが望ましいです。

Q11. 年末調整後に誤りが見つかった場合はどうすればよいですか。
A11. 会社で再調整できない場合は、従業員に確定申告で調整してもらいます。

【№7 まとめ】

スキマバイトを直接雇用した場合の年末調整対応は、
一見すると複雑に見えますが、判断の軸はとてもシンプルです。
ポイントは、
「同じ会社かどうか」
「扶養控除等申告書を提出しているか」
この2点に集約されます。

会社側が押さえるべきポイントを整理します。
同一会社でスキマバイトから正社員等に切り替わった場合
 → 丙欄給与と甲欄給与を合算して年末調整する
別会社に就職した場合
 → 自社で支払った甲欄給与のみを年末調整する
複数社のスキマバイトがある場合
 → 自社以外の給与は年末調整の対象外
また、実務上は次の点にも注意が必要です。

★重要
扶養控除等申告書の提出漏れがあると、
正社員であっても年末調整ができません。
雇用切替のタイミングで、必ず書類を確認しましょう。
★注意
年末調整ができない給与がある場合、
従業員本人による確定申告が必要になることがあります。
事前に説明しておくことで、トラブルを防ぐことができます。
静岡市、浜松市の中小企業では、
人手不足対策としてスキマバイトを活用する場面が増えています。
だからこそ、雇用形態の変化に伴う税務処理を正しく理解し、
年末調整をスムーズに行うことが大切です。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3876号(2025年11月17日)
「スキマバイトを直接雇用した際の年末調整等の対応」
参考:国税庁タックスアンサー
「源泉徴収税額表の見方」(参照日:2026-01-05)
参考:e-Gov法令検索
「所得税法 第190条、第191条」(参照日:2026-01-05)

【№9 該当条文の説明】

ここでは、スキマバイトの年末調整に関係する主な条文を、
実務目線で整理します。
所得税法では、
給与所得に対する源泉徴収と年末調整の基本的な枠組みが定められています。
所得税法第190条では、
給与の支払者は、支払の際に所得税を源泉徴収する義務があることが規定されています。
この源泉徴収を行う際の税額計算方法として、
甲欄・乙欄・丙欄の区分が用いられます。
また、所得税法第191条では、
一定の給与について、
年末調整により税額を精算する仕組みが定められています。
ここで重要なのが、年末調整の対象となるのは、
「扶養控除等申告書が提出されている給与」である点です。
そのため、
丙欄給与は原則として年末調整の対象外
同一会社内で甲欄に切り替わった場合は例外的に対象
という実務運用が成り立っています。
これらの条文と通達を踏まえることで、スキマバイトから直接雇用した場合の対応を、
法令に沿って判断することができます。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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