マイカー通勤手当の非課税限度額引上げと年末調整の実務対応
2026年2月6日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「マイカー通勤手当の非課税限度額引上げと年末調整の実務対応」をお伝えさせていただきます!
今回のテーマは、令和7年4月1日から適用される、
「マイカー通勤手当の非課税限度額の引上げ」です。
一見すると、
「非課税枠が少し増えただけの改正」
のようにも見えます。
しかし実務では、
すでに課税してしまった通勤手当の扱い
年末調整での精算処理
中途退職者や中途入社者への対応
すでに年末調整を終えている人への再計算
など、意外とやることが多い改正です。
特に、静岡市や浜松市のように、
車通勤が多い地域の中小企業では、
ほぼ確実に影響を受けるテーマです。
このコラムでは、
何が変わったのか
会社は何をすればいいのか
どんな人に影響が出るのか
を、できるだけやさしい言葉で解説していきます。
【№2 結論】
今回の改正について、先に結論からお伝えします。
結論は、次の3つです。
マイカー通勤手当の非課税限度額は「令和7年4月1日以後に支払われるべき分」から引き上げられる
すでに課税してしまった分は「年末調整でまとめて精算」する
中途退職者や中途入社者、年調済みの人がいる会社は「追加対応」が必要になる
つまり、
「毎月の給与計算をさかのぼって全部やり直す」
という話ではありません。
「年末調整のときに、まとめて調整する」
というのが、今回の実務対応の基本です。
ただし、
対象者の洗い出し
金額の集計
源泉徴収票の再交付
など、会社側の事務作業はそれなりに発生します。
★重要
何もしないでいると、
「本来、返ってくるはずの税金を返し忘れる」
という状態になってしまいます。
【№3 やさしい解説】
まず、「通勤手当の非課税」とは何かを整理します。
会社が従業員に払う通勤手当は、
原則として「一定額までは税金がかからない」仕組みになっています。
例えば、
電車やバスの定期代 → 月15万円まで非課税
マイカー通勤 → 距離に応じて上限額まで非課税
というルールです。
今回変わったのは、
「マイカー通勤の人の距離ごとの上限額」です。
距離の区分自体は変わっていませんが、
10km以上の多くの区分で、非課税の上限が引き上げられました。
例えば、
片道50kmくらいの人の場合、
改正前は「約28,000円」まで非課税
改正後は「約32,300円」まで非課税
というイメージです。
ここで問題になるのが、
「すでに4月以後の給与で、課税してしまっているケース」です。
多くの会社では、
4月
5月
6月
…
と、改正を知らないまま、
今まで通りの非課税枠で給与計算をしています。
すると、本当は非課税にできた部分に、
うっかり税金をかけてしまっている可能性があります。
この「取り過ぎた税金」を、
年末調整でまとめて精算しよう、というのが今回の改正対応です。
★注意
「自動的に給与ソフトが全部直してくれる」
という話ではありません。
会社側で、
「誰が対象で、いくら修正が必要か」
を一度整理する必要があります。
【№4 具体例】
① 片道9kmで通勤しているAさん
10km未満の区分は改正なしです。
会社の対応も基本的に不要です。
★注意:距離の登録ミスがあると影響します。
② 片道12kmのBさん(毎月8,000円支給)
改正で「10km以上15km未満」の枠が少し上がります。
これまで課税されていた部分が、少し非課税に寄ります。
年末調整で微調整が必要になる場合があります。
③ 片道20kmのCさん(毎月15,000円支給)
「15km以上25km未満」の枠が上がる対象です。
4月以後に超過課税があったなら精算対象です。
給与ソフトの通勤区分を確認します。
④ 片道30kmのDさん(毎月22,000円支給)
「25km以上35km未満」の枠が上がります。
これまで課税していた金額が、非課税に変わる可能性があります。
年末調整で総支給から差し引いて処理します。
⑤ 片道40kmのEさん(毎月27,000円支給)
「35km以上45km未満」の枠が上がります。
4月以後に課税分があるなら、年末調整で精算します。
静岡市・浜松市は車通勤が多く対象者が増えがちです。
⑥ 片道50kmのFさん(毎月30,000円支給)
改正前は超過分に課税していた可能性が高いです。
改正後は非課税枠が広がるため、取り過ぎ税が出やすいです。
年末調整で「非課税となる通勤手当」を控除して精算します。
⑦ 片道58kmのGさん(毎月40,000円支給)
「55km以上」の区分は引上げ幅が大きい類型です。
超過課税をしていた会社は、精算額が比較的大きくなります。
★重要:対象者が複数いると集計ミスが出やすいです。
⑧ 4月以後に未払い分をまとめて払ったHさん
「支払日」ではなく「支払われるべき日」が基準になります。
どの月の分として払ったかの整理が大切です。
年末調整での説明メモがあると安心です。
⑨ 4月以後に中途退職したIさん(退職時に源泉徴収票を交付済み)
退職後に「新たに非課税」が判明した場合があります。
この場合、源泉徴収票の再交付が必要になることがあります。
人事・総務の作業負担が増えるポイントです。
⑩ 4月以後に中途入社したJさん(前職分を合算して年末調整)
前職で通勤手当が課税されていた可能性があります。
前職の「再交付された源泉徴収票」が必要になる場合があります。
年末調整担当者が早めに声掛けするとスムーズです。
⑪ 給与規程を4月にさかのぼって改訂し、差額を後日支給したKさん
差額支給が改正の対象になるかは「支給日や改訂の効力日」で判断します。
形式だけで決めず、規程と運用(慣習)も確認します。
★注意:規程の文言と実際の支給日がズレていると要注意です。
⑫ 年の途中で海外赴任となり、すでに年末調整済みのLさん
すでに年末調整が終わっている人は再計算が必要になることがあります。
「どの時点の年末調整か」を押さえて対応します。
例外処理になりやすいので手順化が有効です。
【№5 手順】
STEP① 対象者を洗い出す
マイカー通勤手当を支給している従業員を抽出します。
距離区分が10km以上の人を中心に確認します。
STEP② 距離区分と支給条件を確認する
片道距離(規程上の判定方法)を確認します。
有料道路利用や公共交通の併用がある場合は分けて整理します。
STEP③ 令和7年4月以後の「課税されていた通勤手当」を集計する
改正前の枠で超過課税していた月があるか確認します。
月ごとの超過額を合計します。
STEP④ 「新たに非課税となる金額」を算定する
改正後の非課税上限に照らして、非課税にできる増加分を出します。
給与ソフトの計算ロジックも合わせて確認します。
STEP⑤ 年末調整で精算する
年末調整時に、合計した「新たに非課税となる金額」を反映します。
源泉徴収簿や社内メモに根拠が残る形にします。
STEP⑥ 中途退職・中途入社がいる場合だけ追加対応する
中途退職者:必要に応じて源泉徴収票の再交付を検討します。
中途入社者:前職分の再交付源泉徴収票の有無を確認します。
STEP⑦ 来期以後の再発防止(運用整備)
距離区分の登録ルールを統一します。
変更が出たときの申請フロー(住所変更・転居など)を整備します。
クラウド会計や給与ソフトの設定も、静岡・浜松の拠点で揃えると管理が楽です。
【№6 FAQ】
Q1. 今回の改正で、すべての通勤手当が非課税になるのですか?
A1. いいえ、すべてが非課税になるわけではありません。距離区分ごとに決められた上限までが非課税で、それを超える部分は今までどおり課税されます。
Q2. 片道9kmの社員も何か対応が必要ですか?
A2. 10km未満の区分は改正がありませんので、基本的に対応は不要です。ただし距離登録の誤りがないかは一度確認すると安心です。
Q3. 4月以後にすでに課税してしまった通勤手当はどうなりますか?
A3. 改正後に非課税となる部分については、年末調整でまとめて精算します。毎月さかのぼって修正する必要はありません。
Q4. 会社が4月以後に通勤手当を増額した場合も対象になりますか?
A4. 支給日や規程の効力発生日によって扱いが変わります。形式だけでなく、実際の運用も含めて判断する必要があります。
Q5. 中途退職した社員がいますが、何か対応は必要ですか?
A5. 4月以後に課税されていた通勤手当があり、新たに非課税となる部分がある場合は、源泉徴収票の再交付が必要になることがあります。
Q6. 中途入社した社員について、会社側で何か確認することはありますか?
A6. 前職で課税されていた通勤手当がある場合、前職から再交付された源泉徴収票が必要になることがあります。
Q7. すでに年末調整を終えている社員がいる場合はどうなりますか?
A7. 死亡や海外赴任などですでに年末調整済みの場合、改正後の上限で再計算が必要になることがあります。
Q8. 給与ソフトが対応していない場合でも問題ありませんか?
A8. 年末調整の結果として税額が正しく計算されていれば、細かい表示ができなくても実務上は問題にならないケースがあります。
Q9. 公共交通機関の通勤手当(定期代)の上限15万円も変わりましたか?
A9. いいえ、こちらの上限は今回の改正では変更されていません。
Q10. 静岡市や浜松市のように車通勤が多い地域では、特に注意点はありますか?
A10. 対象者が多くなりやすいため、距離区分の登録ミスや集計漏れが起きやすい点に注意が必要です。
Q11. 距離は「実際に走る距離」と「直線距離」のどちらで判定しますか?
A11. 原則は会社の規程や運用ルールに基づいて判定します。ルールがあいまいな場合は統一しておくことが重要です。
Q12. 令和8年以後もまた改正される可能性はありますか?
A12. 新しい距離区分や駐車場手当の話も出ているため、今後も見直しが行われる可能性があります。
【№7 まとめ】
今回の改正は、マイカー通勤手当の非課税限度額が約11年ぶりに引き上げられた点が大きなポイントです。
特に、静岡市や浜松市のように車通勤が多い地域では、影響を受ける従業員が多くなりやすい改正です。
今回の対応の要点は、次の3つに集約できます。
令和7年4月1日以後に「支払われるべき」通勤手当から新しい非課税枠が使えること。
すでに課税してしまった分は、年末調整でまとめて精算すること。
中途退職・中途入社・すでに年末調整済みの人がいる場合は、追加対応が必要になること。
★重要
毎月の給与計算をやり直す必要はありませんが、年末調整では必ず一度整理が必要です。
対象者の洗い出しと、距離区分の確認だけでも、早めに着手しておくと安心です。
静岡・浜松の中小企業さまのように、車通勤が当たり前の職場では、今回の改正は実務への影響が比較的大きくなります。
給与ソフトの設定や社内ルールの見直しも含めて、一度整理しておくことをおすすめします。
【№8 出典】
出典:
『税務通信』第3877号(2025年11月24日)
「自動車通勤手当の非課税限度額を引き上げる改正政令が公布・施行」 税務通信
参考:
国税庁 タックスアンサー
「通勤手当の非課税限度額の引上げに関するQ&A」(参照日:2026-01-09)
参考:
e-Gov法令検索
「所得税法施行令 第20条の2」(参照日:2026-01-09)
【№9 該当条文の説明】
ここでは、今回の改正の根拠となる条文を、できるだけやさしく説明します。
1. 所得税法施行令 第20条の2(通勤手当の非課税)
この条文は、会社が従業員に支給する通勤手当のうち、どこまでを「税金がかからない扱い」にできるかを定めています。
内容は大きく分けて、次の2つです。
電車やバス、定期券など、公共交通機関を使う場合
自動車や自転車などで通勤する場合
公共交通機関の場合は、「合理的な運賃などの額」で、1か月あたり15万円までが非課税とされています。
この15万円の上限は、今回の改正では変わっていません。
一方で、自動車や自転車などで通勤する場合は、「片道の通勤距離」に応じて、非課税にできる上限額が細かく決められています。
今回の改正は、この「距離ごとの上限額」を引き上げる内容です。
たとえば、
10km以上15km未満
15km以上25km未満
25km以上35km未満
といった区分ごとに、「ここまでは税金をかけなくてよい」という金額が決められています。
この金額が、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当から、順に引き上げられました。
2. 改正附則(いつから適用するか)
今回の改正で実務上とても重要なのが、「いつから新しい金額を使うのか」という点です。
改正の附則では、
「令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当」
から、新しい非課税限度額を使うと定められています。
★注意
ここでいう「支払日」ではなく、「支払われるべき日」が基準になる点が実務ではとても重要です。
たとえば、
3月分の通勤手当を4月10日に支払った
この場合は、「3月分」なので、原則として改正前のルールになります。
逆に、
4月分の通勤手当を4月25日に支払った
この場合は、「4月分」なので、改正後のルールが使えます。
この考え方は、国税庁のQ&Aでも整理されています。
3. なぜ年末調整で精算するのか
今回の改正は、令和7年4月にさかのぼって適用されます。
そのため、すでに4月からの給与計算で、古い上限を使って課税してしまっている会社が多くなります。
この「取り過ぎた税金」は、毎月さかのぼって修正するのではなく、
年末調整でまとめて精算する、という実務の取り扱いになっています。
これは、所得税の計算の仕組み上、
「1年分をまとめて最終調整するのが年末調整」
という考え方に基づく処理です。
4. 中途退職・中途入社の人の扱い
年の途中で退職した人や、入社した人についても、同じ条文の考え方がベースになります。
退職者ですでに源泉徴収票を渡している場合
前職分を含めて年末調整する人がいる場合
こうしたケースでは、
「新しい非課税限度額で計算し直した結果、金額が変わるかどうか」
を確認し、必要があれば、源泉徴収票の再交付などの対応をします。
5. 今後の改正との関係
条文自体は、今回の改正で「距離ごとの金額」が変わっただけです。
しかし、令和8年以後については、さらに距離区分が増える案や、駐車場代への手当の話も出ています。
そのため、
「通勤手当は今後も制度改正が入りやすい分野」
という前提で、規程や給与ソフトの設定を見直していくことが、実務上はとても大切です。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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