特例有限会社の役員賞与(事前確定届出給与)は任期の定めがないと使えないのか?

2026年2月10日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「特例有限会社の役員賞与(事前確定届出給与)は任期の定めがないと使えないのか?」をお伝えさせていただきます!

【№2 結論】

まず、いちばん大切な結論からお伝えします。
★重要
特例有限会社であっても、事前確定届出給与(いわゆる役員賞与)を使うためには、
原則として「役員の任期の定め」が必要です。
「うちは特例有限会社だから、会社法の任期ルールは関係ないはず」
「だから、任期を決めていなくても大丈夫なのでは?」
このように考えてしまう社長さんは、とても多いです。
しかし、税務の実務では、その考え方はほぼ通用しません。
なぜなら、事前確定届出給与の届出書には、
「その役員が、いつから、いつまでの期間、職務を行うのか」
つまり「職務執行期間」を書く欄があるからです。
この期間が決められない。
つまり、任期が決まっていない。
そうなると、書類そのものが完成しません。
結果として、
「形式的に要件を満たしていない」
という理由で、役員賞与が全額否認されるリスクが非常に高くなります。
★注意
「出してしまえばOK」ではありません。
「形式が整っていない届出」は、出しても無効になる可能性が高いのです。

【№3 やさしい解説】

ここでは、「なぜ特例有限会社でも任期が必要になるのか」を、できるだけかんたんに説明します。
まず、役員に払うお金(役員報酬や役員賞与)は、原則として税金の計算では経費になりません。
これを「原則、損金不算入」と言います。
ただし、次の3つのどれかに当てはまる場合だけ、例外的に経費にできます。
定期同額給与
業績連動給与
事前確定届出給与
中小企業で実際によく使うのは、
「定期同額給与」か「事前確定届出給与」です。
今回のテーマは、このうちの「事前確定届出給与」です。
事前確定届出給与とは、
「〇月〇日に、〇円を払う」と事前に税務署へ届け出て、
その通りに支払った場合だけ、経費にしてよい、という制度です。
★重要
金額が1円でも違う、日付が1日でもズレると、経費にできなくなる可能性があります。
この届出書には、次のような内容を書きます。
誰に
いつから、いつまでの職務に対して
いつ
いくら支払うのか
ここで重要なのが、「いつから、いつまでの職務なのか」という期間です。
この期間は、通常「役員の任期」と対応します。
株式会社であれば、
定時株主総会から次の定時株主総会まで、という形で自然に期間が決まります。
一方、特例有限会社は、法律上、取締役の任期を決めなくてもよい扱いになっています。
そのため、「任期を決めていない」という会社も多くあります。
ここで、よくある勘違いがあります。
「任期を決めなくていい会社なのだから、
事前確定届出給与でも任期はいらないのでは?」
しかし、届出書には「職務の開始日」と「職務の終了日(職務執行期間)」を書く欄があります。
任期を決めていないと、この欄が埋まりません。
その結果、
書類が形式不備になる
役員賞与が経費として否認される
というリスクが高くなります。
★重要
実務上、「特例有限会社だから任期は不要」という扱いは、ほぼ通りません。
したがって、特例有限会社で事前確定届出給与を使う場合は、
定款や株主総会決議で
「取締役の任期は〇年」と決めておく
必要があります。
そうして初めて、「職務の開始日」と「終了日」を書けるようになり、
事前確定届出給与を使える状態になります。

【№4 具体例】

ここでは、特例有限会社や中小企業で実際によく起きるケースをもとに、
「どのパターンがアウトで、どこまで整えればセーフになるのか」を具体的に見ていきます。
静岡市・浜松市周辺の中小企業でも現実的にあり得る設定にしています。

①【社長ひとり・任期を決めずに賞与を出したケース】
・判断:NG
・理由:職務執行期間が確定できず、形式要件を満たさないため。

②【任期を決めず、期間をあいまいにして届出したケース】
・判断:NG
・理由:開始日・終了日が特定できず、届出の要件不備と判断される可能性が高いため。

③【定款で任期を定め、期限内に届出したケース】
・判断:OK
・理由:職務執行期間が明確で、形式要件を満たしているため。

④【届出が就任から1か月を過ぎていたケース】
・判断:NG
・理由:提出期限の要件を満たしていないため。

⑤【届出どおりだが、金額を1円多く支給したケース】
・判断:NG
・理由:支給金額が届出内容と一致していないため。

⑥【届出どおりだが、支給日を1日ずらしたケース】
・判断:NG
・理由:支給時期が届出内容と一致していないため。

⑦【親族役員2人、それぞれ個別に届出したケース】
・判断:OK
・理由:事前確定届出給与は、役員ごとに個別判定されるため。

⑧【業績悪化を理由に、届出どおり支給しなかったケース】
・判断:NG
・理由:実際に支給していないため、制度要件を満たさないため。

⑨【定期同額給与と混同し、届出なしで賞与を出したケース】
・判断:NG
・理由:定期同額給与にも事前確定届出給与にも該当しないため。

⑩【最初から賞与を使わず、定期同額給与にしたケース】
・判断:OK
・理由:制度がシンプルで、税務上のリスクが低いため。

⑪【任期はあるが、株主総会の再任決議をしていなかったケース】
・判断:NGリスクあり
・理由:職務執行開始日が不明確になり、形式面で問題にされる可能性があるため。

⑫【複数回支給予定を、まとめて1回で支給したケース】
・判断:NG
・理由:支給時期・方法が届出内容と一致していないため。

【№5 手順】

ここでは、特例有限会社や中小企業が、事前確定届出給与(役員賞与)を安全に使うために、
「何を、どの順番でやればよいのか」を実務の流れに沿って説明します。
静岡市・浜松市の中小企業でも、そのまま使える手順にしています。

STEP① 本当に事前確定届出給与が必要か検討する
まず、定期同額給与で代替できないかを検討します。

STEP② 定款で役員の任期を定める
特例有限会社でも、任期の定めは事実上必須です。

STEP③ 株主総会で役員を選任・再任する
この日が原則として「職務執行開始日」になります。

STEP④ 支給日と金額を完全に固定する
1円、1日もズレない前提で決めます。

STEP⑤ 届出書を作成し、1か月以内に提出する
期限を過ぎると原則アウトです。

STEP⑥ 届出どおりに支給し、証拠を保存する
振込記録や議事録は必ず保管します。

STEP⑦ 毎期、任期と届出の要否を見直す
「去年出したからOK」ではありません。

【№6 FAQ】

Q1. 特例有限会社でも、事前確定届出給与は本当に使えますか?
A1. 使えます。ただし、定款などで「役員の任期」を定め、職務執行期間を明確にできることが前提です。任期を決めていない場合は、実務上ほぼ使えないと考えた方が安全です。

Q2. うちはずっと社長が同じで、任期を決めたことがありません。それでも大丈夫ですか?
A2. 事前確定届出給与を使う場合は、そのままでは大丈夫ではありません。任期を決めないと、届出書の「職務執行期間」が書けず、要件不備と判断されるリスクが高くなります。

Q3. 届出書は出しています。それでも否認されることはありますか?
A3. あります。書類を「出しているか」ではなく、「要件を満たした内容か」が見られます。期間の記載が不十分、期限後提出、金額や日付のズレなどがあると否認リスクが高くなります。

Q4. 金額を1円、日付を1日だけ間違えた場合でもアウトですか?
A4. 原則アウトになるリスクがあります。事前確定届出給与は「届出どおり支給したか」が非常に厳密に見られる制度です。

Q5. 業績が悪化したので、届出したけれど支給しませんでした。問題ありますか?
A5. 問題になる可能性があります。「届出どおり支給すること」自体が要件なので、支給しなかった場合は制度の要件を満たさないと判断されるリスクがあります。

Q6. 役員が2人以上いる場合、届出は1枚でまとめていいですか?
A6. 役員ごとに内容を明確にする必要があります。実務上は、役員ごとに個別に管理・記載しているかどうかがチェックされます。

Q7. 定期同額給与と、事前確定届出給与はどう使い分ければいいですか?
A7. 多くの中小企業では、定期同額給与の方がシンプルでリスクが低いです。「どうしても賞与という形にしたい理由があるか」を考えたうえで検討するのが現実的です。

Q8. 株主総会を開かず、なんとなく役員を続けている状態でも使えますか?
A8. その状態ではリスクが高いです。職務執行開始日を明確にするためにも、株主総会での選任・再任と議事録の作成が重要になります。

Q9. 静岡市や浜松市の小さな会社でも、ここまで厳密にやる必要がありますか?
A9. はい、規模に関係なくルールは同じです。静岡市や浜松市の中小企業でも、税務調査では同じ基準でチェックされます。

Q10. 今年出した届出は、来年もそのまま使えますか?
A10. いいえ。任期の区切りや再任のタイミングによっては、再度届出が必要になります。「去年出したから今年もOK」という制度ではありません。

Q11. 事前確定届出給与を使うと、税務調査で必ずチェックされますか?
A11. ほぼ確実にチェックされます。株主総会議事録、定款、届出書、実際の振込記録までセットで確認されるのが一般的です。

Q12. 正直、制度が難しすぎます。使わないという選択はアリですか?
A12. もちろんアリです。実務では「最初から定期同額給与にして、賞与制度は使わない」という判断をする会社も非常に多いです。

【№7 まとめ】

ここまで、特例有限会社における「事前確定届出給与(役員賞与)」の考え方を見てきました。
ポイントを、もう一度シンプルに整理します。
役員賞与は、原則として経費にならない
例外が「事前確定届出給与」だが、要件は非常に厳しい
届出書には「職務執行期間」を書く必要がある
そのため、特例有限会社でも「役員の任期の定め」が事実上必須になる
任期なし、期限後提出、金額や日付のズレは、ほぼアウト
制度を使うなら、最初から設計して、厳密に運用する必要がある
実務では「無理に使わず、定期同額給与にする」という選択も非常に多い
★重要
「届出を出したから安心」ではありません。
「制度の前提条件をすべて満たした設計と運用」ができて、初めてスタートラインです。
静岡市・浜松市の中小企業さまでも、
「今年は利益が出そうだから、役員に賞与を出したい」
というご相談は非常に多いですが、
そのやり方次第では、後から全額否認されるリスクがあります。
判断に迷う場合は、
「そもそも事前確定届出給与を使うべきか」から、専門家と一緒に設計することが大切です。

【№8 出典】

出典:
『税務通信』第3877号(2025年11月24日)
「事前確定届出給与 特例有限会社における役員任期の定めの要否」税務通信編集部
参考:
国税庁タックスアンサー「No.5200 役員給与の損金算入の取扱い」(参照日:2026-01-15)
参考:
e-Gov法令検索「法人税法 第34条」(参照日:2026-01-15)
参考:
e-Gov法令検索「法人税法施行令 第69条」(参照日:2026-01-15)

【№9 該当条文の説明】

【法人税法 第34条】
役員に対する給与は、原則として経費にしない、という大原則を定めた規定です。
ただし、定期同額給与、業績連動給与、事前確定届出給与に該当するものだけは、例外として経費にしてよい、という構造になっています。
つまり「役員給与は原則NG、例外だけOK」という考え方です。

【法人税法施行令 第69条】
事前確定届出給与について、
・いつまでに
・どんな内容を
届け出るか、という手続ルールを定めています。
「事前に、金額と時期が完全に固定されている支給」だけを認める、という制度趣旨がここに表れています。

【職務執行期間と任期の関係】
届出書には「職務執行期間」を書く必要があり、通常これは役員の任期と対応します。
そのため、特例有限会社であっても、実務上は任期の定めがないと制度を使えない、という結論になります。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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