海外子会社への出張を中心とした税務調査の対応ポイント

2026年3月27日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!

私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「海外子会社への出張を中心とした税務調査の対応ポイント」をお伝えさせていただきます!

近年、静岡県や浜松市を拠点とする製造業や商社の皆さまにとって、海外子会社との取引は日常茶飯事となっています。
しかし、現地への「技術指導」や「経営支援」のための出張が、思わぬ形で税務署から「寄附金」として指摘されるケースが急増しています。

せっかく現地をサポートしたのに、日本側で経費が認められず、追加の税金を払うことになっては目も当てられません。
本日は、調査官がどこを見ているのか、そして「寄附金」と言われないために今日からできる対策を徹底解説します!

【№2 結論】

海外子会社への出張において、税務調査で最も重要なのは「その仕事は誰のためのものか」を客観的な証拠で証明することです。

★重要:日本親会社が負担した出張費や人件費が、実は「海外子会社の利益を助けるためのもの」と判断されると、それは「寄附金」とみなされ、日本の税金計算上で経費(損金)にできなくなります。

★注意:特に出張報告書の書き方一つで、税務調査の結末が大きく変わります。
「支援した」「指導した」といった言葉が独り歩きし、子会社に利益を与えたと認定されないよう、実務上の防衛策を講じる必要があります。

静岡・浜松の中小企業さまへ
海外子会社が赤字だからといって、無償で人を派遣し続けるのは非常に危険です。
調査官は「対価を回収していないこと」を鋭く指摘してきます。
契約書の整備と、業務内容の明確な区分けこそが、最大の防御となります。

【№3 やさしい解説】

1. なぜ「海外への出張」が税務署に狙われるのか?
日本の税務署は、「日本で稼いだ利益が、海外に逃げていないか」を厳しくチェックしています。
親会社が自分のお金で社員を海外へ送り、子会社を助けさせる行為は、見方を変えれば「子会社にお金をプレゼントしている」のと同じだと捉えられるからです。

2. 「寄附金」と認定されるとどうなる?
通常、仕事上の出張費は「経費」になります。
しかし、海外子会社への寄附金だと判断されると、その出張費や給料相当額は「経費として認めない(損金不算入)」という扱いになります。
つまり、税金が増えてしまうのです。

3. 調査官がチェックする「出張の目的」
調査官は、出張が次のどちらに近いかを探ります。
「親会社の仕事」:自社ブランドを守るための品質チェック、株主としての管理など。
「子会社の仕事」:現地の生産ラインの立ち上げ、現地スタッフへの教育、現地の営業支援など。
前者は経費になりますが、後者は子会社から「代金」をもらわないと寄附金になります。

4. リモート業務も対象
今はわざわざ海外へ行かなくても、ZoomやTeamsで指導ができます。
「出張していないから大丈夫」ではありません。
日本のオフィスで海外子会社のために働いた時間があれば、その分の人件費を子会社に請求しているかどうかが問われます。

5. 「対価の回収」という考え方
海外子会社のために働いたなら、その分の「給料+旅費+手数料」を、子会社から日本親会社へ支払ってもらうのが国際税務のルールです。
これを「役務提供(えきむていきょう)の対価」と呼びます。

【№4 具体例】

税務調査で実際に指摘されやすいケースを10個挙げます。

① 浜松市のメーカーが、タイ工場の不良率を下げるために技術者を1ヶ月派遣。出張報告書に「子会社の生産性向上のため」と記載し、費用を全額親会社が負担していた。

② 静岡市の商社が、ベトナム拠点の営業担当に同行。商談をすべて日本人がまとめ、現地法人の売上にしたが、親会社はコンサル料を一切受け取っていなかった。

③ 設立間もないインドネシア子会社の赤字を埋めるため、親会社が「経営指導料」の請求を数年間にわたりストップ。これが「利益の付け替え(寄附)」と指摘された。

④ 海外出張者に支給する「日当」や「滞在費」を、すべて親会社の経費にしていた。子会社側の業務が主だったため、旅費実費分も寄附金とみなされた。

⑤ 本社(静岡)の技術者が、毎週リモートでメキシコ工場のスタッフを指導。その業務時間は親会社での勤務時間として処理され、対価回収の形跡がなかった。

⑥ 海外子会社で使用する機械を日本で購入し、日本国内で調整して発送。その調整にかかった人件費や部品代を、機械代金に含めずに「サービス」として無償提供した。

⑦ 親会社の部長が、海外子会社の取締役を兼務。現地での会議に出席するための渡航費をすべて親会社が負担し、子会社側での負担がゼロだった。

⑧ 出張報告書に具体的な業務内容が乏しく、「現地視察」とだけ記載。調査官から「実態は子会社の営業支援ではないか」と疑われ、反証資料が出せなかった。

⑨ ロイヤルティ(商標使用料)契約を勝手に減額。海外子会社の資金繰りが苦しいという理由だけで契約書を書き換えずに送金額を減らした行為が否認された。

⑩ 浜松の親会社が、中国工場の立ち上げのためにベテラン社員を長期派遣。その間の日本での社会保険料や厚生年金などの「会社負担分」を子会社に請求していなかった。

★重要:これらの事例に共通するのは、「本来もらうべきお金(対価)をもらっていない」という点です。

【№5 手順】

海外子会社への出張や支援業務において、税務調査で「寄附金」と指摘されないための実務的な防衛手順をステップごとに解説します。

STEP①:出張の「真の目的」を事前定義する
出張が決まった段階で、その業務が「日本親会社の利益(ブランド維持、品質管理、株主としての管理)」のためか、それとも「海外子会社の利益(現地製造支援、現地営業支援)」のためかを明確にします。静岡・浜松の製造業の皆さまにとって、この「誰のための仕事か」という初期設定が全ての分かれ道となります。

STEP②:出張報告書のフォーマットを改善する
税務調査官が最初に見るのは出張報告書です。
「支援した」「指導した」という言葉を安易に使わず、「日本親会社への納品物の品質検査を実施」「親会社のブランド基準に合致しているか確認」といった、親会社自身の業務であることを示す表現を盛り込みます。

STEP③:業務時間の区分管理(タイムシート)
現地での活動時間を「親会社業務」と「子会社業務」に分け、それぞれ何時間費やしたかを記録します。特にリモートで海外子会社を支援している場合、この時間の記録(タイムシート)がないと、人件費の按分計算の根拠が示せず、全額否認されるリスクがあります。

STEP④:役務提供契約(サービス契約)の締結
子会社のために動くことが明らかな場合は、あらかじめ「経営指導契約」や「技術支援契約」を結んでおきます。無償で助けるのではなく、「実費(給与+旅費)+事務手数料(マークアップ)」を請求するルールを明文化し、実際にお金を動かす(海外送金を受ける)実績を作ります。

STEP⑤:証拠資料のセット化
出張時の航空券の半券、宿泊費の領収書だけでなく、現地で作成した会議資料、メールのやり取り、写真などを一式保存しておきます。「現地へ行った事実」だけでなく「現地で何をしたか」を、3年後の調査でも説明できるようにデジタル化して保存することが重要です。

STEP⑥:子会社の財務状況のモニタリング
海外子会社が赤字で対価が払えない場合、それでも請求を続けるか、あるいは「合理的な理由(再建計画など)」を持って一時的に免除するかを判断します。静岡・浜松の顧問税理士と相談し、稟議書に「なぜ請求しないのか」の正当な理由を記載して残しておきます。

【№6 FAQ】

①Q. 海外子会社が設立したばかりで赤字です。それでも出張費を請求しないとダメですか?
A. はい、原則として請求が必要です。赤字を理由に無償で支援することは「利益の付け替え」とみなされます。どうしても請求を控える場合は、再建計画などの合理的な理由を文書で残す必要があります。

②Q. 静岡市の会社ですが、海外出張の報告書は日本語でいいですか?
A. 日本の税務調査に対応するためには、日本語で詳しく書いておくのがベストです。調査官が内容を理解できれば、よりスムーズに調査が進みます。

③Q. リモート会議で現地のスタッフを教育するのも「寄附金」になりますか?
A. 対象になります。実際に海外へ行っていなくても、日本の社員が子会社のために時間を使っている以上、その人件費分は子会社が負担すべきコストとみなされるからです。

④Q. 浜松の親会社が「ブランドを守るため」に検査に行くのは、親会社の経費でいいですか?
A. はい、親会社自身のブランド維持や品質管理のための活動であれば、親会社の経費(損金)として認められます。その旨を出張報告書に明記しましょう。

⑤Q. 「マークアップ」とは何ですか?
A. 子会社に費用を請求する際、実費(人件費や旅費)に上乗せする「事務手数料(利益)」のことです。通常、およそ5%程度の利益を乗せて請求するのが国際税務の慣行です。

⑥Q. 調査官から「この出張は子会社を助けるためのものだ」と言われたら?
A. 具体的になぜ「親会社の業務」なのかを、報告書や契約書、取引の背景(親会社が全量買い取っている等)を元に反論する必要があります。

⑦Q. 出向者(長期派遣)の社会保険料を日本で払っていますが、これも請求対象ですか?
A. はい。日本で発生している社会保険料の会社負担分も、出向者のコストの一部です。これを子会社に請求し忘れると、寄附金と指摘される典型的な例となります。

⑧Q. 浜松西税務署などの調査でも、海外取引は細かく見られますか?
A. 近年の税務調査では、地方の税務署であっても「国際源泉」や「国外関連者取引」は重点調査項目になっています。決して油断はできません。

⑨Q. 以前の出張で対価を回収していなかった分を、今から請求しても間に合いますか?
A. 過去の分を遡って請求することは可能ですが、不自然な利益調整と疑われないよう、修正申告や契約書の遡及適用について専門家と相談して進めるべきです。

⑩Q. クラウド会計ソフトで海外子会社との取引を管理するコツは?
A. 「海外出張費(親会社負担分)」と「海外出張費(子会社請求分)」のように、勘定科目やタグを分けて管理することをお勧めします。静岡・浜松の企業さまであれば、当法人がクラウド設定をサポートいたします。

【№7 まとめ】

調査官の視点は「誰に便益があるか」
海外子会社への出張や支援は、親会社にとっては「当たり前の管理」でも、税務署にとっては「子会社へのプレゼント(寄附)」に見えることがあります。この視点のギャップを埋めるのが「証拠書類」です。

「報告書」が最大の武器になる
「いつ、どこで、誰が、何のために、具体的に何をしたか」。これを簡潔かつ論理的に記載した出張報告書があるだけで、税務調査の難易度は劇的に下がります。曖昧な表現を排除し、事実を積み上げましょう。

契約と送金の実績を作る
形だけの契約ではなく、実際に請求書を発行し、海外から送金を受けるという「取引の実績」が、法的な正当性を証明します。少額であっても、ルールの運用を徹底することが重要です。

リモート時代の新しい管理
WEB会議やチャットによる支援も、立派な役務提供(サービス)です。移動がない分、管理が疎かになりがちですが、従事時間の記録を残す習慣を社内で徹底しましょう。

静岡・浜松のグローバル展開を支える
海外展開は大きなチャンスですが、税務リスクという落とし穴も潜んでいます。最高のIT税理士法人は、ITを駆使した効率的な記録管理と、高度な国際税務の知見で、皆さまのビジネスを守り抜きます。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3884号(2026年01月19日)「税務調査を乗り切るポイント ⑱海外子会社(国外関連者)の調査対応 ~出張を中心に~」アタックス税理士法人 愛知吉隆・永持祐司
参考:国税庁タックスアンサー「No.6277 国外関連者との取引に係る寄附金」(参照日:2026-03-09)
参考:e-Gov法令検索「法人税法 第37条、第66条の4」(参照日:2026-03-09)

【№9 該当条文の説明】

法人税法 第37条(寄附金の損金不算入)
本条は、対価なく金銭や資産を供与する「寄附金」について、その全額(または一定限度額超)を経費として認めないことを定めています。海外子会社への無償支援は、この条文により「本来は必要のない出費」とみなされ、日本側で利益に加算されることになります。

租税特別措置法 第66条の4(国外関連者との取引に係る課税の特例)
いわゆる「移転価格税制」の根拠条文です。海外の子会社(国外関連者)との間で、市場価格(独立企業間価格)と異なる価格で取引を行った場合、本来の価格で行ったものとして税金を計算し直すルールです。出張による支援を無償で行うことは、この「価格がゼロ」の状態であり、本条の適用対象となります。

法人税基本通達 9-4-1(子会社等を整理する場合等の損失負担等)
子会社が経営難に陥った際、親会社が費用を負担することが「寄附金」にならない例外的なケース(再建支援など)を定めた通達です。しかし、この適用を受けるためには「倒産必至であること」や「再建の可能性が高いこと」など、極めて厳格な立証が求められます。

立法趣旨:課税権の流出防止
これらの条文の目的は、日本で発生した利益を、不当な価格設定や費用の付け替えによって海外へ逃がさないことにあります。企業にとっては「グループ内の助け合い」でも、国にとっては「自国の税収を守るための防衛ライン」なのです。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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