租税条約の定めを超えた源泉徴収に関するトラブルと対策

2026年3月29日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!

私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「租税条約の定めを超えた源泉徴収に関するトラブルと対策」をお伝えさせていただきます!

近年、静岡県や浜松市の中小企業さまの中にも、海外企業と直接取引を行うケースが増えています。しかし、海外との取引には「税金の落とし穴」が隠れています。

せっかく海外へサービスを提供したのに、現地の税制で余分に税金(源泉徴収税)を引かれてしまい、本来受けられるはずの「外国税額控除」が使えないというトラブルが後を絶ちません。

専門知識がないまま進めてしまうと、二重に税金を払うことになり、利益を大きく損なう可能性があります。本日は、海外取引で失敗しないためのポイントをわかりやすく解説します。

【№2 結論】

海外取引において、租税条約で決められたルール(税率)を超えて税金を引かれた場合、その「超えた分」は日本の制度で税額控除(直接差し引くこと)ができません。

★重要:条約で10%と決まっているのに15%引かれた場合、その差の5%分は日本の法人税から引くことはできず、経費(損金)として処理するしかありません。

★注意:さらに、現地で税金を払ったという「証明書(納税証明)」がない場合は、経費にすることさえ認められないケースがあります。

海外の取引先と契約する際は、事前に「租税条約届出書」を提出し、何パーセントの税率で源泉徴収されるのかを確実に握っておくことが、経営のリスク回避に直結します。

【№3 やさしい解説】

1. そもそも「租税条約」って何?
租税条約(そぜいじょうやく)とは、国と国との間で結ばれる「税金のルールブック」です。例えば、日本の会社が海外の会社にITサービスを提供して報酬をもらう場合、日本でも海外でも「所得」に対して税金がかかってしまうことがあります。これを「二重課税(にじゅうかぜい)」と呼びます。租税条約は、この二重課税を防ぐために、「この取引の税金は〇%までにしましょう」と約束するものです。

2. 「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」の仕組み
海外の会社が日本の会社に報酬を支払う際、現地の税務署に納める分をあらかじめ差し引いて支払うことがあります。これが源泉徴収です。このとき、現地の法律では「税率20%」となっていても、租税条約で「10%」と決まっていれば、10%だけ引かれるのが正しい姿です。

3. なぜ「ルール超え」が起きるのか
新興国などでは、現地の取引先や税務当局が租税条約の存在を無視して、自国の法律(高い税率)で強引に税金を引いてしまうことがあります。日本の会社側が「条約があるから10%にしてください」と強く主張しないと、高い税率で引かれたままになってしまいます。

4. 日本の税務署は「ルール超え」を認めない
日本の税制では、「租税条約で決まっている正しい金額」までは、日本の法人税から差し引く(外国税額控除)ことができます。しかし、「ルールを無視して余分に払わされた税金」については、「それは相手国と交渉して返してもらうべきもの」と判断され、日本の税金からは引いてくれません。

5. 証明書がないと「ゼロ」扱いに
現地で税金を納めたという公的な書類(納税証明書)が手元にないと、日本の税務署はその税金が本当に払われたのか確認できません。この場合、1円も税金から引けず、経費にすることもできないという最悪の結果になる恐れがあります。

【№4 具体例】

実際によくあるトラブルのケースを10個ご紹介します。

① 浜松の製造業がタイの企業へ技術指導。条約では10%の源泉だが、現地法で20%引かれ、差額の10%分が税額控除できなくなった。

② 静岡のソフトウェア会社がインド企業にライセンス提供。租税条約届出書の提出が遅れ、高い税率で引かれた。

③ ベトナムの会社から「納税証明書の発行は手間がかかるからできない」と言われ、日本で外国税額控除が一切受けられなかった。

④ 契約書に「手取り額(Net)」を固定する条項を入れていたため、源泉徴収税を日本側で負担する形になり、その税金分が損金(経費)として認められなかった。

⑤ フィリピン企業との取引で、現地の税務署が租税条約の適用をなかなか認めず、数年間にわたって高い税率で引かれ続けた。

⑥ ブラジル企業へサービス提供。ブラジルは特殊な税制があるが、それを考慮せずに契約してしまい、予想外の税金が発生した。

⑦ 相手国の法人が「源泉徴収はしていない」と言い張っていたが、実際には引かれており、経理処理が合わなくなった。

⑧ 租税条約で「免税(税金ゼロ)」となるはずの取引なのに、現地の銀行が送金時に強制的に税金を天引きしてしまった。

⑨ アメリカの会社からロイヤリティを受け取ったが、現地の納税証明書が日本語訳なしでは日本の税務署に受理されず、対応に追われた。

⑩ 静岡の顧問税理士に相談せず海外契約を結んだため、日本での税額控除の計算方法を誤り、後の税務調査で追徴課税を受けた。

★重要:これらの事例に共通するのは、「事前の確認不足」です。海外送金が行われる前に、必ず現地の税率を確定させましょう。

【№5 手順】

海外取引で損をしないための、具体的な実務の手順です。

STEP①:租税条約の有無を確認
まずは、取引先の国と日本との間に租税条約があるかを確認します。日本は現在、およそ160近い国や地域と条約を結んでいます。

STEP②:条約上の税率(限度税率)を調べる
役務提供(サービス)、配当、利息、ロイヤリティなど、取引の内容ごとに「限度税率(これ以上引いてはいけない税率)」が設定されています。およそ5%、10%、15%などのケースが多いです。

STEP③:契約書に税金の負担を明記
契約書を作成する際、「源泉徴収税はどちらが負担するか」「納税証明書をいつまでに送付するか」を必ず条項に入れます。

STEP④:租税条約に関する届出書の作成・提出
相手国で低い税率(軽減税率)を適用してもらうためには、現地の税務署に「租税条約に関する届出書」を提出する必要があります。多くの場合、日本で発行した「居住者証明書(日本に住所があることの証明)」を添えて提出します。

STEP⑤:送金時の確認
取引先からお金が振り込まれる際、計算通りに源泉徴収されているか、領収証の控えをもらえるかを再確認します。

STEP⑥:納税証明書の回収
現地の税務当局が発行する公式な納税証明書を、年度末(確定申告)までに必ず回収します。PDFだけでなく、原本が必要になることもあります。

【№6 FAQ】

①Q. 租税条約で10%と決まっているのに、相手国で20%引かれてしまいました。日本で20%分すべて税金から引けますか?
A. いいえ、引けません。日本の「外国税額控除」で差し引けるのは、あくまで租税条約で決められた10%分までです。残りの10%分は「経費(損金)」として処理することになりますが、節税効果は税額控除より低くなります。

②Q. 相手国から「納税証明書」が届きません。代わりに従業員が書いたメモや送金明細で代用できますか?
A. 原則として代用できません。日本の税務署が認めるのは、現地の税務当局(政府機関)が発行した公的な証明書です。これがないと、払った税金を経費にすることさえ認められないリスクがあります。

③Q. 静岡の会社ですが、海外取引の契約書に「税金はすべて相手側が負担する」と書けば安心ですか?
A. いわゆる「ネットライト(Net Receipt)」条項ですね。一見安心ですが、日本側で「相手が代わりに払ってくれた税金分」も所得(利益)として加算して税金計算をする必要があり、計算が非常に複雑になります。

④Q. 浜松の個人事業主ですが、海外のクラウドサービスで源泉徴収されました。これも租税条約の対象ですか?
A. はい、対象になります。ただし、個人の方の場合は「居住者証明書」を取得して相手方に送付する手間が発生します。少額の場合は、事務手数料の方が高くなることもあるため注意が必要です。

⑤Q. 「居住者証明書」はどこでもらえますか?
A. 静岡市なら静岡税務署、浜松市なら浜松西・東税務署など、貴社の所在地を管轄する税務署で発行してもらえます。

⑥Q. 租税条約を結んでいない国との取引はどうなりますか?
A. 条約がない場合は、現地の法律通りの税率で引かれることになります。この場合は「二重課税」が起きやすいため、日本側で認められる「外国税額控除」の範囲内で調整する高度な判断が求められます。

⑦Q. サービス提供ではなく「物品の販売(輸出)」でも源泉徴収されますか?
A. 通常、単なる物品の売買(貿易)であれば源泉徴収はされません。ただし、据付工事や技術指導が含まれると、その部分が源泉対象になることがあります。

⑧Q. 以前の取引で、租税条約より多く引かれた分を今から取り戻せますか?
A. 相手国の税務署に対して「還付(かんぷ)請求」を行うことになります。しかし、現地の言葉での手続きや多額の手数料がかかるため、現実的には難しいケースが多いです。

⑨Q. 納税証明書が外国語で書かれています。翻訳は必要ですか?
A. 税務調査の際、内容がわかるように日本語の訳文を添えておくのが一般的です。全訳でなくても、主要な項目(金額、日付、税種)がわかれば問題ありません。

⑩Q. クラウド会計ソフトを使っていますが、海外の源泉徴収も自動で計算してくれますか?
A. 多くのソフトでは「内訳」までは自動で判断してくれません。静岡・浜松の企業さまであれば、導入時に私たちのようなITに強い税理士が、海外取引専用の勘定科目設定をサポートいたします。

【№7 まとめ】

租税条約は「最大の防衛策」
海外取引における税務トラブルを防ぐ最強の武器は、租税条約です。取引が始まる前に、相手国と日本との間にどのようなルールがあるかを把握するだけで、無駄な税負担(およそ5%〜15%の損失)を回避できます。

「証明書」の回収が命
税金を払った証拠である「納税証明書」がなければ、日本の税制上の優遇は一切受けられません。これは「後でもらえるだろう」という甘い考えではなく、契約書に明記して強制力を持たせることが重要です。

契約前のリーガル・税務チェック
海外の企業は、自国のルールを優先しがちです。静岡や浜松の経営者さまがグローバルに活躍するためには、契約書にサインをする前に「源泉徴収の取り扱い」をプロの視点でチェックすることが欠かせません。

損金算入か税額控除かの賢い選択
租税条約を超えて引かれた税金は、損金(経費)として処理するしかありません。しかし、これには厳格な会計ルールがあります。自社の利益状況に合わせて、どちらの方式がキャッシュフローに有利かを常に検討しましょう。

デジタルツールでの一元管理
海外取引の請求書、送金データ、納税証明書。これらを紙で管理するのはリスクです。ITを導入し、クラウド上で税理士とリアルタイムに共有することで、申告時のトラブルを未然に防ぐことができます。

パートナーとしての税理士法人
国際課税は、税理士の中でも得意・不得意が分かれる分野です。最高のIT税理士法人は、ITと最新の税制を組み合わせ、静岡・浜松の企業さまの海外展開を税務・会計の側面から強力にバックアップいたします。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3884号(2026年01月19日)「租税条約の定めを超えた源泉徴収に関するトラブルが散見」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.1240 外国税額控除」(参照日:2026-03-09)
参考:e-Gov法令検索「法人税法 第69条、第41条」(参照日:2026-03-09)

【№9 該当条文の説明】

法人税法 第69条(外国税額の控除)
本条は、日本の企業が海外で納めた税金を、日本の法人税から直接差し引けることを定めた条文です。ただし、この「差し引ける税金」には厳格な定義があります。条文上では「控除対象外国法人税」と呼びますが、これには「租税条約で決められた範囲内の税金」しか含まれません。つまり、条約を無視して多く払わされた分は、この条文の恩恵(税額控除)を受けられないということです。

法人税法 第41条(法人税額から控除する外国税額の損金不算入)
通常、税金そのものは経費(損金)にはなりません。しかし、この条文では「外国税額控除を選ばなかった場合」や「控除の対象外となった外国税」について、一定の条件で経費にすることを認めています。租税条約を超えて引かれた「超過分」は、税額控除はできませんが、この条文の解釈によって、ようやく「経費」として利益から差し引くことが可能になります。

租税特別措置法および租税条約の優先
日本の法律(国内法)よりも、他国と結んだ「租税条約」の方が優先されるという原則があります。しかし、これは「自動的に適用される」わけではなく、納税者が適切な手続き(届出書の提出など)を行って初めて有効になります。条文の文言通りに権利を主張するためには、手続きという「義務」を果たす必要があるのです。

納税証明書の保存義務
税法では、外国税額控除を受けるための要件として「納税を証明する書類の保存」を課しています。条文の規定(法法69 [25])によれば、書類が不備であれば、たとえ正当な税金であっても控除は認められません。法的な解釈において「証拠」は何よりも重い意味を持ちます。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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