スキマバイトに係る給与所得の源泉徴収票の提出漏れに注意
2025年11月13日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「スキマバイトに係る給与所得の源泉徴収票の提出漏れに注意」というテーマをお伝えさせていただきます!
近年、静岡市や浜松市をはじめ全国で「スキマバイト(ギグワーク)」が急増しています。
アプリを通じて1日単位・数時間単位で働ける手軽さから、飲食・物流・イベント業など幅広い業種で利用が広がっています。
企業側も「急な欠員補充」「短期業務対応」などでスキマワーカーを活用するケースが増えています。
しかし、税務の現場ではこの「スキマバイト」の給与処理に関するトラブルが急増しています。
とくに問題となるのが、源泉徴収票の提出漏れと給与支払報告書の未提出です。
多くの企業は「年50万円以下なら提出不要」というルールを誤解し、アプリごとに判定しているケースが見受けられます。
しかし正しくは、「同一企業が同一人に支払った年間の合計額」で判定しなければなりません。
つまり、同じ企業が複数のアプリ経由で支払っている場合には、すべてを合算して50万円超かどうかを判断する必要があります。
この誤りが続くと、税務署から「提出漏れ」として指摘を受けるリスクがあります。
また、地方税では「給与支払報告書」が年30万円超で提出義務が生じる場合もあり、市町村から問い合わせが入ることも少なくありません。
静岡県内でも、浜松市や静岡市などの自治体が、スキマバイト支払企業に対して調査を行う事例が出ています。
この記事では、こうした新しい働き方に対応するための税務上のルール整理と、実務での注意点をやさしく解説します。
【№2 結論】
スキマバイトに関して、企業等が知っておくべき結論は次のとおりです。
① スキマワーカーへの支払は、原則として「給与所得」として源泉徴収の対象となる。
② 年間の支払総額が50万円を超える場合、必ず源泉徴収票を税務署に提出する義務がある。
③ 提出判定は「アプリごと」ではなく、「同一企業が同一人に支払った総額」で行う。
④ 複数のアプリを通じて同じ企業から支払われている場合、すべてのアプリ経由分を合算する。
⑤ 地方税に関しては、給与支払報告書を年30万円超で提出するルールが原則であるが、自治体によっては金額にかかわらず提出を求めている。
⑥ 静岡県内では、30万円以下でも「原則提出」を推奨する自治体が多い。
⑦ 年末調整の対象にならない者(乙欄・丙欄)であっても、源泉徴収票の交付義務は残る。
⑧ 提出漏れが発覚した場合、罰則よりもまず「報告徴求・再提出」の指導が行われるが、悪質な場合は過料(所得税法241条)となる可能性がある。
★重要
アプリが給与支払いを代行していても、実際の雇用主は企業側です。
したがって、税務上の「給与支払者」となるのはアプリ運営会社ではなく、スキマワーカーを直接雇用した企業となります。
支払の代行機能がある場合でも、源泉徴収義務や提出義務は企業側に残ります。
つまり、「代行会社が振り込んでいるから提出不要」という判断は誤りです。
税務署の指摘事例では、給与支払者がアプリ会社と誤認して未提出となり、後日一括提出を求められるケースが確認されています。
【№3 やさしい解説】
では、なぜこのような「提出漏れ」が起こりやすいのか。
それは、スキマバイトの雇用構造と支払形態が複雑だからです。
ここでは、初心者の方にもわかるように仕組みを整理します。
① スキマバイトの仕組み
スキマバイトとは、アプリなどの仲介サービスを通じて、短時間・単発で働ける新しい雇用形態です。
たとえば、飲食店・倉庫・イベント会社などがアプリ上で求人を出し、ワーカーが応募・勤務します。
このとき、アプリ会社は「紹介」または「代行」業務を行うだけで、雇用契約の当事者ではありません。
実際に雇用契約を結ぶのは、働く人(スキマワーカー)と実際の勤務先である企業(発注者)です。
したがって、所得税法上の給与支払者は企業側となり、源泉徴収義務や書類提出義務も企業が負います。
② 源泉徴収票の提出基準
所得税法第226条第1項および所得税法施行規則第93条第2項により、
「扶養控除等申告書を提出していない者に対し、その年中の支払額が50万円以下である場合には、税務署提出分の源泉徴収票提出を要しない」とされています。
しかしここで注意が必要です。
この50万円という基準は「アプリ単位」ではなく「企業単位」で判定するという点です。
たとえば、A株式会社が複数のスキマバイトアプリ(Xアプリ、Yアプリ)を利用し、同じスキマワーカーに給与を支払っている場合、
X経由で20万円、Y経由で40万円支払ったとすると、合計60万円で50万円を超えるため、提出義務が発生します。
つまり、「アプリごとに分けて50万円以下にすればOK」という考え方は誤りなのです。
③ 地方税(給与支払報告書)の基準
地方税法第317条の6第3項では、年の中途で退職した者に対する給与支払額が30万円以下であれば、給与支払報告書の提出を省略できる旨が定められています。
ただし、実務上は自治体によって扱いが異なり、多くの市区町村では「金額にかかわらず提出を推奨」しています。
静岡県内でも、浜松市・静岡市ともに「提出省略よりも全件提出」を推奨しており、
「30万円以下だから出さなくてよい」という判断は避けるのが無難です。
④ 「アプリ上の年収制限」との誤解
アプリによっては、同一企業に対して年間支払が一定額を超えると自動的にマッチングできなくなる仕組みがあります。
しかし、これはアプリの運営上の制限であり、税務署が定める50万円基準とは別物です。
アプリ上で「50万円以下だから提出不要」としても、実際の合計支払額が超えていれば提出義務は免れません。
⑤ 雇用契約と報酬契約の違い
スキマバイトは多くの場合、日雇い雇用契約に該当します。
もし請負契約や業務委託契約として処理している場合でも、実態として「労務の提供」と「指揮命令関係」があるなら、税務上は給与所得に該当します。
静岡労働局や浜松労基署の見解でも、勤務時間や業務内容の指定がある場合は雇用契約とみなされるケースが多く報告されています。
⑥ 罰則・行政対応
所得税法第241条では、提出義務に違反した場合の過料が定められています。
ただし、実務上は初回指摘の場合「再提出指導」で済むケースがほとんどです。
しかし、継続的に未提出を続けた場合や、故意・悪質と判断された場合には過料(1万円以下)を科されるおそれがあります。
⑦ 実務での予防策
アプリ経由のスキマワーカー支払は、必ず人事・経理が一覧管理する。
アプリ別の明細ではなく、支払先(勤務先別)で合算して年間集計する。
年末時点でワーカー別に支払集計表を作成し、50万円超過者を確認する。
30万円以下の者も給与支払報告書を原則提出する。
これらを徹底することで、源泉徴収票の提出漏れを防ぐことができます。
【№4 具体例】
ここでは、静岡・浜松の企業が直面しやすいスキマバイト支払の10事例を紹介します。
金額・雇用形態・提出要否を具体的に示し、誤りやすい判断を整理します。
① 飲食店A社(静岡市)
同一ワーカーにXアプリで25万円、Yアプリで20万円支払。
→ 合計45万円、50万円以下のため税務署提出不要。
ただし給与支払報告書は静岡市へ提出推奨。
② 飲食店A社が同一ワーカーへXアプリ30万円、Yアプリ25万円支払。
→ 合計55万円、50万円超。税務署提出義務あり。
③ 浜松の物流会社B社
3名のスキマワーカーにそれぞれ45万円支払。
→ 全員50万円以下、提出不要。ただし翌年も継続雇用があるため集計管理必須。
④ イベント運営会社C社(静岡市)
期間中に同一ワーカーへ5回支払。総額52万円。
→ 合算で50万円超、提出義務あり。アプリ2社経由でも同一企業支払なら合算。
⑤ 倉庫会社D社(浜松)
ワーカー10名にそれぞれ10万円支払。
→ 全員50万円以下。提出不要だが支払報告書は浜松市に全件提出が無難。
⑥ 旅館E社(熱海)
住み込み短期アルバイトに年60万円支払。
→ 提出義務あり。丙欄適用者でも免除されない。
⑦ IT系スタートアップF社(静岡市)
アプリを通じて単発で作業依頼、各回1万円×40回(計40万円)。
→ 50万円以下のため税務署提出不要。
ただし年末調整の対象外につき本人交付用は必須。
⑧ コンビニG社(浜松市)
同一ワーカーが別支店で勤務。A店20万円+B店35万円=55万円。
→ 支払者が同一法人のため合算。提出義務あり。
⑨ 清掃業H社(静岡市)
アプリ運営会社に一括入金し、代行支払を依頼。
→ 実際の雇用主はH社。提出義務はH社側。
⑩ 補助金事業関連の短期雇用I社(浜松市)
スキマワーカー4名に30万円ずつ支払。
→ 税務署提出不要。ただし地方税報告書は提出推奨。
★注意
支払総額判定は「同一企業×同一人」単位。
支払アプリ数・勤務回数・拠点数で分けてはいけない。
各年末に再集計することが実務上の安全策です。
【№5 手順】
① 年間集計の準備
すべてのアプリ・出勤表・給与支払明細を月次で一覧化。
ワーカー別に年間支払額を算出。
同一人が複数アプリ利用している場合は統合。
② 提出義務の判定
年50万円以下:税務署提出不要(本人交付のみ)。
年50万円超:税務署提出必須。
年30万円超:原則として市区町村への給与支払報告書提出。
年30万円以下:自治体により異なるが、原則提出を推奨。
③ 提出書類の作成
源泉徴収票2通(本人交付用・税務署提出用)。
給与支払報告書(市区町村提出用)。
提出期限:翌年1月31日まで。
④ まとめ処理
e-Taxまたは書面提出を選択。
提出不要者も一覧表を社内保存(税務署確認時に提示)。
源泉徴収簿・支払台帳と突合確認。
⑤ チェックリスト
アプリ会社経由支払の一覧を確認。
振込代行でも雇用主名義を統一。
同一人・同一企業の重複支払をチェック。
⑥ 静岡・浜松での補足
浜松市:原則全件提出を指導。
静岡市:30万円以下も提出推奨通知を発行。
eLTAX対応で電子提出が容易なため、全件提出が最適。
【№6 FAQ】
Q1:アプリ会社が振り込んだ場合も企業が提出するの?
A1:はい。雇用契約の当事者が企業であるため、企業が源泉徴収票を提出します。
Q2:50万円の判定は税込・税抜どちら?
A2:支払総額(税込)で判断します。
Q3:扶養控除申告書を出していないスキマワーカーは丙欄?
A3:はい、日雇い等の場合は丙欄適用者です。
Q4:アプリごとに50万円以下ならすべて不要?
A4:いいえ。同一企業が同一人に支払った総額で判断します。
Q5:静岡市では30万円以下の報告書は不要?
A5:原則提出を推奨。通知でも「全件提出が望ましい」とされています。
Q6:税務署に出さないで見つかることは?
A6:マイナンバー照合や年末調整情報で判明することがあります。
Q7:給与支払報告書と源泉徴収票は同時提出?
A7:はい。原則として同時期(1月末)提出です。
Q8:スキマワーカーが副業の場合の扱いは?
A8:主たる給与でなければ乙欄や丙欄適用。提出義務は変わりません。
Q9:雇用契約ではなく委託契約にすれば不要?
A9:実態が労務提供なら給与所得扱い。形式だけで判断されません。
Q10:浜松市で電子申告は可能?
A10:はい。eLTAXで一括提出が可能です。複数自治体も同時対応できます。
【№7 まとめ】
スキマバイトは、企業にとって柔軟な雇用手段ですが、
税務上の手続を誤ると「提出漏れ」「報告漏れ」として指摘を受けやすい分野です。
★重要
判定単位は「同一企業×同一人」の年間支払総額。
アプリの制限や契約方式にかかわらず税務基準が優先。
地方税では30万円以下でも提出を推奨。
本人交付分の源泉徴収票は必ず発行。
静岡・浜松では、電子申告体制が整っており、
e-Tax・eLTAXを活用すれば数時間で全件提出が可能です。
特に人材不足業界ではスキマワーク活用が今後さらに増加するため、
早期に社内で「スキマバイト支払管理表」を整備することが最重要課題です。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3863号(2025年8月18日)「スキマバイトに係る給与所得の源泉徴収票の提出漏れに注意」
参考:国税庁タックスアンサー「No.2805 源泉徴収票の提出義務」(参照日:2025-10-22)
参考:e-Gov法令検索「所得税法 第226条」「所得税法施行規則 第93条」「地方税法 第317条の6」(参照日:2025-10-22)
【№9 該当条文の説明】
(1)所得税法第226条
源泉徴収票の提出義務を定める条文で、支払者が税務署長に提出する義務を明確化。
乙欄・丙欄適用者のうち、年50万円以下の給与支払者については例外扱い。
(2)所得税法施行規則第93条
具体的な提出不要要件を列挙。扶養控除等申告書未提出者で50万円以下支払の場合、税務署提出不要。
(3)地方税法第317条の6
給与支払報告書の提出義務を規定。退職者等30万円以下の支払は省略可だが、実務上は全件提出が望ましい。
背景として、デジタル雇用拡大に伴い、アプリ経由支払の実態把握を強化する流れにあります。
国税庁は令和6年度から電子データ照合を進め、マイナンバー連携で未提出の検知が容易になりました。
そのため、「提出しなくてもバレない時代」は既に終わっています。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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