自己所有不動産・役員社宅の活用と賃料改定における実務留意点
2025年11月17日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「自己所有不動産・役員社宅の活用と賃料改定における実務留意点」をお伝えさせていただきます!
中小企業や同族会社では、代表者自身が所有する不動産を会社が社宅として借り上げ、役員の居住用として利用するケースが増えています。
特に静岡や浜松の企業では、経営者個人の資産を有効活用しつつ、法人の福利厚生制度の一環として運用する事例が多く見られます。
しかし、こうしたスキームは税務上の「行為計算否認」や「経済的利益課税」など、複数のリスクを伴うことがあります。
また、民泊併用や転用、賃料改定など、実務運用の過程で生じる判断ミスにより、思わぬ追徴課税を受けることもあります。
この記事では、
・自己所有物件を社宅にする際の適法性
・適正賃料の判断基準
・賃料改定時の定期同額給与の扱い
・民泊併用・管理規約上の制約
などをわかりやすく整理し、経営者・税務担当者が押さえるべき実務対応の要点を解説します。
【№2 結論】
結論から言えば、代表者個人が所有する不動産を会社の社宅として活用すること自体は可能です。
ただし、**「経済合理性」と「制度趣旨の遵守」**が前提条件となります。
具体的には次の二つがポイントです。
① 経済合理性
賃料設定が市場相場に即していること。
社宅としての提供目的が福利厚生であること。
個人・法人双方の金銭授受が合理的で、節税目的が前面に出ていないこと。
② 制度趣旨の遵守
社宅制度の目的は役員の福利厚生。
民泊・貸出・転用など、他の収益目的を併用しないこと。
管理規約や建築用途制限など、法的制約を満たすこと。
これらを満たさない場合、法人税法132条による「行為計算否認」や、役員に対する「給与課税」として扱われる可能性があります。
また、賃料改定によって役員の経済的利益が変動した場合には、定期同額給与(法人税法34条)の要件を外れ、損金算入が否認されるリスクも生じます。
つまり、自己所有不動産の社宅化は、節税策ではなく経営合理化の一環として慎重に設計する必要があるのです。
【№3 やさしい解説】
★重要
同族会社では「会社=個人」と誤解されがちですが、税務の世界では明確に区別されます。
代表者が所有するマンションを会社が借り上げて社宅とする場合、次の3つの関係が同時に発生します。
1. 会社と代表者の賃貸借契約(法人が借主)
2. 会社と代表者の社宅使用契約(法人が貸主)
3. 代表者と金融機関の借入契約(個人ローン)
この三重構造を適切に整理しておかないと、税務上「見せかけ取引」や「行為計算否認」とみなされるおそれがあります。
★経済合理性の判断
国税庁の通達(所基通36-40)では、役員社宅の使用料が「通常の賃貸料に比して著しく低い場合」、その差額は給与とみなされるとしています。
したがって、会社が支払う賃料・役員が負担する使用料の双方について、市場相場に基づいた根拠資料を用意することが必須です。
静岡市や浜松市では、同様の立地・築年数のマンション賃料相場が明確に公開されているため、賃料設定の裏付け資料として活用しやすい地域です。
また、借上社宅の利用目的が「単身赴任」「転勤」「役員福利厚生」など合理的理由であることを、取締役会議事録等に残しておくことも重要です。
★民泊併用のリスク
社宅を民泊に転用すると、住宅宿泊事業法やマンション管理規約に抵触する場合があります。
たとえ短期であっても「居住専用」の規約に違反すれば、税務以前に法務リスク(違約・損害賠償)が発生します。
さらに、税務上も「社宅制度の目的外利用」と判断されると、経費算入が否認される可能性が高くなります。
★消費税の留意点
役員が取得したマンションは、居住用建物に該当する限り、仕入税額控除が認められません(消費税法30条10号)。
また、社宅提供を理由に課税転用する場合は、消費税法35条の2に基づき調整計算が必要となります。
静岡・浜松のように個人オーナーが法人と密接に関係する地域では、この点の誤りが特に多く見られます。
★賃料改定時の注意
家賃が改定された際、役員負担額を据え置くと、会社側の「経済的利益供与額」が変動します。
この場合でも、賃料改定が社会的に合理的であれば「おおむね一定」と認められ、定期同額給与の要件を満たすとされています(法令69条1項2号)。
ただし、複数役員での負担バランスが大きく崩れる場合は「プール計算」により調整が必要です(所基通36-44)。
このように、自己所有不動産を社宅化するスキームは、一見シンプルに見えて実務上は税法・民法・不動産法の交錯領域です。
特に中小企業では、登記・契約・会計処理・議事録作成がすべて整合していなければ、経済合理性を証明できません。
したがって、税理士・司法書士・不動産管理会社が連携し、**「節税ではなく透明な制度運用」**を行うことが最も重要です。
【№4 具体例】
以下は、実務で多く見られる「自己所有不動産を社宅として活用する」際のケーススタディです。
すべて静岡・浜松など地方都市で想定される典型的事例を中心に整理しています。
① 代表者が自宅マンションを会社に賃貸し社宅化
概要:代表者Aが個人名義のマンションを保有し、法人に貸し付け。
留意点:賃料が近隣相場を著しく下回ると、差額が役員給与とみなされる。
対応:不動産会社発行の賃料査定書を添付し、適正価格を証明。
② 社宅として登記したが、代表者海外出張中に民泊利用
問題:住宅宿泊事業法および管理規約に反するおそれ。
税務:社宅制度の適用外とされ、家賃全額を経済的利益と認定されるリスク。
③ 代表者が法人の借上住宅に居住し、個人ローン控除を適用
問題:社宅利用時は「自己居住」とならず、住宅ローン控除は不可。
誤った申告をすると、追徴課税+延滞税が発生。
④ 社宅賃料改定時に会社負担が増加
結果:経済的利益が増加したように見えても、賃料改定が社会的要因なら定期同額給与の範囲内。
⑤ 役員複数名が同一建物内に社宅を持つケース
留意点:全体の負担率を均一化し、プール計算で整合性を確保。
⑥ 法人が役員所有物件を買取後に社宅化
経済合理性:会社が必要とする立地・規模・相場であれば否認リスク低い。
注意:不動産取得税や登録免許税を考慮すること。
⑦ 親族が所有する住宅を借上げ役員が居住
問題:親族取引に該当するため、契約書と市場賃料の裏付けが必須。
⑧ 静岡市内の高額マンションを社宅化し、役員負担を極端に低く設定
結果:明らかに福利厚生目的を逸脱。行為計算否認の対象。
⑨ 管理規約に「居住用専用」とある建物で本店登記を実施
問題:会社法上は可能だが、民法・管理規約違反のリスクあり。
⑩ 社宅賃料の支払を役員報酬に含めて処理
問題:経済的利益課税の重複を招くおそれ。給与計算内訳を明確に区分する。
★静岡・浜松地域の傾向
これらの取引は特に中小同族会社に多く見られます。
賃料水準や家賃相場が明確な都市部では、資料整備の有無が税務リスクを大きく左右します。
【№5 手順】
自己所有物件を社宅として活用する際は、次のステップに沿って手続するのが安全です。
① 契約形態を明確化
会社⇔代表者間で「賃貸借契約書」を締結。
社宅利用規程と照合し、福利厚生目的であることを記載。
② 賃料査定を取得
不動産会社や国交省賃料指数など、客観資料を添付。
③ 取締役会・稟議の決定
役員社宅貸与の根拠と金額を決議として残す。
④ 会計処理
会社側は「福利厚生費」または「給与(経済的利益)」として処理。
役員側は給与明細に社宅使用料控除を反映。
⑤ 消費税・所得税の検討
居住用賃貸は非課税。転用時は消費税法35条2項に基づく調整を実施。
⑥ 民泊等併用の確認
管理規約・住宅宿泊事業法に基づき、法的適格性を確認。
⑦ 契約・登記の整合確認
本店登記を兼ねる場合は、建物用途制限の有無を法務局で確認。
【№6 FAQ】
① Q:自宅を社宅として貸すと節税になりますか?
A:単なる節税目的では否認されます。経済合理性と福利厚生目的が必須です。
② Q:社宅に登記しても大丈夫ですか?
A:管理規約に「居住専用」の制限がないことを確認すれば可能です。
③ Q:民泊との併用は認められますか?
A:原則不可。社宅制度の趣旨を逸脱します。
④ Q:役員が個人ローン控除を受けられますか?
A:社宅扱いの場合は自宅利用とならないため、控除できません。
⑤ Q:賃料改定で役員報酬が変わることはありますか?
A:合理的理由があれば「おおむね一定」とみなされ、定期同額給与の範囲内です。
⑥ Q:親族所有物件でも問題ありませんか?
A:契約・賃料の適正性を第三者比較で説明できれば可能です。
⑦ Q:居住用賃貸でも消費税は関係しますか?
A:非課税ですが、用途転換時には調整計算が発生する場合があります。
⑧ Q:静岡や浜松の地価が上昇していますが、社宅賃料も見直すべき?
A:はい。近隣相場に基づく見直しを定期的に行いましょう。
⑨ Q:会社が役員社宅を売却した場合の税務は?
A:法人側に譲渡益が発生します。用途区分の変更がある場合は課税調整が必要です。
⑩ Q:社員社宅と役員社宅の扱いは違いますか?
A:はい。役員社宅は福利厚生ではなく「給与の一部」として課税関係が厳密です。
【№7 まとめ】
社宅制度は、法人と役員の双方にとって有効な福利厚生制度です。
しかし、設計や運用を誤ると「節税策」と誤解され、追徴課税や行為計算否認の対象となるおそれがあります。
★押さえるべき3原則
1. 経済合理性(第三者でも妥当といえる価格設定)
2. 制度趣旨(福利厚生目的を明確にする)
3. 手続整合(契約・議事録・会計処理の一貫性)
税務上は、会社が支払う賃料と役員負担額の差額が「経済的利益」とみなされるため、
相場資料や賃料査定書を用いて合理性を証明することが大切です。
また、形式的なスキームや極端に低い賃料設定は、法人税法132条の否認対象となり得ます。
法務面では、マンションの管理規約や建築用途制限の確認が欠かせません。
「居住専用」や「民泊禁止」の規約に反する利用は、制度の趣旨を逸脱します。
経営面では、社宅制度を福利厚生の一環として位置づけ、人材確保や定着につなげることが理想です。
静岡・浜松では、役員社宅制度を明確に整備し、登記・契約・会計を一貫管理する企業が増えています。
★実務ポイント
社宅貸与規程と賃料査定書をセットで保管する
定期的に賃料の妥当性を見直す
会計上は「福利厚生費」と「給与」を区分して処理する
社宅制度の本質は「節税」ではなく、「健全な福利厚生と透明な経営体制」です。
その基盤を整えることが、最終的に税務リスクを減らし、企業の信頼性向上にもつながります。
【№8 出典】
出典:『税理士実務Q&Aセカンドオピニオン』第37・38回合併号「自己所有不動産・役員社宅の活用と賃料改定における実務留意点」税理士 苅米裕
参考:国税庁タックスアンサー「No.2600 役員に対する社宅貸与」(参照日:2025-10-22)
参考:e-Gov法令検索「法人税法第132条」「消費税法第35条の2」「所得税法第9条」(参照日:2025-10-22)
【№9 該当条文の説明】
法人税法第132条は、同族会社等が「不自然または不合理な行為計算」を行った場合、
税務当局がその計算を否認できる旨を定めています。
社宅スキームでは、代表者個人が法人に賃貸し、再び自らが利用する構造が「経済合理性を欠く」と判断されるケースがあります。
また、所得税法第9条は「住宅ローン控除」の適用要件を規定しており、社宅として提供している間は「自己居住用住宅」に該当しないため、控除対象外です。
さらに、消費税法第35条の2は「課税資産の用途変更による調整制度」を定め、
居住用(非課税)から事業用(課税)へ転用した場合の税額調整を求めています。
これらの条文はすべて、社宅スキームの「課税公平性」と「制度悪用防止」を目的としています。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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