社員旅行の参加割合が50%未満でも給与課税の対象外とされる場合

2025年11月20日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念をもとに、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を高める」ことを使命にしています。
今回は「社員旅行の参加割合が50%未満でも給与課税の対象外とされる場合」について解説します。
社員旅行は、職場の親睦やチーム力向上を目的とした大切な社内イベントです。
しかし税務上は、「会社が負担する旅行費用」が従業員の経済的利益と見なされるかが問題となります。
原則として、旅行期間が4泊5日以内で、全体の参加率が50%以上であれば、非課税の福利厚生費として扱えます。
ただ、国税庁が令和4年12月に公表した新しいQ&Aで、参加割合が38%でも非課税とされた例が紹介されました。
これは「社会通念上一般に行われている旅行」として認められたケースで、条件次第では参加率が50%未満でも給与課税の対象外となる可能性があります。
静岡や浜松のように、介護・医療・製造などシフト勤務が多い企業では、社員全員の参加が難しい場合があります。
この新たな考え方は、そうした現実に配慮した柔軟な運用といえるでしょう。
ただし、「38%なら必ず非課税」というわけではありません。
旅行の目的や内容、会社と従業員の負担割合、全社員への案内の有無などを総合的に判断する必要があります。
本稿では、原則ルールと例外、実務上の注意点をわかりやすく整理し、社内での判断に役立つポイントをお伝えします。

【№2 結論】

★重要
社員旅行の参加率が50%未満でも、一定の条件を満たせば給与課税の対象外となる可能性があります。
福利厚生規程に基づき、全従業員を対象に実施され、旅行目的が親睦・慰安であり、期間が4泊5日以内であれば、社会通念上一般的なレクリエーションとして非課税にできます。
今回の国税庁Q&Aで示された「参加率38%の事例」は、全社員に案内され、福利厚生規程に基づき実施された3泊4日の旅行(会社負担7万円・従業員負担8万円)でした。
このような内容なら、参加率が低くても給与課税しなくて差し支えないとされています。
ただし、数値だけを基準に判断するのは危険です。
通達(所得税基本通達36-30)は現在も有効であり、「社会通念上一般に行われている」と認められることが大前提です。
会社負担が高額、役員中心、特定部署のみなどの場合は、たとえ参加率が高くても課税対象になります。
また、不参加者への代替金支給(例:旅行に行けない人へ3万円支給)を行うと、その金額は給与課税となるため注意が必要です。
★実務上のポイント
1. 原則は「4泊5日以内・参加率50%以上」
2. 50%未満でも、内容次第で非課税可
3. 「38%」は参考値であり、基準値ではない
4. 福利厚生規程と全社員への周知が重要
5. 豪華すぎる・偏った旅行は課税対象
6. 記録(企画書・案内文・出欠表など)を残す
静岡・浜松のように参加率を確保しにくい業種でも、正しい運用をすれば非課税の判断は十分可能です。
次の【№3 やさしい解説】では、なぜ「50%未満でも非課税になり得るのか」を、通達の背景と実務上の判断要素を踏まえて解説します。

【№3 やさしい解説】

まず、社員旅行に関する課税・非課税のルールは「所得税基本通達36-30」で定められています。
この通達では、会社が負担する費用が「従業員の福利厚生として社会通念上一般に行われているもの」である場合には、給与課税の対象外とされます。
つまり、会社が費用を出しても「全体の親睦目的で、誰でも参加できるようになっている」ならば、従業員が得た経済的利益は給与とみなさないという考え方です。
ただし、これには一定の条件があり、国税庁が示す「4泊5日以内」「参加割合50%以上」という基準を満たす場合は、原則として非課税になります。
この「50%以上」という数字が、これまで実務上の分かれ目でした。
ところが近年は、業種や働き方の多様化で「全員が一斉に旅行できない」という現実が出てきました。
特に介護事業・医療・飲食・サービス業のようにシフト勤務が基本の職場では、50%以上の参加率を確保することが難しくなっています。
このような状況を踏まえ、令和4年12月に国税庁はタックスアンサーを改訂し、「参加割合38%の旅行でも非課税とした具体例」を追加しました。
★重要
この38%という数字は、新しい基準ができたわけではなく、「社会通念上一般に行われている福利厚生」と認められた事例を示したものです。
つまり、50%を下回っても、内容が「社員の親睦目的・会社主催・福利厚生規程に基づく」などの条件を満たしていれば、非課税と判断されうるということです。
国税庁が示した例は次のようなものでした。
「3泊4日、会社負担7万円、従業員負担8万円、参加率38%、福利厚生規程に基づく年1回の社員旅行」
この旅行が「社会通念上一般に行われている」と認められたため、課税しなくて差し支えないとされました。
★注意
ただし、「38%なら必ず非課税」とは限りません。
旅行の目的、企画、全社員への周知、費用の妥当性などを総合的に見て判断されます。
たとえば「特定部署だけ」「役員中心」「会社負担が過大」「豪華すぎる」場合などは、給与課税とされるおそれがあります。

【№4 具体例】

ここからは、実務でよくあるケースを10例挙げて、課税・非課税の判断の目安を紹介します。
① 社員全員で2泊3日の温泉旅行(参加率80%、会社負担5万円)
 → 典型的な非課税の社員旅行。
② 工場と事務所で日程を分けて実施(全体では45%)
 → 社内全体で実施され、シフトの都合があるなら非課税とされる可能性あり。
③ 役員と幹部社員のみの海外旅行(3泊5日)
 → 役員中心のため課税対象。
④ 本社部門のみの旅行(参加率60%)
 → 他部門が対象外なら「全社イベント」とは言えず、部分的に課税されるおそれ。
⑤ 社員の家族も参加可の旅行(全体参加率55%)
 → 家族分の費用を会社が負担した場合、その分は課税対象。
⑥ 旅行不参加者に代替金(2万円)を支給
 → 不参加者への支給部分は給与課税。
⑦ 全従業員に案内したが、参加率40%、年1回、福利厚生規程に基づく
 → 総合的に見て非課税の可能性が高い(令和4年Q&A事例に近い)。
⑧ 社員旅行と称して高額接待旅行(1泊100万円)
 → 社会通念を逸脱しており課税対象。
⑨ 支店ごとに実施、支店内参加率70%、全社合計では45%
 → 支店単位で判断し、各支店が50%以上なら非課税扱い可。
⑩ 浜松市の介護事業所で日帰り旅行(参加率42%、会社負担5,000円)
 → 福利厚生規程に基づき全員に案内していれば、非課税として妥当。

【№5 手順】

次に、社員旅行を企画・実施するときの社内手順を整理します。
特に「50%未満でも非課税としたい」場合は、証拠を残すことが大切です。
① 福利厚生規程を整備
 「年1回、全従業員を対象に親睦目的で社員旅行を実施する」旨を明記。
② 全社員へ参加案内を出す
 メールや掲示で「全員が参加可能であること」を示します。
③ 企画内容の記録
 旅行目的、日程、行先、会社負担・従業員負担の金額を文書化。
④ 参加率を算出
 実際の出欠を一覧化。シフト勤務など理由がある場合は備考欄に記載。
⑤ 会計処理の明確化
 会社負担分を「福利厚生費」で処理。不参加者への支給があれば「給与」として処理。
⑥ 写真・行程表の保存
 実際に行われたことを示す資料を残すことで、税務調査時に有効。
⑦ 事後報告・反省会の記録
 社内報や議事録などで、全社行事であることを補強できます。

【№6 FAQ(よくある質問)】

Q1:参加率が30%を下回ると自動的に課税ですか?
A:いいえ。あくまで内容の総合判断です。30%でも福利厚生規程に基づく全社行事であれば、非課税とされる余地があります。
Q2:旅行期間が5泊6日でも一部費用は非課税になりますか?
A:原則として5泊6日は超過のため、全体が課税対象です。4泊5日以内を目安にしましょう。
Q3:役員のみの旅行を「慰安旅行」と称した場合は?
A:参加者が役員のみであれば課税対象です。名称より実態が重視されます。
Q4:社員の家族が同行した場合、家族分も非課税ですか?
A:家族分を会社が負担した場合は、その部分は課税されます。
Q5:不参加者への金銭支給はどう扱いますか?
A:給与課税対象です。現物給付ではなく金銭給付となるため。
Q6:静岡市の企業で支店ごとに実施する場合は?
A:支店単位で判断できます。各支店で50%以上の参加があれば非課税扱いが可能です。
Q7:旅行費用の一部を従業員が負担する場合の割合は?
A:社会通念上妥当とされる範囲(概ね会社負担5〜7割程度)が安全です。
Q8:旅行の代わりにオンライン懇親会を実施した場合は?
A:実態により判断されます。会社負担が軽微で全員参加可能なら福利厚生費で処理可能。
Q9:旅行中の飲食代・お土産代は?
A:通常の範囲であれば会社負担でも非課税。ただし過度に高額な場合は課税対象。
Q10:浜松市の介護事業所で日帰り研修旅行を行った場合、非課税にできますか?
A:研修や慰安の要素を含み、全職員に案内されていれば、非課税とされる可能性が高いです。

【№7 まとめ】

ここまで、社員旅行における「参加割合50%未満でも給与課税の対象外となるケース」について、法律と実務の両面から整理してきました。
改めて、経営者や総務担当者の方が押さえておくべきポイントをまとめます。
① 原則ルールは依然有効
 旅行期間が4泊5日以内、参加割合が50%以上であれば、原則として給与課税の対象外。
 この2つの条件を満たしていれば、余計な心配は不要です。
② 50%未満でも非課税になり得る
 令和4年12月の国税庁Q&Aで示された「38%の事例」は、社会通念上一般に行われている社員旅行であれば、参加率が低くても非課税にできる可能性があることを明らかにしました。
 これは、シフト勤務や多拠点勤務が増える現代の企業環境に配慮した運用です。
③ 判断基準は「総合勘案」
 参加率の数字だけでなく、
 ・旅行の目的
 ・会社主催かどうか
 ・全社員に案内されたか
 ・福利厚生規程に明記されているか
 ・会社と従業員の負担割合
 などを総合的に考えます。
④ 豪華すぎる旅行や役員中心はNG
 たとえ参加率が高くても、実態が「特定層の優遇」や「高額接待」である場合は給与課税の対象。
 「社会通念上一般的なレベル」かどうかを常に意識しましょう。
⑤ 記録を残すことが最大の防御策
 福利厚生規程、案内文、出欠表、費用明細、行程表などを保存しておくことで、税務調査時に「会社として適正に判断している」ことを説明できます。
 これは50%未満の旅行だけでなく、すべての社員旅行で大切な点です。
★静岡・浜松の中小企業の皆さまへ
このテーマは、まさに地域性のある問題です。
静岡市や浜松市の企業では、医療介護・製造業・サービス業など、シフト制勤務が多く、社員旅行の参加率が上がりにくい傾向にあります。
しかし、適正な手順を踏めば、福利厚生として非課税処理が十分可能です。
社員のモチベーション向上や定着率アップのためにも、安心して社内イベントを実施できるよう整備していきましょう。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3867号(2025年9月15日)「社員旅行 参加割合50%未満でも給与課税の対象外となる場合の留意点」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行」(参照日:2025-11-10)
参考:e-Gov法令検索「所得税基本通達36-30」(参照日:2025-11-10)

【№9 該当条文の説明】

(1)所得税基本通達36-30
 この通達は、会社が負担するレクリエーション行事(社員旅行など)の費用が、従業員に対する経済的利益とみなされるかどうかを示しています。
 「社会通念上一般に行われている」と認められる旅行で、全従業員が参加できる機会を与え、期間が4泊5日以内かつ参加割合50%以上である場合は、給与課税しなくてよいとされています。
 つまり、参加しなかった従業員に現金を渡したり、役員のみを対象とする場合は課税対象になるというルールです。
(2)タックスアンサーNo.2603(従業員レクリエーション旅行や研修旅行)
 このタックスアンサーでは、過去に「参加率50%以上」の例が中心でしたが、令和4年12月に「参加率38%の旅行でも非課税とされたケース」が新たに加わりました。
 この変更は、旧来の一律的な考え方を緩和し、働き方改革によって多様化した勤務形態に対応するためのものです。
 ただし、この事例は「福利厚生規程に基づき、全社員に周知された旅行」であることが前提です。
 単なる旅行助成や特定層向けの行事では該当しません。
(3)大阪高裁昭和63年3月31日判決
 この裁判では、参加率38%の社員旅行でも「社会通念上一般に行われている」と認められたことが、今回の国税庁事例の根拠とされています。
 つまり、数字よりも実態重視の判断が基本であることを確認したものです。
(4)「社会通念上一般に行われている」とは
 これは、一般的な企業の慣行として通常行われている範囲を指します。
 費用水準、回数、内容、全体への案内方法などが常識の範囲内であれば、社会通念上妥当とされます。
 逆に、特定層にしか恩恵がない、豪華すぎる、高頻度すぎる場合は課税対象になりやすいです。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、
静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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