新リース会計基準における短期・少額リースと消費税の分割控除の考え方

2025年11月22日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「新リース会計基準における短期・少額リースと消費税の分割控除の考え方」についてお伝えさせていただきます!
2024年度から多くの企業が適用を始めた「新リース会計基準」は、これまでの会計実務を大きく変える内容です。
従来は、所有権が移転しないリース(ファイナンス・リース)でも「賃貸借」として処理する中小企業が多くありました。
しかし新基準では、原則として「すべてのリース取引」を資産と負債として貸借対照表に計上することが求められます。
つまり、今後はリースも“モノを借りる契約”ではなく“資産を利用するための金融取引”として扱われるのです。
その一方で、実務負担を軽減するために「短期リース」と「少額リース」という例外が設けられました。
これらは、従来どおりシンプルな費用処理(リース料として毎月計上)ができる仕組みです。
ここで問題となるのが「消費税の仕入税額控除」をどのように行うか、という点です。
資産計上するリースは「契約開始時に全額控除」するのが原則ですが、費用処理するリースは「支払の都度控除」する方法が採られます。
したがって、短期リースや少額リースに該当するかどうかで、税務処理が大きく変わるのです。
★注意
この違いを理解せずに、すべてのリースを同じように処理してしまうと、税務調査で否認される可能性があります。
特に大企業では、会計監査人の指摘や税務署の見解により、仕入税額控除の時期を修正しなければならない事例も出ています。
本コラムでは、
① 新リース会計基準の基本構造
② 短期・少額リースの会計処理と税務処理
③ 消費税の分割控除が認められる条件
④ 実際の仕訳例と注意点
⑤ 中小企業・大企業での取扱いの違い
を順に整理し、最後にFAQと条文解説を加えます。
静岡・浜松の中小企業の皆さまにも、経理実務の現場で混乱しないよう、わかりやすく丁寧に解説します。
このテーマは、会計・税務・経営判断が交錯する“実務の要点”です。ぜひ最後までご覧ください。

【№2 結論】

★重要
短期リース(期間12か月以内)と少額リース(おおむね300万円以下)は、
新リース会計基準の下でも「使用権資産・リース負債を計上しない特例」として扱われます。
したがって、これらの取引では、
会計上:リース料を支払の都度、費用として計上
消費税上:支払の都度、仕入税額控除を分割で適用
することが可能です。
★ポイント整理
1. 原則:すべてのリースは資産計上・一括控除
2. 例外:短期・少額リースは費用処理・分割控除
3. 中小企業は従来どおり賃貸借処理でも可
4. 大企業でも、上記2種の簡便リースは同様に扱える
5. 税務上の根拠は「消基通11-3-2(賃貸借処理の分割控除)」
たとえば、資本金10億円の上場会社であっても、
コピー機を6か月リースし、月額5万円の支払を行っている場合、
これは「短期リース」に該当します。
このとき、リース料を支払うたびに、その分の仕入税額控除を行えます。
★一方で、注意すべき取引
契約期間が13か月以上
契約書上に購入オプションが明記されている
リース資産が高額(例:1,000万円の設備)
こうした場合は「短期・少額リース」とは認められず、資産計上・一括控除が原則となります。
誤って分割控除してしまうと、後から課税期間をまたいだ修正申告が必要になるケースもあります。
★実務の意義
短期・少額リースの分割控除は、資金繰りと会計効率の両面で有利です。
特に多店舗展開する介護・医療・飲食・小売業などでは、
少額リース契約が多数発生するため、
月次での費用化・控除処理が自然であり、キャッシュフロー管理もしやすくなります。
つまり、
「大きなリースは一括控除、小さなリースは分割控除」
という二層構造を正確に運用することが、実務上の最適解です。
このあと続く【№3 やさしい解説】では、
なぜこのような区分が生まれたのか、
旧基準との違いを踏まえて、図解的に整理していきます。

【№3 やさしい解説】

新リース会計基準の導入により、会計と税務の間に新たな「ズレ」が生まれました。
リース取引の会計処理を変更することにより、消費税の控除時期も見直す必要があるからです。
では、なぜ短期リースと少額リースだけが「例外」として残されたのでしょうか。
その理由は、次の3つにあります。
① 実務の簡便化
 毎月の少額リースをすべて資産計上するのは、経理担当者の大きな負担になります。
 また、耐用年数を設定して減価償却を行う手間もかかります。
② 費用認識の妥当性
 短期・少額リースは「使用期間が短い」「資産価値が小さい」ため、実質的に賃貸借と同じ性質です。
 そのため、支払ごとに費用処理することが経済実態に合致しています。
③ 消費税の公平性
 長期・高額リースは一括控除でも公平性が保たれますが、短期リースを一括控除すると、
 課税期間をまたぐ場合に不整合が生じます。
 そこで、支払時点で分割控除を認める仕組みとなりました。
これにより、企業の会計処理と消費税処理ができるだけ整合するように設計されています。

【№4 具体例】

ここでは、実務でよくある10のケースを紹介します。
① コピー機の6か月リース(契約額30万円)
 → 短期リースに該当。リース料支払ごとに分割控除可能。
② ノートパソコン3台を1年契約でリース(合計90万円)
 → 短期リース。費用処理・分割控除が妥当。
③ 業務用冷蔵庫を36か月契約でリース(総額200万円)
 → 長期リース。資産計上し、一括控除が原則。
④ 3Dプリンターを10か月リース(総額250万円)
 → 少額リースの範囲内なら分割控除可能。
⑤ 車両リース(5年契約、1台500万円)
 → ファイナンス・リース。資産計上・一括控除。
⑥ 短期イベント用の音響機器レンタル(1週間)
 → 短期リース。支払時に都度控除。
⑦ 医療機関で使用する検査機器(9か月契約、リース料200万円)
 → 短期リース扱い。支払ごと分割控除。
⑧ 工場の試験設備(1年契約、350万円)
 → 少額リース基準を超えるため、資産計上対象。
⑨ 店舗の照明設備を半年リース(総額60万円)
 → 短期リース。分割控除可。
⑩ パソコン周辺機器をサブスクリプション契約(月2万円)
 → 実質リースとみなせば、支払月ごとに分割控除。
★静岡・浜松の中小企業の例
静岡市の製造業A社が、設備試験用のセンサーを10か月リース(合計150万円)した場合、
リース期間が12か月以内のため、短期リースに該当します。
この場合、毎月の支払時にその月分の消費税控除を行うのが正しい処理です。

【№5 手順】

短期・少額リースを正しく処理するための社内手順は次のとおりです。
① 契約内容を確認
 リース期間、金額、購入オプションの有無をチェックします。
② 区分判定
 ・期間12か月以内 → 短期リース
 ・金額おおむね300万円以下 → 少額リース
 ・それ以外 → 通常リース
③ 会計処理を決定
 短期・少額リースの場合は、貸借対照表に計上せず、リース料を費用処理します。
④ 消費税の処理
 支払時に課税仕入として計上し、月次で分割控除します。
⑤ 契約書・請求書の保管
 税務調査時の証拠として、契約書、リース明細書、支払証憑を保存しておきます。
⑥ 年度末チェック
 翌期にまたがる支払分があれば、未払計上・経過勘定の整理を行います。

【№6 FAQ(よくある質問)】

Q1:短期リースの「12か月」は、契約更新を含みますか?
A:原則として契約上の初回期間のみを基準とします。自動更新は含めません。
Q2:リース料に保守費用が含まれる場合は?
A:保守部分を明確に分けられれば、リース料部分のみを控除対象とします。
Q3:少額リースの「300万円」は税込ですか?
A:会計上は税抜金額で判断するのが一般的です。
Q4:途中解約した場合の扱いは?
A:実際の利用期間が12か月未満であっても、契約当初の期間で判断します。
Q5:リース期間が1年を1日でも超える場合は?
A:短期リースの要件を満たさず、一括控除が原則です。
Q6:中小企業でも新リース会計基準を適用しなければならない?
A:中小企業は任意適用ですが、適用する場合は新基準の区分に従います。
Q7:リース会社が変更された場合、控除の扱いは?
A:契約単位で判定し、旧契約分は旧会社への支払ごとに控除します。
Q8:静岡市の企業で、IT機器を月払いレンタルしている場合も該当しますか?
A:契約内容が「リース」であり、期間12か月以内なら短期リース扱いです。
Q9:リース料を前払いした場合の控除時期は?
A:前払金計上時ではなく、原則として支払日に属する課税期間で控除します。
Q10:リース料が為替建ての場合は?
A:支払時の為替レートで換算し、その都度分割控除します。

【№7 まとめ】

ここまで、新リース会計基準における短期・少額リースの取扱いを整理してきました。
要点を振り返ると、次のとおりです。
① 原則
 すべてのリース取引は「使用権資産」として貸借対照表に計上し、リース負債を認識します。
 消費税は、契約開始時にリース料総額を一括控除します。
② 例外(短期・少額リース)
 ・短期リース:リース期間12か月以内、購入オプションなし
 ・少額リース:重要性が乏しく、おおむね300万円以下
 これらは資産計上不要で、定額法による費用処理が可能です。
③ 消費税の控除
 短期・少額リースでは、リース料の支払時点ごとに課税仕入として控除できます。
 つまり「分割控除」が認められます。
④ 実務対応
 - 契約期間と金額を必ず確認
 - 会計処理と消費税処理を一致させる
 - 契約書・請求書を保存しておく
 - 税務調査時には、短期・少額リースの条件を明示できるようにしておく
⑤ 注意点
 ・契約期間が13か月以上、または高額なリースは短期・少額リースに該当しません。
 ・前払リース料の控除時期を誤ると修正申告が必要になります。
 ・実質的にファイナンス・リースに近い場合は、一括控除が原則です。
このように、短期・少額リースの分割控除は、実務上きわめて有効な選択肢です。
静岡や浜松の企業で多い、IT機器・コピー機・備品などの月次リースはこの対象に入りやすく、
正しく運用すれば、資金繰りや経理の効率化につながります。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3867号(2025年9月15日)「新リース対応の大企業に係る短期リース等の分割控除の可否」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「No.6205 仕入税額控除の時期」(参照日:2025-11-10)
参考:e-Gov法令検索「消費税法 第30条(仕入税額控除)」および「消費税法施行令 第49条」(参照日:2025-11-10)

【№9 該当条文の説明】

(1)消費税法第30条(仕入税額控除)
 課税事業者が課税仕入を行った場合には、その課税期間において支払った消費税額を控除できると定めています。
 リース取引も「課税仕入」に該当し、支払時点の消費税が控除の対象になります。
(2)消費税法施行令第49条
 課税仕入に係る消費税額の控除時期は「課税仕入れをした日の属する課税期間」とされます。
 リース取引の場合、資産の引渡し時点が一括控除の基準ですが、会計処理が賃貸借に準ずる場合は支払時点の控除も認められます。
(3)消費税基本通達11-3-2
 リース取引のうち賃貸借処理をしているものは、支払ごとに課税仕入を行ったものとみなし、分割控除を認めると定めています。
 新リース会計基準においても、短期・少額リースの定額法処理が賃貸借処理と同等であるため、この通達の考え方が適用可能です。
(4)新リース会計基準 適用指針第20項・第22項
 短期リースおよび少額リースについては、使用権資産およびリース負債を計上せず、リース料を定額法により費用処理できる旨が定められています。
 これが、消費税上の分割控除を認める根拠の一つとなっています。
★補足
 旧リース会計基準の下では、「オペレーティング・リース取引に準じた賃貸借処理」が可能とされていました。
 新基準では処理方法の名称は変わりましたが、実質的な取扱いはほぼ同一であるため、税務通達の趣旨が維持されています。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、
静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。
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