中小企業庁の親族内承継検討会が示した今後の事業承継税制の方向性

2025年11月24日

【№1 はじめに】

こんにちは!
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本日は、「中小企業庁の親族内承継検討会が示した今後の事業承継税制の方向性」についてお伝えします。
今回の中企庁の中間まとめ案は、いま多くの中小企業が使い始めた事業承継税制を「もっと現場で使いやすくするにはどうするか」を示したものです。適用件数は1,600~5,000件まで伸びましたが、まだ「猶予期間が長くて不安」「雇用要件が実態と合わない」「書類が多い」という声が残っています。そこで、納税猶予一辺倒ではなく評価減制度の可能性を探ること、雇用要件に賃上げ・成長の要素を入れること、海外子会社株式も対象にすること、報告手続きを軽くすることなどが論点として挙がりました。
静岡・浜松のように親族内承継が多く、人手不足の影響も受けやすい地域にとって、この方向性はプラスに働きます。今すぐ制度が変わるわけではありませんが、令和9年末の特例期限が見えているため、ここ数年で制度が実務寄りに整理されると考えておくとよいでしょう。

【№2 結論】

今回の中間案から読み取れる結論は次の5点です。
1 現行の納税猶予制度は一定の成果があるが、将来の不確実性がネックになっている
2 そのため、あとから取り消されにくい「評価減制度」を選択肢として検討する方向が示された
3 雇用確保要件は、単純な人数維持だけでなく「賃上げ」「成長に向けた投資」なども評価できるように見直す方向
4 猶予対象株式をより現実的な水準に広げることや、海外子会社株式を対象にする案もテーブルに載った
5 都道府県・税務署への報告手続きを簡素化することで、現場の事務負担を減らすことも検討される
★重要
これは「こう決まりました」ではなく「この方向で具体化していきます」という途中段階です。ですから、すでに後継者が決まっていて雇用も維持できる会社は現行制度で先に動いてもよく、雇用や海外子会社がネックになっている会社は「改正を待つと有利になるかも」という見方ができます。静岡・浜松の製造・建設・介護など、雇用が読みにくい事業ではこの見直しは注目ポイントです。

【№3 やさしい解説】

なぜこのような見直しが出てきたのかを整理します。
まず、事業承継税制は平成30年度改正の特例で一気に使われるようになりましたが、「納税を永く猶予してもらう」という形はどうしても将来の制度変更や要件未達成のリスクを感じやすい仕組みです。景気や人手不足で雇用を維持できないと、猶予が取り消されるのではないかと経営者は心配します。
そこで検討会は、そもそも税額評価を下げる「評価減制度」を検討すれば、先の不安を小さくできると考えました。また、現在の雇用要件は「人数」が中心ですが、実務では人を確保するより給与を上げる・生産性を上げるほうが現実的なことが増えています。そこで「雇用維持+賃上げ・成長の取組」という、より今の経営に合った要件に寄せる方向が示されています。
さらに、現行制度では海外子会社が対象外になりやすく、グローバルに事業を展開している中小企業と相性が悪い面がありました。中企庁は「地域経済にインパクトのある企業の承継を進めたい」という趣旨から、海外子会社株式の取扱いも検討すべきとしています。
最後に、現在の制度は「使えるが書類が多い」という声が非常に多いため、報告回数や添付書類の見直しをして、実務での利用をさらに後押しする狙いがあります。

【№4 具体例】

以下は静岡・浜松の企業で想定しやすいパターンを、今回の方向性に当てはめた例です。
1 静岡市の製造業で株式が親族に分散
現行特例でも使えるが、一部が対象外。猶予対象株式の水準が上がれば、よりまとめて承継できる。
2 浜松市の介護事業で人が採れない
人数要件だけだと使いづらいが、賃上げや人材投資が評価されるようになれば適用しやすくなる。
3 海外子会社を持つ静岡の部品メーカー
今は海外分が外れてしまう。対象拡大が実現すればグループ一体で承継しやすい。
4 すでに特例承認済みで毎年の報告が負担
報告手続きが簡素化されれば、今後の事務コストが下がる。
5 浜松市の建設業で後継者は決まっているがタイミングに迷う
現行で承継してもいいが、評価減が具体化すればそちらのほうが安心な可能性がある
6 静岡の専門商社で賃上げは進めたい
人手不足で頭数が揃わない。賃上げ評価が入ると要件クリアが現実的になる。
7 浜松の家族経営運送会社で株が細かく分かれている
対象株式が適正水準に引き上げられれば、細分化した株も巻き込みやすい。
8 観光・サービスで季節雇用が多い
季節変動を考慮した要件になると、制度に乗せやすくなる。
9 静岡市の老舗飲食で「後で取り消されるのが怖い」
評価減制度ができれば決断しやすくなる。
10 浜松市の機械加工で金融機関から承継を急かされている
今回の方向性を踏まえ、現行で走るか改正を待つかの説明がしやすくなる。

【№5 手順】

ここからは、静岡・浜松の中小企業が「この中間案がある前提で、今から何をしておくといいか」を手順で示します。

1 現在の自社の承継計画を棚卸しする
後継者は決まっているか
承継時期はだいたい何年後か
株式は誰が何株持っているか
海外子会社や関連会社はあるか
これを一覧にしておくことで、制度変更のニュースを見たときに「自社に関係ある・ない」がすぐわかります。
2 現行の事業承継税制の適用可能性を一度見てもらう
顧問税理士に、現行特例ならどうなるかを試算してもらいます。現行で十分なら待つ理由はあまりありません。現行でひっかかるなら、中間案のどこを待つと改善するかを確認します。
3 雇用の実態を数字で把握する
今後は人数だけでなく賃上げや成長投資も評価する方向ですが、基本は「今どうなっているか」を見える化しておくことです。正社員・パート・季節雇用・外国人技能実習生などに分けて整理すると、要件への当てはめがしやすくなります。
4 海外子会社・関連会社の整理
海外子会社株式を対象にするかどうかは今後の検討事項ですが、いずれにせよ「どの国に、どの割合で出資しているか」はすぐに出せるようにしておきましょう。日本の親会社の株価にも影響する情報なので、事業承継だけの話ではありません。
5 報告・申請の書類フローを社内で共有
すでに特例承認をとっている会社は、提出書類のテンプレート・控え・提出先・提出期限を社内共有しておきます。簡素化されれば楽になりますが、今のうちは「誰が見てもわかるように」残しておくのが安全です。
6 静岡・浜松での相談窓口を決めておく
地域の商工会議所・金融機関・顧問税理士・専門の事業承継窓口など、相談先をあらかじめ一つ決めておきます。制度が形になってから動くのではなく、「出たらすぐ相談できる」状態にしておくと機を逃しません。
7 年に1回は最新情報を確認
今回のように「検討会での中間案」が出た段階と、実際に税制改正大綱に載る段階と、法律が施行される段階では内容が変わることがあります。年末(税制改正大綱の時期)と、翌年の通常国会の時期の2回は、必ず最新情報を確認するようにしましょう。

【№6 FAQ】

Q1 まだ中間案の段階ですが、今すぐ何か申請したほうがいいですか?
A 今すぐ必ず申請しなければならないわけではありません。現行制度で適用できるなら進めてもよいですし、今回の見直しを待ったほうが有利になりそうなら待つ選択もあります。顧問税理士に「現行でやった場合」と「見直しを待った場合」の2パターンを見てもらうと判断しやすいです。

Q2 猶予ではなく評価減になると、本当に楽になりますか?
A 一般に、評価減方式は「あとから取り消される」リスクが小さく、見通しが立てやすいと言われます。ただし、評価減の割合や対象となる株式の条件がどうなるかでメリットの大きさは変わります。詳細は今後の制度設計次第です。

Q3 雇用確保要件に賃上げが入ると、給与を上げなければならないのですか?
A 方向性として「賃上げ等の取組を評価する」とされていますが、どの程度・どの指標で見るかは今後の検討です。現在の「頭数だけの要件」より、現実に合った要件になることが期待されています。

Q4 静岡市の製造業で海外子会社を持っています。今回の案は関係ありますか?
A はい、あります。海外子会社株式も対象とすることを検討するとされていますので、海外展開している企業にはプラスに働く可能性があります。今から子会社の構成を整理しておきましょう。

Q5 浜松市の介護・福祉事業で人が集まりません。雇用要件が緩くなりますか?
A 人手不足が深刻な地域・業種があることを踏まえた見直しが検討されています。介護・福祉・医療・運送のような業種は、今回の方向性と相性がよいです。

Q6 報告手続きの簡素化とは何を指しますか?
A 現行では、都道府県や税務署に対する定期的な報告や添付書類が必要です。これを見直して回数を減らしたり、提出内容を簡単にしたりする方向が示されています。正式にどうなるかは今後の具体化次第です。

Q7 贈与と相続のどちらで承継するか迷っています。今回ので結論は出ますか?
A 今回の中間案では「贈与を主眼に置きながら、相続の割合も適切に検討する」としており、どちらか一方に大きく偏らない制度を目指す方向が示されています。実際の税率や猶予割合がどうなるかで最適解は変わるので、両方の試算を持っておくのが安全です。

Q8 すでに特例承認を受けている会社にもメリットはありますか?
A 報告手続きの簡素化が実現すれば、既存利用者にもメリットがあります。雇用要件の見直しがなされれば、今後の維持が楽になる可能性もあります。

Q9 静岡・浜松の企業で、親族以外への承継(従業員承継やM&A)にも影響しますか?
A 今回の検討会は親族内承継に焦点を当てていますが、親族内がやりやすくなると、相対的に他の承継方法との差がはっきりしてきます。親族内が本丸の企業は今回の議論を中心に見ておくとよいでしょう。

Q10 制度が変わったら自動的に適用されますか?
A いいえ。事業承継税制は「手を挙げた人」が使える制度です。新しい制度ができても、申請や確認、届出といった最低限の事務は必要です。顧問税理士や専門家との連携が大切です。

Q11 制度がもっと厳しくなる可能性はありますか?
A 今回の中間案を見る限り、「使いにくくする」というより「目的に沿うように調整する」という方向です。ただし、不正利用防止や公私混同の防止といった視点は強調されていますので、経営の透明性は今まで以上に求められると考えておきましょう。

Q12 今回の話を社内で説明するときのポイントは?
A 「今すぐ何かが変わるわけではないが、より使いやすい方向で議論が進んでいる」「雇用の考え方が実態に近づきそう」「報告が軽くなるかも」という3点を伝えると、現場にもイメージが伝わりやすいです。

【№7 まとめ】

事業承継税制は使われるようになったが、長期の猶予に対する不安・雇用要件とのミスマッチ・事務負担といった課題が残っていた。
中企庁の親族内承継検討会は、これを解消するために、評価減制度の可能性、雇用要件への賃上げ・成長要素の導入、猶予対象株式数の見直し、海外子会社株式の対象化、報告手続きの簡素化などを検討する方向を示した。
令和7年9月以降にさらに実態把握と具体案の作り込みが行われるため、令和9年12月末の特例期限までに、より使いやすい制度になる可能性がある。
静岡・浜松の中小企業は、現行制度で進めるか、見直しを待つかを今のうちに試算し、承継時期の戦略を立てておくとよい。
いずれの場合も、株式の持分整理・雇用の実態把握・海外子会社の状況整理・書類フローの共有といった“準備できるところ”を先にやっておくことが、後の手間を大きく減らす。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3867号(2025年9月15日)「中企庁 親族内承継検討会が今後の事業承継税制等で中間まとめ案を提示」税務研究会
参考:国税庁タックスアンサー「事業承継税制に関する各種手続」(参照日:2025-11-10)
参考:e-Gov法令検索「租税特別措置法 第70条の7の5(法人版事業承継税制関係)」(参照日:2025-11-10)

【№9 該当条文の説明】

ここでは、現行制度の基礎となる条文構造を、今回の検討内容とからめて説明します。

1 租税特別措置法(法人版事業承継税制関係)
現行の法人版事業承継税制は、租税特別措置法に根拠があります。一定の非上場株式を後継者が贈与または相続で取得した場合に、贈与税・相続税の納税を猶予する仕組みです。特例措置では、猶予対象株式数の拡大や猶予割合の100%化がされました。今回の「猶予対象株式数を適正な水準に引き上げる」という議論は、この根拠規定のパラメータをさらに現実に合わせる発想といえます。
2 雇用確保要件関係の規定
現行制度では、一定期間にわたって雇用を維持することが猶予継続の条件とされています。検討会が「地域の人手不足や賃上げを評価する観点から見直す」としたのは、この雇用要件に“別の達成指標”を足す、もしくは代替指標を認めるという方向の示唆です。最終的には政省令レベルで具体化されると考えられます。
3 報告手続きの規定
猶予を受ける場合、都道府県や税務署に対して継続届出書などの報告が必要です。これが「手続きが煩雑」と言われる原因です。今回の中間案で「報告手続きの簡素化を検討すべき」とされたのは、この部分を簡略にして、利用者の負担を減らす狙いがあります。
4 海外子会社株式の取扱い
現行では、国内の中小企業の非上場株式を主な対象としています。海外子会社株式を含めるには、対象資産の定義や評価方法を追加で定める必要があります。検討会は「経済的インパクトが比較的大きい企業の承継を進める観点から」これも検討すべきとしています。関連会社が多い静岡・浜松の製造業にはここがポイントになります。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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