役務提供契約における国内取引と国外取引の判定(消費税の内外判定)
2025年11月26日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「役務提供契約における国内取引と国外取引の判定(消費税の内外判定)」についてお伝えさせていただきます!
【№2 結論】
企業が海外子会社を利用してサービス(役務)を提供する場合でも、
「契約の当事者」「役務提供の拠点(事務所)」「成果物の提供先」がどこにあるかによって、
消費税の課税対象(国内取引か国外取引か)は大きく変わります。
★重要
役務の提供場所が明らかでない場合は、「役務を提供する者の事務所等(本社等)の所在地」で判定します。
つまり、日本法人が国内に本社を持ち、その日本法人が海外子会社を通じて外国企業にサービスを提供する場合、
日本法人の所在地が国内であれば「国内取引」となり、原則として消費税の課税対象になります。
一方、海外子会社が直接契約を結び、独立して役務を提供する場合は、その所在地が国外であるため「国外取引」として課税対象外になります。
【№3 やさしい解説】
1 「役務の提供」とは何か?
「役務の提供」とは、サービスの提供や作業の実施など、物を引き渡すのではなく「労務や知識」を提供する取引を指します。
例えば、コンサルティング、経理代行、ソフト開発、翻訳、デザイン制作などが該当します。
2 「内外判定」とは?
消費税は「国内取引」にのみ課税されます。したがって、サービスの提供が国内で行われたのか、それとも国外なのかを判断する必要があります。
これが「内外判定」です。
3 判断の基本ルール
消費税法第4条第3項第2号および施行令第6条第2項第6号により、
役務の提供場所が明確に判断できない場合には、
「役務を提供する者の事務所等(本社など)の所在地」で判断します。
4 今回の事例のポイント
質問事例では、日本法人Aが外国法人Bに対して、海外(インド)の子会社を通じて給与計算などを行っています。
この場合、役務提供の中心はインドですが、日本法人Aが契約の当事者であり、かつフォローアップ業務などが国内で行われているため、日本法人Aの本店所在地(国内)を基準にすると「国内取引」となります。
5 逆パターン(海外子会社が契約)
一方で、インド子会社が直接外国法人Bと契約して業務を行う場合、役務提供者がインドにあるため、「国外取引」として扱われます。この場合、日本の消費税は課税されません。
6 実務上の注意点
契約書の名義が誰になっているか(親会社か子会社か)
契約金の請求書を誰が発行しているか
業務指示・納品・成果確認をどこで行っているか
これらの要素を総合的に確認することが重要です。
7 典型的な誤解
「実際の作業が海外なら国外取引だろう」と判断するケースがありますが、契約主体が日本法人の場合は、課税の対象となる可能性が高いです。
8 税務調査で指摘されやすい点
「誰が役務を提供したか」が契約書で不明確な場合
日本法人と海外子会社の関係(委託関係)が整理されていない場合
成果物の納品経路が不明確な場合
これらは、税務調査で国内取引とみなされるリスクを高めます。
9 まとめると
・契約主体が日本法人 → 原則「国内取引」
・契約主体が海外子会社 → 原則「国外取引」
・役務の提供場所が明確でない場合 → 提供者の事務所所在地で判断
静岡や浜松で海外展開を進める中小企業さまでも、海外子会社経由のサービス提供が増えています。この「内外判定」を正しく理解しておくことで、不要な課税リスクを防ぐことができます。
【№4 具体例】
以下に、役務提供契約の内外判定に関する典型的な10の事例を紹介します。実際の取引での判断の参考になります。
1 例1:日本法人が外国企業へコンサルティングを提供
日本法人Aが米国法人Bに経営コンサルティングを提供。
業務は日本国内で実施し、報告書をオンラインで納品。
→ 役務の提供場所は日本国内。国内取引として課税対象。
2 例2:日本法人が海外子会社に作業を再委託
日本法人Aが外国企業Bと契約し、作業をベトナム子会社に委託。
契約主体は日本法人Aのため、役務の提供場所が不明確でもAの本社所在地(日本)に基づき国内取引。
3 例3:海外子会社が直接契約
ベトナム子会社A’が外国企業Bと直接契約し、成果物を納品。
→ 役務提供者が国外にあるため国外取引。消費税非課税。
4 例4:海外取引の請求書を日本法人が発行
契約は海外子会社だが、請求書を日本法人が発行している場合。
→ 実質的に日本法人が提供主体とみなされ、国内取引と判断される可能性がある。
5 例5:国内企業に対し海外でサービスを提供
静岡市の企業Cがタイで開催される展示会の運営をタイ法人に委託。
→ 提供場所が明確(タイ)。国外取引で消費税の課税対象外。
6 例6:オンラインサービス(クラウド経理)
浜松市の企業Dが海外企業Eにクラウド経理システムを提供。
役務提供場所が不明確なため、Dの所在地(浜松市)で判定し国内取引。
7 例7:日本法人が外国法人の日本支店へ提供
米国法人Bの日本支店に給与計算サービスを提供。
→ 提供場所は日本支店(国内)。国内取引として課税。
8 例8:外国法人が日本法人に翻訳を依頼
フランス法人が日本法人に翻訳を依頼し、日本国内で翻訳作業。
→ 国内で役務提供が行われているため国内取引。
9 例9:オンライン広告運用代行
静岡の企業Fが海外の広告代理店を通じて配信。
日本法人Fが代理店に依頼し、成果物を国外に提供する場合、提供場所が不明確であっても所在地基準で国内取引。
10 例10:海外子会社が日本法人から委託を受ける
インド子会社が日本法人の指示で海外プロジェクトを担当。
契約主体が日本法人であれば国内取引。子会社が独立契約なら国外取引。
★重要
「誰が契約し」「誰が請求し」「どこで成果を引き渡すか」を一貫して整理することが、実務判断の要です。
【№5 手順】
役務提供契約における内外判定の実務手順を以下に示します。
1 契約内容の確認
契約書の名義(日本法人か海外子会社か)
提供サービスの内容(コンサル・経理・ITなど)
成果物の納品先(日本国内か海外か)
2 役務提供の実態を確認
実際に作業を行った場所(国内・国外)
フォローアップや顧客対応をどこで行ったか
システムやデータサーバーの所在地
3 請求・入金の経路を確認
請求書の発行主体
入金口座の所在国
請求金額の消費税区分(課税・非課税・対象外)
4 提供場所が不明確な場合の判断
消費税法施行令第6条第2項第6号に従い、
「役務提供者の事務所所在地」で判定。
→ 日本法人であれば原則として国内取引。
5 書類保存のポイント
契約書(締結日・当事者・金額)
業務報告書・納品書・請求書
メール・オンライン納品履歴
海外送金記録(SWIFT明細など)
6 仕訳と税区分の設定
会計ソフト(例:マネーフォワード、freeeなど)での登録時は、
国内取引:「課税売上」
国外取引:「対象外売上」または「輸出免税」に設定。
7 税務調査対応の備え
取引スキーム図を作成して説明できるようにする。
契約書の翻訳・英語版を整備。
海外子会社との再委託契約を明確化。
【№6 FAQ】
Q:海外で実際に作業していれば、国外取引になりますか?
A:いいえ。契約主体が日本法人の場合、所在地基準で国内取引となります。
Q:インド子会社が請求書を発行すれば国外取引ですか?
A:契約の名義もインド子会社であれば国外取引。日本法人名義なら国内取引。
Q:顧客が海外企業の場合でも消費税を請求すべきですか?
A:日本法人名義で提供していれば課税対象。請求書に消費税区分を明記します。
Q:オンライン経由のサービス提供はどこで判断しますか?
A:役務提供場所が不明確なため、提供者(あなたの会社)の所在地で判断。
Q:海外支店が行う業務はどう扱いますか?
A:支店は法人の一部です。日本本社の所在地基準で国内取引になります。
Q:日本法人が外国企業の海外支店に提供した場合は?
A:提供先が国外支店であり、かつ役務提供も国外なら国外取引。
Q:静岡の中小企業が海外企業向けにクラウド支援をした場合?
A:役務提供者が静岡所在であれば国内取引。所在地基準で判断されます。
Q:浜松市の企業が海外展示会で設営代行をした場合?
A:提供場所が明確に国外(展示会場)であれば国外取引です。
Q:税務調査ではどこを見られますか?
A:契約書の名義、請求書の発行主体、業務実態の説明資料。
「誰が役務を提供したか」を説明できるかが焦点です。
Q:国外取引にしたい場合の注意点は?
A:海外子会社名義で契約し、請求・入金も海外経路にする必要があります。
契約・実態・会計処理の整合が取れていないと否認されるリスクがあります。
【№7 まとめ】
役務の提供契約に関する消費税の内外判定は、グローバル化が進む現代の中小企業にとって避けて通れないテーマです。
静岡や浜松の企業でも、海外子会社を通じた業務委託や外国法人との取引が増えており、誤った判断をすると税務リスクが発生します。
ここまでのポイントを整理します。
① 役務提供の内外判定は「提供場所」で判断
② 提供場所が不明確な場合は「役務提供者の所在地」で判定
③ 契約主体・請求主体・入金経路が一貫しているかが重要
④ 日本法人が契約主体なら原則「国内取引」
⑤ 海外子会社が独立して契約すれば「国外取引」
⑥ 契約書・請求書・送金記録などの証拠書類を保存
⑦ 税務調査では「実態」と「契約内容」の整合性を重視
⑧ 内外判定を誤ると消費税の追徴や還付否認のリスク
⑨ グループ内取引では再委託関係を明確にしておく
⑩ IT・クラウド系業務ではオンライン提供の場所特定に注意
★重要
税務判断は「形式」より「実態」が優先されます。
たとえ請求書を海外子会社名義にしても、実質的な提供主体が日本法人であれば国内取引と判断される場合があります。
常に契約・実務・会計処理の一貫性を意識しましょう。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3867号(2025年9月15日)「消費税 役務の提供契約に係る内外判定」税理士 和氣 光
参考:国税庁タックスアンサー「No.6201 課税の対象となる取引」(参照日:2025-11-10)
参考:e-Gov法令検索「消費税法 第4条第3項第2号」(参照日:2025-11-10)
参考:e-Gov法令検索「消費税法施行令 第6条第2項第6号」(参照日:2025-11-10)
【№9 該当条文の説明】
消費税法第4条第3項第2号(課税の対象)
「国内において事業者が行う資産の譲渡等および課税仕入れに課税する」と規定しています。ここでいう「資産の譲渡等」には、物の販売だけでなく「役務の提供」も含まれます。つまり、サービス業も含めた幅広い取引が対象になります。
消費税法施行令第6条第2項第6号
「役務の提供の場所が明らかでない場合は、その役務を提供する者の事務所等の所在地をもってその場所とする」と定めています。
この条文が「内外判定」の実務判断の根拠となります。つまり、サービス提供場所が海外か国内かを判断できない場合は、提供者の所在地が決め手となります。
実務的背景と改正経緯
この規定は、国際的な取引が増加した2000年代以降、「サービスの提供場所がネット上で完結するケース」や「海外子会社経由の間接的取引」が増えたことを背景に整理されました。特に、クラウドサービスやシステム開発など、国境を越える役務提供が増加したことで、課税の公平性を保つために「提供者の所在地」を基準にするルールが重視されています。
注意点
「国外取引」と判定されると、消費税は課税されませんが、仕入税額控除との関係で誤った処理をすると損失につながることもあります。特に、輸出免税取引やリバースチャージ方式(国外事業者が日本に提供する場合)との混同に注意が必要です。
【おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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