特定親族特別控除の見積額誤りと会社側のペナルティ有無
2025年12月9日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市・浜松市から全国へ「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信する最高のIT税理士法人です。私たちは、最新ITを活用し中小企業の生産性向上を支援しています。
本日は、「特定親族特別控除の見積額誤りと会社側のペナルティ有無」について解説します。
令和7年度改正で新設されたこの控除は、大学生世代(19〜23歳)の子どもが一定の収入を得ていても、親が所得控除を受けられる制度です。ただし、控除は“子どもの所得見積り”を前提とするため、実務で不安が出やすい仕組みになっています。
静岡・浜松の企業からも、
「見積りと実際が違ったらどうなる?」
「会社に不納付加算税がかかるのか?」
といった質問が増えています。
そこで本稿では、
・制度の基本
・見積り誤差が起きたときの扱い
・会社の責任が問われるケース
・実務での備え方
を、年末調整の流れに沿って簡潔に整理します。
【№2 結論】
★重要
特定親族特別控除の「見積額の誤り」があっても、次の条件を満たす限り、会社側に原則ペナルティ(不納付加算税)はかかりません。
① 従業員本人が提出した「給与所得者の特定親族特別控除申告書」に基づいて年末調整をしている
② 会社は、その申告内容が明らかに不自然でない限り、通常の範囲でチェックをしている
③ 過大控除の原因が、従業員の見積り違い・認識違いであり、会社の故意・重過失ではない
この場合、国税通則法67条の「正当な理由」があるケースとして扱われ、
・源泉所得税が一時的に不足していても、不納付加算税の対象外
とされるのが、現行の事務運営指針の考え方です。
★注意
ただし、
・会社側の計算ミス、明らかな入力誤り
・従業員からの申告書を紛失した、保管義務を怠った
など、「源泉徴収義務者の責めに帰すべき事由」がある場合は、この限りではありません。
静岡市・浜松市の中小企業の皆さまは、
「申告書に基づき、通常の注意義務を果たして処理していれば、見積り違いだけで即ペナルティにはならない」
という大枠をまず押さえていただければ安心です。
【№3 やさしい解説】
【1】特定親族特別控除とは
特定親族特別控除は、次の条件を満たす「特定親族」がいる場合に使える所得控除です。
・生計を一にする
・19歳以上23歳未満
・合計所得金額58万円超123万円以下
(給与収入のみの場合は概ね123万円超188万円以下)
・控除対象扶養親族ではない
・配偶者や事業専従者ではない
この特定親族がいると、所得に応じて最大63万円の控除が受けられ、所得が上がるほど控除額は段階的に63万円から3万円へ減ります。
【2】見積額で判定する理由
年末調整時点では、特定親族(多くは大学生など)の年間所得が確定していないことが多くあります。
そのため制度上、
・従業員が特定親族の合計所得金額を見積もって申告
・その金額で
① 58万円超123万円以下か
② 控除額はいくらか
を判定する仕組みになっています。
つまり「見積り」で判断するのは制度上当然の運用です。
【3】見積りと実際がズレる場面
典型的には次のようなケースがあります。
・年末にアルバイト収入が増えた
・奨学金の一部が課税対象だと後から分かった
・特定親族本人が所得控除の理解を誤っていた
このため、年末調整時点の見積りと実際の所得に差が生じ、控除額が数万円単位でズレることがあります。
【4】不納付加算税と「正当な理由」
国税通則法67条では、源泉所得税の不足があると原則10%の不納付加算税が課されます。
ただし同条には
「法定納期限までに納付しなかったことに正当な理由がある場合」は対象外
と規定されています。
国税庁の事務運営指針では、
・扶養控除等申告書
・配偶者控除等申告書
・保険料控除申告書
などに基づいて控除した結果の不足で、会社に責めるべき事由がなければ「正当な理由」と扱うと示されています。
特定親族特別控除申告書も、この「等」に含まれると解されています。
【5】会社にペナルティが生じるケース
不納付加算税の可能性が出るのは、次のような場合です。
・申告書の内容を無視して控除した
・申告書を受け取らず控除した
・会社側の計算・入力ミスで控除額を誤った
・税務署指摘後も同じミスを修正しなかった
静岡・浜松の中小企業でも、提出された申告書
【№4 具体例】
ここでは、特定親族特別控除と不納付加算税の関係を、10のパターンで整理します。
① 2万円の控除過大だが会社にペナルティなし
・見積り:58万円超85万円以下(控除63万円)
・実際:85万円超90万円以下(控除61万円)
・結果:控除2万円過大、源泉所得税が不足
→ 子どもの収入変動に基づく誤差であり、申告書に沿って処理していれば会社の責任は通常問われません。
② 特定親族の所得が要件超過したケース
・見積りでは所得123万円以下
・実際はバイト収入増で125万円
→ 本来は特定親族に該当しないが、申告書の情報に基づき会社が処理した場合は、不納付加算税が問題となる可能性は低いです。
③ 会社の入力ミスによる控除過大
・申告書は「85万円超90万円以下」
・担当者が誤って「58万円超85万円以下」と入力
→ 会社側の過失となり得るため、不納付加算税リスクが発生します。
④ 申告書未提出のまま控除したケース
・口頭での申告のみで年末調整
→ 申告書がなく、根拠資料が不足するため「正当な理由」が認められにくくなります。
⑤ 本人の確定申告で税額を調整するケース
・会社で63万円控除したが実際は61万円
→ 本人が確定申告で精算するため、会社側に通常ペナルティはありません。
⑥ 給与計算ソフト利用で判定が自動のケース(静岡市)
・最新税制対応ソフトで控除額は自動判定
→ 見積りの誤差が生じても、通常の処理をしていれば会社の責任は問われにくいです。
⑦ 途中入社の学生アルバイトを扶養に入れたケース(浜松市)
・入社時点で前職収入の把握が不十分
→ 後から前職分の収入で特定親族要件を外れる場合も、会社は提出情報に基づいて処理しており、原則ペナルティは生じません。
⑧ ダブルワークの大学生を扶養するケース
・複数の勤務先からの源泉徴収票が年内に揃わない
→ 後日本人が確定申告で整合させればよく、会社は入手可能な情報に基づき処理したと説明できます。
⑨ 過大控除に気づいたが少額のケース
・不足税額が1,000〜2,000円程度
・会社で再年末調整は行わず、本人に確定申告を案内
→ 実務上よくある対応で、これだけで加算税が課されることは通常ありません。
⑩ 金額が大きい過大控除が判明したケース
・税額不足が数万円規模
・会社が自主的に納付し、必要に応じて更正や説明を実施
→ 是正の記録を残しておけば、後日の調査で誠実な対応と評価されやすいです。
【№5 実務での手順】
会社(源泉徴収義務者)が特定親族特別控除へ対応する際の基本的な流れを整理します。
① 制度の概要を社内で共有する
・対象は「19歳以上23歳未満の特定親族」を扶養する従業員
・控除額は所得に応じ最大63万円
・年末調整では必ず特定親族特別控除申告書を提出してもらう
まずは人事・総務・経理でルールを共通理解しておきます。
② 申告書の配布と記載依頼
・国税庁様式の特定親族特別控除申告書(基礎控除申告書との兼用)を配布
・「アルバイト収入はすべて合算」「源泉徴収票が揃わなければ見込みで記載」など、書き方の要点を案内します。
③ 会社側のチェック範囲を決める
★重要
会社に詳細な調査義務はありません。
ただし、次のような「明らかに不自然な例」は確認しましょう。
・説明内容と見積額が極端に合わない
・前年と比べて不自然に少ない
・記載漏れが多い
静岡・浜松の中小企業では、本人の申告を尊重しつつ、疑問点のみ確認する運用が現実的です。
④ 年末調整の計算と記録保存
・給与計算ソフト等で申告書の所得区分に応じて控除額を計算
・申告書の原本やデータを保存
・処理の根拠(誰が・いつ・どの情報で計算したか)を残しておくと後の説明が容易です。
⑤ 誤りが判明したときの対応
・まず原因を整理
(従業員の見積り誤差か、会社側の入力・計算ミスか)
・影響が大きい場合は
再年末調整、会社による不足税額の納付、従業員への確定申告案内
などを組み合わせて対応します。
⑥ 顧問税理士との連携
・どの誤差まで会社で再計算すべきか
・確定申告へ任せる範囲はどこまでか
など、判断基準を事前に税理士と共有しておくと安心です。
静岡の顧問税理士としても、開始初年度は誤りが増えると見込まれるため、ガイドライン作りが有効です。
【№6 FAQ】
Q1:見積り額が間違っていたら、会社にペナルティはありますか?
A:申告書に基づき通常どおり処理していれば、ほとんどの場合ペナルティはありません。
Q2:従業員の子どもの所得がギリギリで範囲外になった場合は?
A:従業員本人(または子ども)が確定申告で精算できます。会社側の責任にはなりません。
Q3:会社が入力ミスをした場合はどうなりますか?
A:会社側の事務ミスとなり、不納付加算税の対象になり得ます。再発防止策を残すと安心です。
Q4:申告書を提出していないのに控除した場合は?
A:根拠がなく、会社の責任が問われやすくなります。必ず書面提出を前提にしてください。
Q5:金額が少額の不足なら確認は簡略化できますか?
A:可能です。従業員へ「確定申告で精算」の案内で足りる場面も多いです。
Q6:途中入社の学生アルバイトの所得を読み違えていたら?
A:前職情報の不足は従業員側の問題です。申告内容が合理的なら会社は通常ペナルティ対象ではありません。
Q7:ダブルワークで所得の把握が難しい場合は?
A:後から源泉徴収票で精算できます。会社の判断は「入手可能な情報で処理」が基本です。
Q8:給与計算ソフトの自動判定を使っていれば安心ですか?
A:はい。最新の税制に対応したソフトで通常処理していれば、会社の過失とは評価されにくいです。
Q9:特定親族が自分で確定申告したら、会社の責任はどうなりますか?
A:本人申告で税額が正しくなるため、会社のペナルティは通常ありません。
Q10:静岡・浜松の企業では何を気をつければいいですか?
A:申告書の提出・最低限の確認・記録保存の3点を守るだけで大半のリスクは避けられます。
【№7 まとめ】
特定親族特別控除は、19歳以上23歳未満の子などが一定の所得を得ても、親が最大63万円の所得控除を受けられる新しい制度です。
年末調整では「給与所得者の特定親族特別控除申告書」に基づき、特定親族の合計所得金額を「見積り」で判定する仕組みになっています。
見積額と実際の所得がずれて控除額が過大になり、一時的に源泉所得税が不足することがありますが、従業員の申告書に基づいて通常の注意義務の範囲で処理していれば、会社側には「正当な理由」があると認められ、不納付加算税の対象外となるのが一般的な考え方です。
一方で、会社側の計算ミスや申告書の未回収・紛失など、源泉徴収義務者の責めに帰すべき事由がある場合には、ペナルティのリスクが生じます。
静岡市・浜松市の中小企業にとっては、
・申告書の確実な回収と保管
・明らかに不自然な記載への声かけ
・誤りが判明したときの是正フロー
を事前に整えておくことが、安心・安全な年末調整運営につながります。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3869号(2025年9月29日)「特定親族特別控除 見積額誤りでも会社側にペナルティなし」税務研究会ゼイケン+1
参考:国税庁タックスアンサー「No.1177 特定親族特別控除」(参照日:2025-11-20)税務署
参考:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」特定親族特別控除の創設部分(参照日:2025-11-20)税務署
参考:財務省「令和7年度税制改正の大綱」特定親族特別控除の控除額一覧(参照日:2025-11-20)財務省
参考:国税庁「源泉所得税の不納付加算税の取扱いについて(事務運営指針)」第1・1(2)(参照日:2025-11-20)税務署
参考:各種民間解説記事(特定親族特別控除の実務・年末調整での運用等)(参照日:2025-11-20)takanosogo.com+5やよい軒+5SmartHR Mag. – 働く明日が、もっとよくなる+5
【№9 該当条文の説明】
① 所得税法84条の2(特定親族特別控除)
特定親族特別控除の法的根拠となる条文です。
生計を一にする19歳以上23歳未満の特定親族を有する居住者が、その特定親族の合計所得金額に応じて、最大63万円の所得控除を受けられることを定めています。
② 国税通則法67条(不納付加算税)
源泉所得税などが法定納期限までに完納されなかった場合に課される不納付加算税の基本ルールを定めた条文です。
原則10%の加算税を課す一方で、「納付しなかったことについて正当な理由があると認められる場合」は加算税を課さないことも規定しています。
③ 「源泉所得税及び復興特別所得税の不納付加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
通則法67条に基づき、現場の運用として「どのような場合に正当な理由があると認めるか」を示した内部基準です。
扶養控除等申告書・配偶者控除等申告書・保険料控除申告書「等」に基づいて控除した結果、過大控除となった場合であっても、源泉徴収義務者の責めに帰すべき事由がなければ「正当な理由」があると取り扱う、と明記されています。特定親族特別控除申告書もこの「等」に含まれると解されています。
★注意
条文や通達は今後の改正・追加解釈により内容が変わる可能性があります。実際の年末調整や税務調査対応にあたっては、必ず最新のe-Gov法令検索や国税庁ホームページで一次情報を確認したうえで、顧問税理士と相談して判断してください。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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