グローバル・ミニマム課税(国際最低課税)に対応した法人税基本通達の改正と、外国子会社合算税制における為替換算時期の見直し

2025年12月13日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「グローバル・ミニマム課税(国際最低課税)に対応した法人税基本通達の改正と、外国子会社合算税制における為替換算時期の見直し」についてお伝えさせていただきます!
今回の改正は、
GM課税(国際最低課税)の具体的な計算ルール
CFC税制における「円換算のタイミング」
を整理し直したものです。海外子会社や海外拠点を持つグループでは、今後の申告実務に関係してきますので、概要だけでも把握しておきましょう。

【№2 結論】

まず結論を一言でまとめると、次の3点です。
① GM課税(国際最低課税)のために、法人税基本通達が改正され、
「調整後対象租税額」の計算方法
特定の税制を適用している場合の計算の簡便な考え方
が具体的に示されました。これにより、IIRの計算実務を日本の会計実務とつなげやすくなりました。

② 外国子会社合算税制(CFC税制)では、
課税対象金額などを円換算するタイミングが
「外国子会社の事業年度終了後2か月後」から「4か月後」に変わりました。
これに合わせて、控除対象外国法人税の円換算時期も4か月後にそろえられました。

③ 対象になるのは、主として
一定規模以上の多国籍企業グループ(GM課税)
外国子会社を持つ日本法人(CFC税制)
です。静岡市・浜松市の多くの中小企業では、当面は「直接の申告義務」は生じないことが多いですが、
海外子会社を持つ親会社の日本子会社
将来海外展開を考える企業
では、グループ全体の税務戦略の一部として意識しておく必要があります。

【№3 やさしい解説】

ここでは、「難しそうな国際税制の話を、ざっくりイメージできるように」だけ押さえていきます。
GM課税とは、世界中にグループ会社がある大企業について、「国ごとの実効税率が、最低水準(原則15%)より極端に低くならないようにする仕組み」です。ある国で税負担が低すぎるときは、親会社側で追加の税金(トップアップ税)を課す、という発想です。
今回とくにポイントになるのは、次の2つです。

① IIR(所得合算ルール)と通達改正
IIRは「グループ全体でみて税金が少なすぎる国があれば、親会社側で差額を合算課税する」ルールです。その計算に使う「調整後対象租税額」や「被配分繰延対象租税額」について、改正法基通で計算方法が具体的に示されました。税効果会計を使っている会社では、一定の場合に「法定実効税率」を用いて合理的に金額を出してよい、という柔らかい取扱いも示されています。

② CFC税制(外国子会社合算税制)と為替レートの見直し
一方、CFC税制は「税率の低い外国子会社の利益を、日本の親会社の所得に合算する」ルールです。令和7年度改正で、この合算タイミングが後ろにずれたことに合わせて、課税対象金額などを円に換算するタイミングも「事業年度終了後2か月後のレート」から「4か月後のレート」に変更されました。これにより、為替レートの動きが日本での課税所得に与える影響も、従来と少し変わってきます。
★重要
中小企業単体では直接GM課税の対象になるケースは多くありませんが、「海外子会社を持つグループの一員」「将来海外展開を検討している企業」にとっては、グループ全体の税務方針や情報提供のあり方に関わる改正です。静岡や浜松の企業でも、親会社や顧問税理士と連携して、影響の有無を早めに確認しておくと安心です。

【№4 具体例】

ここでは、できるだけシンプルに、イメージしやすい事例を10件挙げます。

① 静岡市の製造業A社(売上数千億規模)がアジア数カ国に子会社を持つケースです。GM課税の対象グループとなるため、改正通達に沿って国別の調整後対象租税額を計算し、実効税率をチェックします。

② 浜松市の自動車部品メーカーB社が、海外大手グループの日本子会社であるケースです。自社で国際最低課税額の計算は行いませんが、親会社から税効果会計の情報提供を求められ、改正通達を前提としたフォーマットで回答します。

③ 東京本社C社が静岡県内に工場を持ち、東南アジアに複数の販売子会社を展開しているケースです。各国子会社の税金情報を集約し、被配分繰延対象租税額を合理的な方法で計算するため、会計・税務・システム部門が連携します。

④ 海外に恒久的施設(PE)を持つD社のケースです。PEに対応する税金部分をどのように配分するかが問題となるため、改正法人税基本通達の考え方を使って、当期純損益に対応する法人税等調整額を切り出し、調整後対象租税額に反映します。

⑤ 国内中心の中堅企業E社が、今後海外子会社を設立することを検討しているケースです。現時点ではGM課税の対象外ですが、海外進出後のグループ規模によっては将来対象になる可能性があるため、今回の改正の方向性を早めに把握しておきます。

⑥ 静岡県内に本社を置く上場企業F社が、すでに欧米・アジアに多くの子会社を持っているケースです。GM課税対応プロジェクトの中で、改正通達に沿った「特定配分可能当期対象租税額」の計算ロジックを社内システムに組み込みます。

⑦ CFC税制の対象となる低税率国子会社を持つG社では、これまで事業年度終了後2か月後のレートで課税対象金額を円換算していました。改正により4か月後のレートを用いる必要があるため、為替レート取得のルールを変更し、マニュアルも更新します。

⑧ 決算期が3月末のH社が、12月決算の外国子会社からCFC対象所得を合算するケースです。円換算の基準日が2か月後から4か月後に変わることで、為替水準の違いにより日本での課税所得が増減する可能性があり、税負担への影響を事前に試算します。

⑨ 外国親会社グループの一員である日本子会社I社では、GM課税そのものは親会社で計算されます。しかし、日本側でも税効果会計の内訳や繰延税金の情報を整理し、親会社に提供する必要があるため、改正通達の内容を把握した上で決算資料のフォーマットを見直します。

⑩ 浜松市のIT企業J社は、現状海外拠点はありませんが、外資系企業との共同事業で海外に恒久的施設を設ける計画があります。将来GM課税やCFC税制の対象となる可能性を踏まえ、今のうちから国際課税に強い顧問税理士と連携し、グループ全体の税務戦略を検討します。

【№5 手順】

ここでは、実務担当者が最低限おさえておきたい「対応ステップ」をコンパクトに整理します。
① 対象かどうかを確認する
自社グループが国際最低課税の対象となる規模かどうか(大規模多国籍企業か)
外国子会社合算税制の対象となる外国子会社があるかどうか
をまず確認します。
② 関連する通達・法令の適用開始時期をチェック
IIR関係の改正法人税基本通達(法基通18-1-70の3、18-1-83など)の適用年度
CFC税制における円換算のタイミング変更(措通66の6-4、66の6-30)の適用年度
を整理し、「どの年度から新ルールか」を年表にしておきます。
③ データ収集・システムの見直し
税効果会計の情報(繰延税金の内訳など)
国別・子会社別の税金情報
為替レートの取得方法と基準日
を再確認し、国際最低課税・CFC税制用に必要な粒度でデータが取れるかを点検します。
④ 社内マニュアルとチェックリストの整備
「調整後対象租税額」の算定フロー
「特定配分可能当期対象租税額」の簡便計算を使うケース
CFC円換算の基準日とレートの取得方法
などを、社内マニュアル・チェックリストに落とし込みます。
⑤ 税理士・顧問先とのコミュニケーション
自社が顧問税理士に依頼している場合は、通達改正を踏まえた対応方針を確認する。
逆に、税理士側から顧問先企業へは、「GM課税・CFC税制の改正ポイント」と「貴社に関係しそうか」をわかりやすく説明し、必要に応じて情報提供を依頼します。

【№6 FAQ】

よくいただきそうな質問を、Q&A形式でまとめます。
Q1.GM課税はどのような会社に適用されますか?
A1.一般的には、一定以上の売上規模を持つ多国籍企業グループが対象です。中小企業単体には直接はかかりませんが、大企業グループの一員である場合などは関係してきます。

Q2.中小企業でも今回の通達改正を意識する必要はありますか?
A2.海外子会社や恒久的施設を持つ場合、将来グループ全体の規模が大きくなるとGM課税の対象になり得ます。そのため、海外展開を考えている中小企業は、概要だけでも押さえておくと安心です。

Q3.「調整後対象租税額」とは何ですか?
A3.国別の実効税率を計算する際の「税金の合計額」にあたるものです。当期対象租税額に、調整後法人税等調整額などを加減して求めるイメージで、その内容を今回の通達でより具体的に示しています。

Q4.税効果会計を導入していない会社にも影響しますか?
A4.GM課税の本格的な計算は税効果会計を前提とする部分が多いです。そのため、多くは上場企業や大企業グループを想定していますが、連結グループの一員である中堅企業は、親会社から情報提供を求められる可能性があります。

Q5.CFC税制の為替換算時期が変わると、何が問題になりますか?
A5.同じ外国子会社の所得でも、円換算する日が変わると日本円ベースの金額が変わる可能性があります。その結果、日本で合算される課税所得や控除対象外国法人税が増減し、税額に影響することがあります。

Q6.静岡や浜松の中小企業には、どのような関係がありますか?
A6.静岡市や浜松市の中小企業であっても、海外子会社を持つ場合や、大企業グループの一員の場合には、親会社のGM課税対応に協力する場面が出てきます。今のうちから国際課税の大枠を理解し、顧問税理士と連携しておくことが大切です。

Q7.改正通達はいつの事業年度から適用されますか?
A7.GM課税関係の通達は、原則として令和7年4月1日以後に開始する対象会計年度分から適用されます。CFC税制の円換算時期の見直しも、同様に令和7年度改正のスケジュールに沿って適用されます。実際の適用年度は自社の決算期により変わるため、個別に確認が必要です。

Q8.経理部として今すぐ何をすればよいですか?
A8.海外子会社や外国関係会社の一覧、各社の決算期、税金情報の入手方法を整理します。そのうえで、顧問税理士や親会社と相談し、どの事業年度からどの部分に影響が出るかを確認することが第一歩です。

Q9.システム対応は必要になりますか?
A9.グループ全体でGM課税の対象となる場合、国別・会社別の税金情報や為替レートを管理する仕組みが必要になることが多いです。最初はエクセルベースでも構いませんが、将来的には会計システムや連結システムとの連携も検討されます。

Q10.詳細な判定や計算は誰に相談すべきですか?
A10.国際課税に詳しい税理士や、公認会計士、またはグループ本社の税務部門に相談するのが一般的です。特にGM課税やCFC税制はルールが複雑なため、静岡・浜松エリアでも国際税務に強い顧問税理士と連携して対応することをおすすめします。

【№7 まとめ】

グローバル・ミニマム課税(GM課税)や外国子会社合算税制は、いずれも「海外の利益に最低限の税負担を求める」ための仕組みです。
一方で、計算方法や為替レートの決め方、繰延税金の扱いなど、かなり専門的な論点が多く含まれます。
今回の改正法人税基本通達では、
GM課税(IIR)の調整後対象租税額の計算方法
特定配分可能当期対象租税額のとらえ方
外国子会社合算税制における円換算時期の「4か月後ろ倒し」
といったポイントが整理されました。
★重要
海外子会社や海外拠点をお持ちの中小企業・中堅企業では、
連結ベースの税効果会計との整合
外国税額控除やCFC課税との重複・二重課税の有無
申告期限・資料収集のスケジュール管理
を早めにチェックしておくことが大切です。
静岡市・浜松市周辺の企業さまでも、製造業やIT企業を中心に海外展開が広がっています。
「うちは規模が小さいから関係ない」と決めつけず、
海外子会社の有無や売上規模、持株比率などを一度棚卸しし、
GM課税やCFC税制が将来かかり得るかを確認しておくと安心です。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3870号(2025年10月6日)
「国税庁 GM課税等対応の改正法人税基本通達を公表」税務通信
参考:国税庁タックスアンサー
「No.1240 居住者に係る外国税額控除」(参照日:2025-12-02)
参考:e-Gov法令検索
「法人税法」(国際課税・外国税額控除等に関する規定)(参照日:2025-12-02)
「租税特別措置法第66条の6(外国子会社合算税制)」
および関連する施行令・施行規則(参照日:2025-12-02)
参考:財務省・国税庁公表資料
「グローバル・ミニマム課税制度の概要」
「国際最低課税額に対する法人税の申告手続の案内」(参照日:2025-12-02)

【№9 該当条文の説明】

ここでは、本コラムで触れた主な法令・通達の位置づけを、できるだけやさしく整理します。
① 法人税法(国際最低課税額に関する規定)
多国籍企業グループのうち、一定規模以上のグループを対象に、
実効税率が一定水準(15%)を下回る場合に、
その差額を日本で「国際最低課税額に対する法人税」として課税する仕組みを定めています。
IIR(所得合算ルール)やUTPR(軽課税所得ルール)などの基本的な枠組みがここに置かれます。

② 法人税基本通達(18-1-70の3、18-1-83 など)
法人税法の条文だけでは分かりづらい点について、
「具体的にどう計算するか」「どの金額を基礎とするか」を示した行政解釈です。
18-1-70の3
→「被配分繰延対象租税額」の計算において、
恒久的施設(PE)に係る法人税等調整額をどのように按分するかを示しています。
18-1-83
→「特定配分可能当期対象租税額」の算定にあたり、
特定法人税法に係る部分の税額を、法定実効税率を用いて計算することを認める内容です。
これにより、税効果会計を適用している日本企業でも、
会計数値を比較的スムーズに税務計算へつなげやすくなっています。

③ 租税特別措置法第66条の6(外国子会社合算税制)
いわゆる「タックスヘイブン対策税制」の根拠条文で、
一定の要件を満たす外国関係会社の所得を、
日本の内国法人の所得に合算して課税する仕組みを定めています。
合算対象となる会社の範囲(特定外国関係会社・対象外国関係会社など)や、
所得の計算方法、税負担割合の判定方法などが細かく規定されています。

④ 租税特別措置法基本通達66の6-4、66の6-30 など
外国子会社合算税制における「課税対象金額」や「控除対象外国法人税」を、
円換算するタイミングや方法を示した通達です。
令和7年度改正では、合算時期の後ろ倒しに合わせて、
円換算の時期も「事業年度終了後4か月経過日」に合わせる改正が行われました。

⑤ 改正通達の実務的意味
GM課税とCFC税制の両方で「どの時点の金額・レートを使うか」がそろうことで、
グループ全体の税務・会計の整合性を取りやすくなります。
反面、対象となる企業では、
各海外子会社から必要な税務情報を集めるスケジュール管理が、
これまで以上に重要になります。
条文や通達は、一見すると難しい言葉が多く、
中小企業の経営者さまだけで読み解くのは大変です。
具体的なケースに当てはめるときは、必ず専門家と一緒に確認することをおすすめします。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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