フリーレントと新しい法人税通達のポイント

2025年12月14日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「フリーレントと新しい法人税通達のポイント」をお伝えさせていただきます!
オフィスや店舗を借りるとき、「最初の数か月は賃料ゼロです」というフリーレントつきの契約を見かけることが増えました。
借り手にとっては、開業時の資金負担を抑えられる、ありがたい条件です。
一方で、フリーレントがあると、法人税の計算をどうするかが少し複雑になります。
令和7年4月1日以後に開始する事業年度から、新しい法人税基本通達がスタートし、フリーレントの損金算入方法が整理されました。
本コラムでは、静岡・浜松の中小企業経営者や不動産オーナーの方に向けて、
「新通達で何が変わるのか」「どんな契約が要注意なのか」を、できるだけやさしく整理していきます。

【№2 結論】

★重要
フリーレントが付いた賃貸借契約でも、原則として次のように考えます。
原則
無償期間も含めた「賃料総額」を賃借期間全体で割り、各事業年度に按分して損金にできます(按分処理)。
ただし、例外あり(課税上弊害があるもの)
次のようなケースは「課税上弊害があるもの」とされ、按分処理が認められません。
① フリーレントがないと仮定した場合の支払額と、実際の契約に基づく支払額との差が、契約に基づく支払額の「おおむね2割超」になる場合
② ある事業年度について、その賃借期間の「おおむね5割超」が無償または通常よりかなり少額の賃料と見込まれる場合(かつ無償期間が4か月超)
実務上のポイント
契約前に、
「フリーレントの長さ・賃料の設定を変えると2割基準や5割基準に引っかからないか」を試算しておくことが重要です。
静岡・浜松の中小企業さまへ
本店や支店の移転、店舗出店でフリーレント物件を選ぶ際は、
「賃料の総額」と「無償期間の割合」を、顧問税理士と一緒に必ずチェックしてください。

【№3 やさしい解説】

1. フリーレントとは何か
フリーレントとは、賃貸借契約のうち一定期間、賃料を支払わなくてよい条件のことです。
たとえば「2年契約・最初の2か月は賃料ゼロ」といった形です。
借り手は、引っ越し費用や内装費にお金を回せるため、開業時の負担を減らせます。

2. 会計と税務で何が問題になるのか
会計上は、新リース会計基準などにより、フリーレント期間を含めた賃料総額を契約期間で均等に費用化する考え方が広がっています。
一方、法人税では、これまでフリーレントの扱いが明確でなく、
「契約どおりの支払ベースで経費にするのか」
「会計にならって総額を均等にするのか」
実務で悩みがありました。

3. 新しい法人税基本通達の考え方
今回の改正法人税基本通達(法基通12の5-3-2)は、次のように整理しました。
原則
損金経理していることを前提に、賃料総額を無償期間を含めた賃借期間で按分し、
各事業年度の損金としてよい(按分処理)。
ただし、「課税上弊害があるもの」は按分処理の対象外
不自然に賃料を前後の期間に偏らせるなど、節税狙いと疑われるパターンは除外されます。

4. 「課税上弊害があるもの」とは
★注意
次のどちらかに該当する場合、新通達による按分処理はNGです。
タイプA:2割超の値引き型
無償期間がなかったと仮定した場合の支払総額と、実際の賃料総額との差が、
「実際の賃料総額×おおむね2割」を超える場合。
タイプB:1事業年度の半分以上がタダ同然型
無償期間が4か月超で、ある事業年度において賃借期間の5割超が、
賃料ゼロまたは通常よりかなり少ない賃料となる見込みの場合。

5. 適用開始のタイミング
この新しい通達は、令和7年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
それ以前に締結した契約でも、適用開始後の事業年度に係る部分には、この考え方が関わってきます。

【№4 具体例(10件・簡潔版)】

ここではイメージをつかみやすいよう、単純化した例で整理します。
(※実務では、事業年度の区切り・日割りなど詳細な計算が必要です)
① 1年契約・3か月フリーレント
契約条件
賃借期間1年、通常賃料10万円/月、最初の3か月フリーレント。
判定イメージ
無償がなければ120万円、実際の支払総額は90万円。差額30万円。
30万円は90万円の2割(18万円)を大きく超えるため「課税上弊害あり」となり、按分処理は不可の可能性が高い。

② 2年契約・5か月フリーレント(典型的NG例)
契約条件
賃借期間2年、通常賃料20万円/月、最初の5か月フリーレント。
判定イメージ
無償がなければ480万円、実際の支払総額は380万円。差額100万円。
100万円が380万円の2割(76万円)を超え、かつ無償期間が4か月超・ある年度で賃借期間の5割超が無償となる可能性が高い。
課税上弊害があるものとして按分処理が認められない典型パターン。

③ 2年契約・2か月フリーレント
契約条件
賃借期間2年、通常賃料15万円/月、最初の2か月フリーレント。
判定イメージ
無償がなければ360万円、実際の支払総額は330万円、差額30万円。
30万円は330万円の2割(66万円)を下回る。無償期間も4か月以下。
一般には「課税上弊害なし」と判断されやすく、按分処理が可能なケースと考えられる。

④ 中途から賃料大幅アップ型
契約条件
3年契約、最初の1年は賃料10万円/月、その後は30万円/月。フリーレントなし。
判定イメージ
フリーレントはありませんが、前半が極端に安いケース。
通達が想定する「無償または通常に比して少額」に近いかどうかの検討が必要です。
賃貸人・賃借人の取引関係や、値上げの合理的理由が重要なポイントになります。

⑤ 入居後すぐ解約のケース
契約条件
2年契約・2か月フリーレントだったが、6か月で解約。
判定イメージ
契約どおりに続かなかったケースでは、按分処理していた金額と実際の支払額がズレます。
解約時に、未償却分の取扱いや損金算入額の見直しが必要となります。

⑥ 更新時に追加フリーレント
契約条件
2年契約終了後、さらに2年更新。その際に「更新時は1か月フリーレント」。
判定イメージ
更新後の2年間について、改めて「賃料総額」「無償期間の長さ」を確認し、
2割基準・5割基準に抵触しないかを個別にチェックします。

⑦ 賃借人が関連会社の場合
契約条件
親会社がビルオーナー、子会社がテナント。2年契約・4か月フリーレント。
判定イメージ
関連当事者間取引では、第三者間取引と比べて不自然な条件ではないか、より慎重な検討が必要です。
市場賃料との比較資料を残しておくと安心です。

⑧ 店舗開業支援目的の長期フリーレント
契約条件
5年契約、最初の6か月フリーレント、以後は通常賃料。
判定イメージ
無償期間が4か月を超えており、ある事業年度で賃借期間の5割超が無償となると予想される場合、
タイプBの「課税上弊害」に該当し、按分処理が否認されるリスクが高いパターンです。

⑨ 静岡市内のオフィス移転で2か月フリーレント
契約条件
静岡市の中小企業が本社オフィスを移転。3年契約・2か月フリーレント。
判定イメージ
2か月程度のフリーレントで、賃料総額の2割を大きく超える値引きになっていなければ、
実務上は按分処理が認められるケースが多いと考えられます。
ただし細かな金額や年度区切りは、静岡の顧問税理士と必ず確認してください。

⑩ 浜松市での店舗出店・キャンペーン型賃料
契約条件
浜松市で新店舗を出店。最初の3か月は半額、その後は通常賃料。フリーレントではないが大幅値引き。
判定イメージ
「無償」ではなく「通常に比して少額」に該当するかを検討します。
値引き期間が長期に及び、ある年度で5割超の期間が半額などの場合、
タイプBに近づくため、慎重な判断が必要です。

【№5 手順(フリーレント契約をチェックする流れ)】

フリーレント付き契約を締結・更新するときは、次の流れで確認することをおすすめします。
① 契約条件を書き出す
賃借期間(何年契約か)
通常の月額賃料
無償期間の長さ(月数)
半額など少額賃料の期間があれば、その内容

② 無償がない前提の賃料総額を計算する
「無償期間終了後の月額賃料×賃借期間の月数」で、
無償がなかったと仮定した場合の総額を出します。

③ 実際の賃料総額を計算する
契約どおりに支払うことになる賃料を、全期間分足し上げます。

④ 2割基準(タイプA)をチェック
「②の金額-③の金額」が、
「③の金額×おおむね2割」を超えていないか確認します。

⑤ 5割基準(タイプB)をチェック
無償期間が4か月超かどうかを確認。
そのうえで、各事業年度ごとに、
「賃借期間のおおむね5割超」が無償または通常よりかなり少額の賃料となる年度がないかを確認します。

⑥ 按分処理の可否を判断
どちらの基準にも該当しなければ、原則として按分処理を採用できます。
どちらかに該当する恐れがある場合は、契約条件を見直すか、
実際の支払額に応じて損金算入する方法を検討します。

⑦ 顧問税理士・会計担当と共有
静岡市・浜松市の事業所ごとに複数の物件を借りている場合、契約ごとに条件が異なります。
契約書のコピーと上記の試算メモを、顧問税理士や社内経理担当と共有し、
決算前に方針を固めておくと安心です。

【№6 FAQ(よくある質問 10問)】

Q1 フリーレント付きなら、必ず按分処理しなければいけませんか。
A1 いいえ、必ずではありません。
 実務では、契約期間が短い・金額が小さい場合など、あえて通達どおりに按分せず、
 実際支払額ベースで処理する選択肢もあり得ます。方針は顧問税理士と決めてください。

Q2 「おおむね2割」や「おおむね5割」は、きっちりその数値で判定しますか。
A2 通達上は目安として2割・5割と示されていますが、現実には1円単位で厳密に線引きするのではなく、
 契約全体のバランスや合理性も見て判断されます。とはいえ、明らかに超える水準は避けるべきです。

Q3 静岡市の本社はフリーレント契約、東京の支店は通常契約です。判断は一括ですか。
A3 いいえ、物件ごとに契約が違えば、通達の適用判断も契約単位で行います。
 静岡市本社の契約が2割基準に抵触しても、東京支店の通常契約には影響しません。

Q4 浜松市で借りた店舗について、途中から賃料を上げた場合はどう見ますか。
A4 フリーレントだけでなく、途中の大きな賃料変更も、
 当初から織り込まれた条件なのか、後から事情が変わって合意したのかで扱いが変わります。
 契約書や覚書で、値上げの理由を明確にしておくことが大切です。

Q5 無償期間が3か月以内なら、必ず課税上弊害はないと考えてよいですか。
A5 目安としてはリスクが低いといえますが、「賃料総額の2割超の値引き」になっている場合もあり得ます。
 無償期間の長さだけでなく、総額ベースでの差額も必ず計算してください。

Q6 個人事業主が事務所をフリーレントで借りた場合も、この通達が関係しますか。
A6 通達自体は法人税の基本通達です。
 ただし、所得税でも「収入・必要経費をどの期間に対応させるか」という考え方は共通するため、
 個人事業の方も参考になる内容です。

Q7 フリーレント部分の共益費は、どう扱えばよいですか。
A7 共益費も実質的に賃料に近い性格を持つことが多く、
 賃料総額の計算に含めて考えるのが自然です。契約書の書きぶりを確認したうえで判断しましょう。

Q8 すでに按分処理で申告していました。新通達に反していた場合、どうなりますか。
A8 原則として、過年度の申告に誤りがあれば、更正・修正申告などで是正が必要になります。
 ただし、経過措置や実務上の裁量もあり得るため、早めに税理士と相談して対応方針を決めてください。

Q9 フリーレントと少額減価償却資産の特例は関係ありますか。
A9 フリーレントは賃貸借契約の話であり、少額減価償却資産の特例は「資産を購入した場合」の特例です。
 制度としては別物ですが、「一時に費用を取りたい」という経営上の要望に応える仕組みという点では似ています。

Q10 静岡・浜松の中小企業ですが、クラウド会計ソフトでもこの判定は対応できますか。
A10 多くのクラウド会計ソフトは、均等按分などの機能を持っていますが、
 2割基準・5割基準の判定までは自動で行えないことが多いです。
 静岡・浜松エリアでクラウド会計やIT導入を進める際は、税理士と一緒に設定を確認することをおすすめします。

【№7 まとめ】

フリーレント付きの賃貸借契約について、新しい法人税基本通達が整備され、
原則として「賃料総額の按分処理」が認められるようになりました。
しかし、「無償がない場合との総額差が2割超」や「1事業年度の5割超が無償または著しく低額」など、
課税上弊害があるとみなされる契約は、按分処理の対象外となります。
実務では、契約前に賃料総額・無償期間・年度ごとの賃借期間を試算し、
2割基準・5割基準に抵触しないかを必ず確認することが大切です。
静岡市・浜松市で本社や店舗の移転・新規出店を検討されている企業さまは、
フリーレントの条件だけで判断せず、税務上の影響も含めて顧問税理士に相談してください。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3870号(2025年10月6日)
「フリーレント 新通達で定められた『課税上弊害があるもの』を詳報」税務研究会
参考:国税庁「リース取引の税務上の取扱いについて(法人税基本通達等の一部改正)」
(参照日:2025-12-02)
参考:e-Gov法令検索「法人税法(昭和四十年法律第三十四号)」
(参照日:2025-12-02)

【№9 該当条文の説明】

1. 通達の位置づけ
法人税基本通達12の5-3-2は、
「フリーレントなど無償・低額期間を含む賃貸借契約の賃料を、
どのように期間配分して損金算入するか」を示したルールです。
新リース会計基準を踏まえ、会計処理とのズレを小さくするために整備された位置づけです。

2. 基本ルールの中身
通達の基本線は、次のとおりです。
賃料総額(無償期間も含めた総額)を賃借期間で按分し、
その按分額を各事業年度の損金とすることを認める。
ただし、「課税上弊害があるもの」に当たる契約は、この按分処理の対象外。
ここでいう「課税上弊害があるもの」が、【参考】として示される2パターンです。

3. 課税上弊害とされる2つのパターン
パターンA(2割超の差額)
無償期間がなかった場合の総額と、実際の賃料総額との差額が、
実際の賃料総額のおおむね2割を超えるとき。
極端な値引きにより、課税所得が歪められる取引を想定しています。
パターンB(1事業年度の5割超が無償・低額)
無償期間が4か月超で、ある事業年度の賃借期間の5割超が
無償または通常よりかなり少額となると見込まれるとき。
特定年度だけ負担を極端に軽くするような設定を排除する趣旨です。

4. 法人税法との関係と実務への示唆
法人税法22条などは、収益・費用を「対応する期間に公平に配分する」考え方を前提にしています。
今回の通達は、この基本原則のもとで、フリーレントという特殊な条件を
どう均衡よく配分するかを補う技術的ルール、と理解できます。
実務では、
契約締結前に2割・5割の基準を試算する
条件が基準スレスレの場合は、賃料設定や無償期間を見直す
といった対応を行うことで、後日の税務リスクを下げることができます。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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