グループ通算制度の取りやめ承認が認められる“やむを得ない事情”とは?
2025年12月20日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「グループ通算制度の取りやめ承認が認められる“やむを得ない事情”とは?」をお伝えさせていただきます!
グループ通算制度は、完全支配関係にある法人グループを一体として取り扱う仕組みであり、原則として継続適用が前提です。
一方で、制度開始後のM&Aの急増や、人員減少、システムトラブルなどにより「このまま通算を続けると現場が持たない」というケースも出てきています。
こうした場合に、一定の条件を満たすと「やむを得ない事情」として、国税庁長官の承認を受けてグループ通算制度を取りやめることができます。
ただし、税負担の軽減だけを目的とした離脱は認められません。
本コラムでは、
「やむを得ない事情」の考え方
認められる可能性がある具体例
実際に取りやめを検討する際のステップ
を、静岡・浜松の中小企業グループにも分かりやすい形で整理していきます。
【№2 結論】
最初に、このテーマのポイントを簡潔にまとめます。
① 「やむを得ない事情」とは
通算制度の開始時には想定していなかった後発的な事情により、通算を続けると事務負担が著しく過重となり、制度を維持することが現実的に難しいケースを指します。
代表例は、大規模なM&Aによる子会社数の急増や、経理・税務人員の急減などです。
② 認められない理由
「税金が多くなった」「通算のメリットが思ったほどなかった」といった税負担だけの理由では、やむを得ない事情には当たりません。
節税目的の任意の離脱は、制度の想定外です。
③ 手続の流れ
取りやめを希望する場合は、通算親法人と全ての通算子法人の連名で「グループ通算制度の取りやめ承認申請書」を提出し、国税庁長官の承認を受ける必要があります。
申請書には、後発的な事情と事務負担の過重さを示す具体的な理由や資料を添付することが重要です。
④ 5年縛り
取りやめ承認を受けたグループは、その後原則5年間、再度グループ通算制度の承認を受けることができません。
「一度抜けて様子を見て、すぐ戻る」という運用はできないため、税額面・事務負担面を合わせて慎重な意思決定が必要です。
⑤ 実務上のポイント
事務負担の状況を数値や資料で「見える化」する
通算継続と単体課税への移行を比較シミュレーションする
税務だけでなく、経営戦略・ガバナンスも含めて判断する
静岡や浜松でホールディングス化・M&Aを進める企業グループにとっても、上記の流れを押さえておくことが、将来の選択肢を広げることにつながります。
【№3 やさしい解説】
(1)グループ通算制度のイメージ
グループ通算制度は、親会社と100%子会社などで構成されるグループを対象に、損益通算などを行う制度です。
各法人ごとに申告書は作成しますが、通算前提の計算・データ連携が必要となるため、導入・運用には相応の準備と体制が求められます。
連結納税より柔軟な面もありますが、子会社数が多いグループでは、処理すべき情報量が大きくなり、経理・税務現場の負担は軽くありません。
(2)取りやめが問題になる場面
通算制度をやめる場面は、概ね次の3パターンです。
やむを得ない事情による取りやめ(承認申請が必要)
青色申告取消しなど、一定の事実が生じた場合
親法人の解散や完全支配関係の喪失など、法律上自動的に効力を失う場合
このうち、今回のテーマは「やむを得ない事情による任意の取りやめ」です。
(3)「やむを得ない事情」の中身
基本通達では、「通算を続けることで事務負担が著しく過重となる場合」が典型とされています。
裏を返せば、単に税負担が変わることだけでは足りず、「事務面で限界に近い状態になっている」ことがポイントになります。
また、「後発的な事情」であることも重要です。
制度開始時点で想定していたM&Aや人員体制の問題は、原則としてやむを得ない事情には含まれません。
(4)判断のイメージ
実務的には、次のような観点で総合判断されます。
いつ、どのような事情が新たに発生したのか(後発性)
その事情によって、通算関係の事務作業がどれだけ増えたのか
現状の人員・システムで、ミスなく処理できる現実性があるか
このため、単に「忙しい」「大変だ」と主張するだけでは足りず、
子会社数の推移
申告・決算に要する時間
人員数・残業時間の推移
などを資料で示すことが重要になります。
(5)5年縛りと地方税の扱い
取りやめ承認を受けると、その翌事業年度から通算承認の効力が失われ、5年間は再度通算制度を選択できません。
また、国税で取りやめとなった場合でも、法人住民税・事業税については、別途、都道府県・市区町村への届出が必要となる場合があります。
静岡市・浜松市に本店や支店がある法人の場合は、国税・地方税の両方の手続を意識してスケジュールを組むことが大切です。
【№4 具体例】
ここでは、イメージをつかみやすくするために、代表的なケースを簡潔に紹介します。
① M&Aにより子会社数が急増したケース
制度開始時は子会社3社だったが、想定外のM&Aで数年で20社超になった。
各社の通算対応・データ連携が急増し、現行体制ではミスなく処理できない。
② 経理・税務人員が大幅に減少したケース
退職や病気でベテラン担当者が相次いで離職し、人員・スキルが大きく低下。
採用環境が厳しく、短期間で必要な人材を確保できない。
③ 通算対応システムに重大な不具合が生じたケース
通算前提で導入したシステムに構造的欠陥が見つかり、改修に長期を要する。
手作業での代替では、子会社数と取引量から見て重大な誤りリスクが高い。
④ 大規模災害で本社機能が長期間マヒしたケース
災害により、本社サーバーや紙の帳簿が損壊し、通算用データが大きく失われた。
復旧までの間、通算前提の決算・申告体制を維持することが困難。
⑤ グループ戦略の急転換により事業会社単体管理が必須となったケース
事業会社ごとのIPO準備・外部出資などが進み、単体ベースでの管理・説明責任が重くなった。
通算前提の仕組みでは、ステークホルダーへの説明がかえって難しくなっている。
⑥ 統合プロジェクト難航により、通算前提の体制が整わないケース
会計基準・勘定科目・決算期の統一を前提に通算を選択したが、実務上統一が進まなかった。
バラバラなままの決算情報を通算用に調整する負荷が極端に高くなっている。
⑦ 認められにくい例① 税負担のみを理由とするケース
「通算すると税額が増えるのでやめたい」という理由だけでは、やむを得ない事情にならない。
⑧ 認められにくい例② 最初から分かっていた事情を理由とするケース
制度開始前から大規模M&Aが具体的に決まっていた。
当初から人員不足やシステム老朽化が分かっていた。
⑨ 自動的に効力を失うケースとの違い
親法人の解散や完全支配関係の喪失など、法律上当然に通算承認の効力が消える場合は、承認申請とは別枠の話です。
⑩ 静岡・浜松の中小グループでありがちなパターン
県外の同業者を次々と買収し、子会社数が一気に増えた。
本社の経理課はそのままで、通算・決算・補助金対応などが集中し、残業が常態化している。
このようなケースでは、「後発的な事情」「事務負担の過重」という観点から、やむを得ない事情の有無を検討していくことになります。
【№5 手順】
取りやめを検討する際の流れを、要点に絞って整理します。
ステップ1:現状と課題の整理
通算グループの構成、M&A・再編の履歴、人員・システムの状況を一覧化します。
いつ・何が・どの程度変化したのかを時系列で整理し、後発的事情を明確にします。
ステップ2:通算継続 vs 取りやめの比較
税額、事務負担、ガバナンス(説明責任)の3点で、通算継続と単体課税に戻した場合を比較します。
「税額だけ」でなく、「業務が回るかどうか」の観点を重視します。
ステップ3:社内意思決定
取締役会などで、取りやめの是非・時期・取りやめ後の体制方針を決定します。
議事録を残し、後の申請資料としても活用できるようにします。
ステップ4:申請書・添付資料の作成
「グループ通算制度の取りやめ承認申請書」に、取りやめ理由を具体的に記載します。
子会社数の推移、人員推移、システム障害の経緯などを示す資料を添付し、事務負担の過重さを客観的に説明します。
ステップ5:提出時期・ルートの確認
取りやめを希望する事業年度の開始日の前日までに申請するのが原則です。
通算親法人の所轄税務署を経由して、国税庁長官あてに提出します。
ステップ6:地方税手続と移行準備
国税での取りやめ承認後、必要に応じて都道府県・市区町村へ届出を行います。
単体課税に戻った後の申告スキームやシステム設定、資産の評価・繰延項目の処理などを、事前に計画しておきます。
静岡・浜松の中小企業グループでも、「通算をやめるかどうか」は一度きりの判断ではなく、これらのステップを通じて、経営・税務・現場のバランスを取りながら決めていくイメージが安全です。
【№6 FAQ(よくある質問)】
① 通算制度をやめると、すぐに単体課税へ戻りますか?
いいえ。承認を受けた日の属する事業年度が終わった翌日から単体課税に戻ります。
事業年度の区切りが基準であり、承認直後ではありません。
② 「やむを得ない事情」は誰が判定するのですか?
国税庁長官が最終判断します。
申請は通算親法人の所轄税務署に提出しますが、判断主体は国税庁です。
③ 税負担が増えるから通算制度をやめたい、という理由では認められますか?
認められません。
税負担のみを理由とする取りやめは、通達で明確に否定されています。
④ 通算制度開始時にM&Aがほぼ確定していた場合、やむを得ない事情になりますか?
原則なりません。
開始時点で想定していた事情は「後発的事情」ではないため、該当しにくいです。
⑤ 経理担当者が退職した場合、それだけで「やむを得ない事情」になりますか?
通常はなりません。
人員の急減や長期的な補充困難など、事務負担が著しく過重になっているかどうかが判断ポイントです。
⑥ 通算対応システムの重大障害は、取りやめ理由になりますか?
ケースにより得ます。
長期の修復が必要で代替手段もなく、通算運用が現実的でない場合は検討対象になります。
⑦ 親法人と子法人の一部だけで通算制度をやめることはできますか?
できません。
取りやめ申請は通算親法人と全通算子法人の連名で行う必要があります。
⑧ 静岡市に本社、浜松市に子会社がある場合、地方税手続はどうなりますか?
国税とは別に、静岡県・静岡市・浜松市など、対象自治体への届出が必要となることがあります。
⑨ 取りやめが認められた場合、いつから再び通算制度を選べますか?
原則5年後です。
取りやめた事業年度終了日の翌日から、5年経過後に再申請が可能です。
⑩ 承認可否はどのくらいの期間で分かりますか?
案件により異なりますが、提出後すぐ決まるものではなく、事情確認や資料審査に一定期間を要します。
そのため、早めの準備とスケジュール管理が必要です。
【№7 まとめ】
グループ通算制度は、一定の要件を満たす企業グループにとって有効な仕組みですが、制度開始後の環境変化によって事務負担が大きくなることがあります。
その際に検討されるのが「やむを得ない事情による取りやめ」です。
要点を簡潔に整理すると、次のとおりです。
① 「後発的な事情」が前提
制度開始時に想定していなかったM&Aの増加、人員急減、システム障害などが代表例です。
税額の有利不利は取りやめ理由にはなりません。
② 事務負担の著しい増加が必要
業務量の推移、担当者数、決算処理の負荷など、客観的資料が求められます。
③ 承認申請はグループ全社の連名
通算親法人だけでは申請できず、通算子法人全てが連名で申請します。
④ 承認後は5年間再選択不可
「5年縛り」があるため、中期的な経営判断が必要です。
⑤ 通算継続と単体課税の比較が必須
税額・事務負担・ガバナンスなどを総合的に比べることが、静岡・浜松の中小企業グループでも重要です。
⑥ 実務の流れ
現状整理 → 比較 → 社内決定 → 申請 → 単体課税への移行準備、という段階を踏んで進めます。
⑦ 内部リンク案(簡易版)
静岡の顧問税理士サービス
浜松の補助金サポート
静岡のクラウド会計導入支援
浜松の会社設立支援
以上を押さえておけば、取りやめ検討時の全体像がつかみやすくなります。
【№8 出典】
出典:
『税務通信』第3871号(2025年10月13日)「通算制度 取りやめ承認が認められる“やむを得ない事情”の具体例」税務研究会
参考:
国税庁タックスアンサー(グループ通算制度の概要・承認取消し等関連、参照日:2025-12-09)
参考:
e-Gov法令検索(法人税法64条の9・64条の10、基本通達12-7-2-10、参照日:2025-12-09)
【№9 該当条文の説明】
ここでは、取りやめに関係する主要な条文を、最小限のポイントに絞って解説します。
① 法人税法64条の10(グループ通算制度の取りやめ)
「やむを得ない事情」がある場合、通算法人全員の連名で国税庁長官へ取りやめを申請できる。
承認されたら、その事業年度の終了日の翌日から通算制度の効力がなくなる。
親法人の解散や完全支配関係の喪失など、法律上当然に効力が失われるケースも規定。
② 法人税法64条の9(再承認の制限・5年縛り)
取りやめ後は「5年間」通算制度を再選択できない。
毎年選び直す制度ではなく、中期的な意思決定が必要となる。
③ 法人税基本通達12-7-2-10(やむを得ない事情の考え方)
典型は「事務負担が著しく過重」になるケース。
税負担の軽減だけを理由とした取りやめは不可。
後発的事情・業務量・体制などを総合的に判断。
④ 条文の関係(簡易まとめ)
64条の10:どうやって「やめるか」
基本通達:どんな事情なら「やめられるか」
64条の9:やめた後いつ「戻れるか」
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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