グループ通算制度で損益通算ができないNGケース
2026年2月4日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「グループ通算制度で損益通算ができないNGケース」をお伝えさせていただきます!
グループ通算制度は、グループ内の利益と損失をまとめて計算できる点が魅力です。
一方で、手続や日付の認識が少しズレるだけで、損益通算ができなくなることがあります。
特に実務で起きやすいのは、次のような場面です。
M&Aで株式譲渡日が決算日と重なる
外国法人が間に入っている
いったん離脱した子会社を再取得した
電子申告が間に合わず期限後申告になった
別表の添付が漏れた
こうしたミスは、税務だけでなく経営判断にも影響します。
決算の数字が変わり、銀行対応や投資判断にも波及しやすいからです。
静岡・浜松の中小企業さまでも、ホールディングス化やM&Aが増えています。
その流れで、グループ通算の検討をする会社も増えてきました。
だからこそ「やりがちなNG」を先に知っておくことが大切です。
【№2 結論】
★重要
グループ通算制度の損益通算は、「グループ内なら何でも通算できる」仕組みではありません。
特に次の5つは、実務で損益通算NGになりやすい代表例です。
離脱日が決算日の翌日ではなく、決算日当日(または前日)になっている
外国法人や通算除外法人が介在していて、通算完全支配関係に該当しない
いったん離脱した子会社を再取得しても、再加入制限期間中で通算子法人になれない
期限内申告になっておらず、当初申告固定の影響で欠損を通算に使えない
必要な別表・添付書類の漏れで、通算計算に使う数字が認められないリスクが出る
★注意
結論としては、「日付」「支配関係の種類」「制限期間」「申告期限」「添付書類」
この5点を押さえるだけで、損益通算NGの多くは回避できます。
【№3 やさしい解説】
グループ通算制度は、
「グループの中の会社同士で、黒字と赤字を相殺できる仕組み」です。
たとえば、
A社が黒字1,000万円
B社が赤字800万円
この場合、グループ全体では「差し引き200万円にだけ税金がかかる」
という、とてもありがたい制度です。
ただし、この制度にはとても大事な前提条件があります。
それは、「決算日の時点で、その会社が“通算子法人”であること」です。
ここがズレると、どれだけグループ会社でも、その会社の赤字は一切使えなくなります。
【よくある勘違い】
多くの会社で、こんな勘違いが起きます。
「グループ会社なんだから、当然使えるでしょ」
「期中に売ったけど、ほぼ1年グループにいたから大丈夫でしょ」
「書類ちょっと遅れただけだから、あとで直せるでしょ」
結論から言うと、
これ、全部アウトになる可能性があります。
【一番危ないポイントは「日付」】
特に危ないのが、次のようなケースです。
3月決算の会社で
3月31日に子会社の株を売った
「決算日まではグループだったよね?」と思っている
税務の世界では、
3月31日に売った=その日はもうグループではない
と判定されることがあります。
この場合、その子会社の赤字は、1円も使えません。
「たった1日違うだけ」で、何百万円、何千万円の節税効果が消えることもあります。
【申告ミスも即アウト】
さらに怖いのが、事務ミスです。
申告が1日でも遅れた
必要な別表を付け忘れた
この場合も、**その会社の赤字は「ゼロ扱い」**になることがあります。
あとから直しても、「その年の損益通算には使えない」
という扱いになるケースがあります。
【超シンプルに言うと】
グループ通算の損益通算は、
★「決算日時点で、グループの子会社か?」
★「期限内に、正しい書類で申告しているか?」
★「使っていい赤字か?制限がかかっていないか?」
この3つのチェックに、
全部OKが出ないと使えません。
【№4 具体例】
① 離脱日が「4月1日」のつもりが、契約上「3月31日」になっていた
親(3月決算)の期末時点で通算完全支配関係がなくなる。
子の欠損が、その期の損益通算に入らない可能性が高い。
対策:クロージング日、効力発生日、株式引渡日を必ず確認する。
② 4月1日譲渡予定だったが、土日都合で3月31日に前倒しした
1日早まっただけで、離脱直前事業年度が「単体申告」になり得る。
対策:資金決済の都合より、税務影響を先に整理する。
③ 「代金支払日に効力発生」となっており、支払が3月31日に完了していた
契約条項により、想定より早く離脱日が確定することがある。
対策:支払と効力発生の関係を条項で再確認する。
④ 行政許認可が必要で「承認日に効力発生」、承認が3月31日に下りていた
代金支払いが4月でも、承認日で譲渡成立とされる場合がある。
対策:許認可型のM&Aは、承認日を税務スケジュールに組み込む。
⑤ 株券の引渡し日が3月31日で、受領書の日付も3月31日になっていた
形式証拠が「3月31日」を示すと、離脱日の反証が難しくなる。
対策:書類の日付整合性を、法務・経理で事前に合わせる。
⑥ 親P社→外国法人B社→子A社の構造で、親はA社を「完全支配」と誤認した
グループ法人税制の完全支配と、通算完全支配は範囲が異なる。
外国法人介在だと、通算完全支配に当たらず通算対象外になる。
対策:支配関係の種類を制度ごとに判定する。
⑦ 連結から通算へ移行する際、一部法人が移行しておらず「通算除外法人」だった
期末で100%子会社でも、通算子法人になれないことがある。
対策:移行時のステータス(移行したか、除外か)を棚卸しする。
⑧ いったん離脱した子会社を買い戻し、100%に戻したが「再加入制限期間中」だった
親の期末で100%でも、一定期間は通算グループに入れない。
欠損を通算で使える前提が崩れる。
対策:離脱日からの経過年数を必ずカウントする。
⑨ 子会社A社が電子申告の送信エラーで期限後申告になっていた
期限内申告書に基づく「当初申告固定」により、通算計算上ゼロ扱いとなり得る。
対策:親が子の申告完了状況をモニタリングする。
⑩ 子会社A社が期限後申告、翌期も期限後になり青色取消リスクが出た
青色取消は通算承認取消にも波及する。
グループ全体の運用に重大影響が出る。
対策:2期連続の期限後を絶対に回避する体制を作る。
⑪ 別表(損益通算に関係する明細)の添付が漏れていた
法令上「添付漏れ=即NG」とは限らないが、当初申告固定との関係で実務リスクが出る。
対策:通算申告システムのチェック機能+提出前点検表を作る。
⑫ 取得した子会社で、加入直後に大きな欠損が出たが「損益通算制限」に該当していた
支配関係の継続や共同事業性など、条件次第で欠損が通算に使えない。
対策:買収前に「欠損が通算に使えるか」を税務DDで確認する。
【№5 手順】
STEP① まず「期末判定」を理解する
通算できるかは、基本的に「親の決算日」で判定します。
期末に子でなければ、その期の通算に入りません。
STEP② 離脱・加入の「日付」を確定させる
クロージング日、効力発生日、株式引渡日を並べて確認します。
契約条項(支払と効力、承認と効力)も必ず読みます。
STEP③ 支配関係の種類をチェックする
「完全支配」と「通算完全支配」は同じではありません。
外国法人や通算除外法人が介在していないか確認します。
STEP④ 再加入制限・除外期間の有無を確認する
以前の離脱がある場合、再加入できる時期をカレンダーに落とします。
STEP⑤ 申告期限と電子申告の完了を管理する
子会社ごとの送信完了を、親が一覧で管理します。
期限後申告は通算計算に致命傷になり得ます。
STEP⑥ 別表・添付の漏れを機械的に潰す
申告前に「別表チェックリスト」を運用します。
通算申告システムの出力物と照合します。
【№6 FAQ】
Q1. グループ通算制度なら、グループ内の赤字は何でも通算できますか?
A1. いいえ、できません。親の決算日時点で「通算子法人」に該当している会社の損益だけが対象になります。日付や支配関係を間違えると、赤字でも通算できません。
Q2. 株式を3月31日に売っても、期末はまだ子会社扱いではないのですか?
A2. 原則として、その日に通算完全支配関係がなくなれば、期末時点では子会社ではありません。1日の違いで結論が変わる点が、実務で一番多い落とし穴です。
Q3. 「4月1日離脱予定」だったのに、3月31日に決済したらどうなりますか?
A3. 契約条項次第ですが、3月31日離脱と判定されると、その期の損益通算に入らない可能性が高くなります。資金決済日と税務上の影響は必ずセットで検討が必要です。
Q4. 外国法人が間に入っていても、100%支配なら通算できますか?
A4. できないケースがあります。グループ法人税制の「完全支配」と、グループ通算制度の「通算完全支配」は範囲が異なります。外国法人が介在すると通算対象外になることがあります。
Q5. いったん売った子会社を買い戻して100%にしました。すぐ通算に入れますか?
A5. 原則として、すぐには入れない場合があります。再加入には制限期間があり、その期間中は通算子法人になれません。
Q6. 子会社が1社だけ期限後申告になりました。グループ全体が通算不可になりますか?
A6. グループ全体が全部ダメになるわけではありません。ただし、その会社の損益は通算計算上「ゼロ扱い」になる可能性があり、実質的に大きな影響が出ます。
Q7. 電子申告の「送信エラー」に気づかず、後で期限後になった場合も同じですか?
A7. はい、同じ扱いになります。意図的でなくても「期限後申告」は期限後申告です。親会社側で送信完了の確認体制を作ることが重要です。
Q8. 別表の添付が1社だけ漏れていました。これだけで損益通算NGになりますか?
A8. 法令上、直ちに全体NGと決まるわけではありませんが、「当初申告固定」との関係でリスクが生じます。実務では「通算に使えない前提」で修正を迫られる可能性があります。
Q9. M&Aで欠損会社を買えば、その赤字はグループで使えますか?
A9. 条件次第です。支配関係の継続要件や共同事業性などを満たさないと、加入後しばらくは損益通算に使えないことがあります。買収前の税務DDが重要です。
Q10. グループ通算とグループ法人税制は、同じルールだと思っていいですか?
A10. いいえ、別物です。似た言葉が多いですが、適用範囲や判定基準は違います。「グループ法人税制ではOKだが、通算ではNG」というケースは珍しくありません。
Q11. 静岡市や浜松市の中小企業でも、ここまで気にした方がいいですか?
A11. はい。最近は中小企業でもホールディングス化やM&Aが増えています。規模に関係なく、日付と支配関係のミスはそのまま税額に直結します。
Q12. グループ通算を安全に運用する一番のコツは何ですか?
A12. 「日付管理」「支配関係チェック」「申告進捗管理」の3点を、親会社主導で一覧管理することです。ここを仕組みにすると事故は大きく減ります。
【№7 まとめ】
グループ通算制度の損益通算は、とても便利な仕組みです。
ただし、「グループ内だから大丈夫」という感覚で運用すると、思わぬ落とし穴にはまります。
今回のポイントは、次の3つに集約されます。
★重要 期末時点で「通算子法人」であるかどうかがすべての起点になる
★重要 離脱日・加入日など「日付の1日違い」で結論が変わる
★重要 申告期限と添付書類の管理は、親会社主導で行う必要がある
特に、M&Aや組織再編が絡むと、
「契約上の効力発生日」と「税務上の判定日」がズレることがよくあります。
このズレが、そのまま損益通算NGにつながります。
静岡・浜松の中小企業さまでも、ホールディングス化は珍しくありません。
会社の形が少し複雑になった時点で、通算のルールは一度きちんと整理することをおすすめします。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3877号(2025-11-24)
「実務担当者のための「グループ通算制度 損益通算NGケース」徹底解説」税務通信編集部
参考:国税庁タックスアンサー
「グループ通算制度の概要」(参照日:2026-01-15)
参考:e-Gov法令検索
「法人税法 第14条、第64条の5、第64条の6、第64条の7、第64条の9、第64条の10 ほか」(参照日:2026-01-15)
【№9 該当条文の説明】
ここでは、損益通算NGと特に関係が深い条文だけ、要点をかみ砕いて説明します。
法人税法 第14条
事業年度の考え方を定めています。
通算子法人が途中で離脱すると、「みなし事業年度」が区切られます。
この区切られた事業年度は、通算に入らないことが多くなります。
法人税法 第64条の5
グループ通算の損益通算の基本ルールです。
「親の事業年度終了日に通算子法人であること」が前提になります。
また、「期限内申告書に基づく当初申告固定」もここが根拠です。
法人税法 第64条の9
通算子法人になれない「通算除外法人」を定めています。
連結から移行しなかった法人や、再加入制限期間中の法人などが該当します。
法人税法 第64条の10
通算承認の効力が失われるタイミング、つまり「離脱日」を定めています。
この日付が、損益通算の可否を大きく左右します。
法人税法 第64条の6・第64条の7
加入直後などに、欠損の利用を制限するルールです。
買収した会社の赤字が、すぐに全部使えるとは限らない根拠条文です。
細かい文言は専門的になりますが、
実務では「いつ・どの会社が・通算子法人なのか」を判定するための条文だと理解しておけば十分です。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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