決算賞与をメールで通知した場合の損金算入時期

2026年2月15日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「決算賞与をメールで通知した場合の損金算入時期」についてお伝えさせていただきます!

決算が近づくと、
「今期は決算賞与を出したい」
「できれば今期の経費にしたい」
と考える社長は多いと思います。
最近は、
賞与の通知を紙ではなく、
メールや社内システムで行う会社も増えています。
その一方で、
メールで通知しても税務上は大丈夫なのか
期末までにメールを読んでいない社員がいたらどうなるのか
そもそも、いつの期の経費にできるのか
こうした点で、実務上の不安や疑問がとても多いテーマでもあります。
決算賞与は、
処理を一歩間違えると、
「今期の経費にしたつもりが、全部ダメだった」
ということも実際に起こります。
この記事では、
決算賞与を損金にできる基本ルール
メール通知の場合の考え方
実務でつまずきやすいポイント
を、できるだけ専門用語を使わずに、順番に整理していきます。

【№2 結論】

決算賞与を「その期の損金」にできるかどうかは、
節税のテクニックではなく、「運用ルールを守れているかどうか」だけで決まります。
ポイントは、次の3つしかありません。
期末までに、全員に、個別の支給額を通知しているか
決算で、正しく未払計上と損金経理をしているか
翌月1か月以内に、全員へ確実に支払っているか
この3つをすべて満たしている場合にだけ、
「まだ払っていない賞与」を、その期の損金にすることができます。
逆に言えば、
1人でも通知漏れがある
支払が1日でも遅れる
仕訳を入れ忘れる
こうした小さなミス1つで、全額がアウトになるのが、この制度の怖いところです。

最近は、
メールやチャットなど、通知方法が多様化しています。
しかし、税務上は、
「どう通知したか」よりも、
「本当に、期末までに、全員に、確実に通知したと説明できるか」
が問われます。
つまり、
証拠が残る方法で通知しているか
後から第三者に説明できる形で記録が残っているか
ここまで含めて、はじめて「安全な運用」と言えます。

決算賞与は、
正しく使えば、資金繰りの調整と節税を同時に実現できる、
非常に便利な制度です。
一方で、
「なんとなく毎年やっている」
「去年と同じ処理だから大丈夫」
という感覚で使うと、
税務調査で真っ先に狙われる論点にもなります。
結論として、
決算賞与は、
「事前に設計して、証拠を残し、機械的に運用する制度」
として扱うべきであり、
場当たり対応や、感覚的な処理は、非常に危険だと言えます。

【№3 やさしい解説】

まず、決算賞与の基本から整理します。
通常、賞与は、
実際に支払ったタイミングの経費になります。
しかし、決算賞与については、
一定の条件を満たせば、
「まだ払っていなくても、その期の経費」にすることが認められています。
これを、
「未払計上による損金算入」
と呼びます。
そのためには、
次の3つの条件をすべて満たす必要があります。
誰に、いくら払うかを、期末までに通知していること
通知した金額を、期末の翌日から1か月以内に実際に支払うこと
その期の決算で、ちゃんと未払費用として経理処理していること
このうち、
今回のテーマで一番問題になりやすいのが、
「通知していること」という要件です。
最近は、
この通知を、紙ではなく、
メールで行う会社がとても増えています。
では、
メールで送れば「通知した」ことになるのか
期末までに本人が読んでいなかったらどうなるのか
ここが、実務上の大きな論点になります。
結論としては、
「適切に送信されていれば、原則として通知したと扱われる」
という整理になります。
ただし、
そもそも送っていなかった人がいる場合や、
手続が期末を過ぎている場合は、
この前提が崩れてしまいます。
このあたりは、
実務上の設計と運用がとても重要になります。

【№4 具体例】

ここでは、実務で実際によく問題になるケースを、
できるだけシンプルな形で整理します。
① 全社員に同じ日にメールで支給額を通知し、翌月20日に支給したケース
→ 要件をすべて満たしていれば、原則として期末の損金にできます。

② ほとんどの社員にメール通知したが、1人だけ送信漏れがあったケース
→ 1人でも漏れがあると、その決算賞与全体が損金にできない可能性があります。

③ メールは送ったが、送信日が期末の翌日になっていたケース
→ 「期末までに通知」の要件を満たさないため、その期の損金にはできません。

④ 期末までに通知したが、支払が翌月末ではなく翌々月になったケース
→ 「1か月以内支払」の要件を満たさず、損金算入できません。

⑤ 通知はしたが、金額が「〇〇万円程度」とあいまいな表現だったケース
→ 金額が確定していないため、要件を満たさない可能性が高いです。

⑥ 社内システムに掲載しただけで、個別に金額通知していないケース
→ 「各人別の通知」にならず、否認リスクが高くなります。

⑦ 期末までにメール送信はしたが、数名が未開封だったケース
→ 送信が適切に行われていれば、直ちにアウトになるとは限りません。

⑧ 決算賞与を役員にも同時に出しているケース
→ 役員賞与は別ルールのため、混在させると全体の処理を誤るリスクがあります。

⑨ 未払計上はしたが、損金経理の仕訳を決算で入れ忘れていたケース
→ 要件③を満たさず、その期の損金になりません。

⑩ 一部の社員だけ支給日が遅れたケース
→ 「全員に同額・同条件で支払う」要件に反し、全体否認のリスクがあります。

⑪ 派遣社員やパートだけ扱いを変えていたケース
→ 対象者の整理が不十分だと、要件違反になる可能性があります。

⑫ メールではなくチャットツールで通知したケース
→ 記録が残り、送信日時が客観的に確認できれば、基本的な考え方は同じです。

【№5 手順】

決算賞与を「その期の損金」にしたい場合は、
次の流れで準備すると、失敗のリスクを大きく下げられます。

STEP① 対象者を確定する
正社員だけか
契約社員やパートも含めるのか
派遣社員はどうするのか
まず「誰に出すのか」を確定させます。

STEP② 支給額を個人別に確定させる
氏名
支給額
を一覧にし、金額があいまいにならないようにします。

STEP③ 期末までに通知する
メールや社内システムで
期末日までに
全員に
個別金額を
必ず通知します。

STEP④ 通知した証拠を保存する
送信履歴
配信ログ
スクリーンショット
後から説明できる形で残しておきます。

STEP⑤ 決算で未払計上の仕訳を入れる
未払費用/賞与 などの仕訳を
必ず決算に反映させます。

STEP⑥ 翌月1か月以内に必ず支払う
支払日を事前に決めておく
1人でも遅れないように管理する

STEP⑦ 全体の流れに漏れがないか最終確認する
通知漏れがないか
支払スケジュールに無理がないか
証拠資料は残っているか

この流れを守れば、
決算賞与の損金算入で大きなミスをする可能性は、かなり下げられます。

【№6 FAQ】

Q1. メールではなく、社内チャットで通知しても問題ありませんか?
A1. 送信日時と内容が客観的に確認でき、証拠として残る仕組みであれば、基本的な考え方は同じです。
Q2. 1人だけ通知漏れがあった場合、その人だけダメになりますか?
A2. 原則として、その決算賞与全体が要件を満たさなくなるリスクがあります。
Q3. 期末に送ったが、社員が開封していなかった場合はどうなりますか?
A3. 「通知したかどうか」が要件のため、適切に送信していれば直ちに否認とは限りません。
Q4. 支給額を「〇万円前後」と通知した場合はどうなりますか?
A4. 金額が確定していないため、要件を満たさない可能性が高いです。
Q5. 役員と従業員を同じタイミングで支給してもいいですか?
A5. 役員賞与は別ルールのため、処理は分けて考える必要があります。
Q6. パートや契約社員も対象に含める必要がありますか?
A6. 会社の制度設計次第ですが、「対象者の整理」が曖昧だと否認リスクが高まります。
Q7. 支払日が1日だけ遅れた場合はどうなりますか?
A7. 「1か月以内支払」の要件を満たさず、その期の損金にできない可能性があります。
Q8. 銀行の都合で振込が遅れた場合もアウトですか?
A8. 原則は要件未達になります。スケジュール管理が非常に重要です。
Q9. 通知メールを削除してしまった場合はどうなりますか?
A9. 税務調査で説明できない場合、否認リスクが高まります。
Q10. 一部の社員だけ支給条件を変えても大丈夫ですか?
A10. 制度の整合性次第ですが、説明できない差はリスクになります。
Q11. 決算日が休日の場合はどうすればいいですか?
A11. その前営業日までに通知が完了している必要があります。

【№7 まとめ】

決算賞与は、
「要件さえ守れば、支給前でも損金にできる」
数少ない、非常に効果の高い制度です。
一方で、
「形式的なミス」
「運用の甘さ」
だけで、全額が否認されるリスクも抱えています。
実務で問題になるのは、
節税の考え方そのものよりも、
「運用の設計」と「証拠の残し方」です。
特に重要なのは、次の3つです。
誰に、いくら、いつ支給するのかを、期末までに確定しているか
その内容を、全員に、同じタイミングで、個別に通知しているか
決算処理と、実際の支払スケジュールが、制度要件とズレていないか
このどれか一つでも欠けると、
「一部がダメ」ではなく、
「全部がダメ」になる可能性がある点が、この制度の怖さです。
また、最近は、
メール、チャット、社内システムなど、
通知方法が多様化しています。
だからこそ、
いつ
誰に
何を
どうやって通知したのか
を、後から第三者に説明できる形で、
証拠として残しておくことが、ますます重要になっています。
決算賞与は、
「節税テクニック」ではなく、
「決算運営の設計」の一部として考えるべき制度です。
毎年の決算を、
場当たり的に処理するのではなく、
期首や期中から逆算して準備しておくことで、
はじめて安全に使える仕組みになります。
「去年と同じやり方だから大丈夫」
が、いちばん危険です。
少しでも不安がある場合は、
決算前に一度、流れを総点検することを、強くおすすめします。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3878号(2025-12-01)
「決算賞与のメール通知と損金算入時期」税務通信
参考:e-Gov法令検索
「法人税法施行令 第72条の3」(参照日:2026-01-16)
参考:国税庁タックスアンサー
「No.5285 使用人賞与の損金算入時期」(参照日:2026-01-16)

【№9 該当条文の説明】

決算賞与を「支払前なのに、その期の損金」にできる根拠は、
法人税法施行令第72条の3に定められています。
本来、賞与は、
「実際に支払った時」に損金になるのが原則です。
しかし、
この条文は、例外として、
「一定の要件を満たした未払賞与」については、
支払前でも損金にしてよい、という特別ルールを設けています。
その要件は、次の3つです。
① 各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して、
 支給額を通知していること
② その通知日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に、
 通知した金額を、通知した全員に、実際に支払っていること
③ その通知をした事業年度において、
 会計上も、きちんと損金経理をしていること
この3つは、
「どれか2つ満たせばいい」という関係ではなく、
「3つすべて満たして、はじめてOK」という関係です。
1つでも欠けると、
その賞与は、原則どおり、
「実際に支払った期の損金」に戻ります。
この制度の考え方の背景には、
「すでに会社としては支払義務が確定しており、
 金額も、相手も、支払時期も、実質的に固まっているなら、
 支払前でも、その期の費用として認めてもよい」
という発想があります。
逆に言えば、
金額があいまい
対象者があいまい
支払時期がズレている
といった状態では、
「まだ確定した費用とは言えない」
と判断され、損金算入が認められません。
この条文は、
「決算操作のための抜け道」ではなく、
「実態として確定している費用だけを、例外的に認める」
ための、かなり厳格なルールだと理解しておくことが重要です。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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