運送業や物流業は入金サイクルの長さや燃料費が世界情勢に影響を受けやすく、資金繰りが突然悪化することも少なくありません。
この記事では、運送業や物流業の事業者様に向けて資金繰りを改善するための手段をお伝えします。
- 運送業の資金調達の手段のメリット・デメリットがわかる
- 運送業の資金繰りが厳しくなる原因に応じて手だてが考えられる
- どんな会社や団体に資金調達をすべきかわかる
運送業の資金調達方法
運送業の方が資金調達の方法に迷われているとき、状況や緊急度に応じて、最適な手段を選択することが重要です。
資金調達の手段について一覧化して「入金の早さ」「特徴(メリット・デメリット)」についてまとめたのでご覧ください。
| 資金調達の手法 | 入金の早さ | 特徴 |
|---|---|---|
| ファクタリング | 最短1時間 | ・債権売却のため決算書が傷つかない ・手数料は割高になる |
| ビジネスローン | 最短即日 | ・最短即日で審査に通る ・銀行融資より利率は高い |
| トラックのリースバック | 最短1週間 | ・車両を確保したまま現金化できる ・車両の管理コストを平準化できる |
| 日本政策金融公庫の融資 | 最短3週間 | ・銀行融資より低利率で固定金利である ・業績が悪化しているときも借りやすい |
| 銀行融資 | 最短1か月 | ・大口の資金調達がしやすい ・利率が低い |
ファクタリング(売掛債権の早期現金化)
入金待ちの運賃(売掛金)を専門業者に売却し、手数料を差し引いた現金を即座に手に入れる手法です。
ファクタリングの契約方式は「2社間」と「3社間」があるため比較して図解にしました。

| メリット | ・最短即日で現金化できる ・借入金ではないため決算書の見栄えが良化しやすい ・赤字決算や税金滞納時も利用できる |
|---|---|
| デメリット | 融資よりも手数料が高い |
ファクタリングという言葉を知らない方やなんとなく怪しい印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、詳しくは「大手ファクタリング会社」の記事でも解説していますが、大企業が参入しているのがファクタリング業界の現状です。
例えば、メガバンクから地銀まで幅広い銀行がファクタリングに参入しているほか、クレディセゾングループのセゾンファンデックスやソフトバンクアカデミア出身の方が経営するペイトナーなど、信頼感があるファクタリングサービスは多数存在します。
請求業務や回収業務をセゾンファンデックスに委託することで売掛金の貸倒リスクを解消しながら、支払いサイトを5営業日に短縮することができます。
最長60日かかる資金繰りを5営業日に短縮できるため資金繰りに悩む運送業の事業者様にはファクタリングへの切り替えをおすすめします。
ビジネスローン
主にノンバンクが提供する、事業者向けの融資商品です。
| メリット | ・審査が早い ・担保や保証人が不要なケースもある |
|---|---|
| デメリット | 銀行融資より金利が高い |
ノンバンク系のビジネスローンについて詳しくは「即日融資のビジネスローン」の記事にまとめました。
記事内では14時までの審査申込で最短当日の入金が可能なキャレント(株式会社IPGファイナンシャルソリューションズ)が運営しています。貸金業登録を行って運営する貸金業者のため安心してご利用いただけます。
資金調達をお急ぎの運送業の方はご検討ください。
トラックのリースバック

自社保有のトラックをリース会社等に売却して現金を得つつ、そのままリース契約に切り替えて車両を使い続ける方法です。
| メリット | ・車両を手放さずに現金が確保できる ・車両の管理コストを平準化できる ・資産をオフバランス化できる |
|---|---|
| デメリット | 特になし |
詳細は「トラックのリースバック」の記事にて解説しました。
また、トラックのリースバックではトラック王国のリースバック「ノリース」が有名です。
最短1週間で現金化できる資金調達の手段のため、トラックをお持ちのまま急いで現金化したい方は一度ホームページをご覧ください。
日本政策金融公庫の融資
政府系金融機関による融資制度で、中小企業の強い味方です。
| メリット | ・低金利かつ固定金利 ・返済期間を長く設定できる ・業績悪化時の支援制度も豊富 |
|---|---|
| デメリット | 特になし |
事業に取り組む方を対象とした融資を行っていますが、政策としての色合いが強いため民間企業である銀行に比べて融資審査は柔軟な側面があります。例えば、業績が悪くても審査に通るケースがあるため税理士さんと作戦を立てて相談するのもよいでしょう。
銀行融資
地方銀行や信用金庫からのプロパー融資、または信用保証協会付き融資です。
| メリット | ・低コストで借りられる ・多額の資金を調達できる |
|---|---|
| デメリット | ・審査が厳格 ・実行までに1か月程度かかる |
運送業の資金繰りが厳しくなる理由
運送業は、そのビジネスモデル特有の構造からキャッシュフローが圧迫されやすい傾向にあります。
入金までのサイクルが長い
運送業界では「末締め翌々月払い(60日サイト)」などの商習慣が一般的です。売上の入金までに数ヶ月を要する一方、燃料費や高速代、人件費などの経費は先行して発生するため、常に手元の現金が不足しがちです。
燃料費の変動コストの影響が大きい
利益の大部分を左右する燃料費は世界情勢の影響を受けやすく、高騰しても即座に運賃へ転嫁することが困難です。これが突発的な資金繰り悪化の要因となります。
例えば、2026年3月にイラン情勢の影響を受けてガソリンの価格が高騰したことを受け、経済産業省では「イラン情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置について」という方針を打ち出し、運送業・物流業の支援をしている状況です。
しかし、あくまで支援事業でありいつまでこの措置が続けられるかはわかりません。ひとつの出来事で燃料費が高騰し、事業の資金繰りの計算が合わなくなってしまうのが運送業界の資金繰りを難しくする要素です。
車両維持コストが高い
トラック1台あたりの導入コストに加え、定期的な車検、メンテナンス、タイヤ交換などの維持費が重くのしかかります。車両の老朽化に伴う一斉買い替えなどは、経営に大きなインパクトを与えます。
運送業の資金調達に関するよくある質問
運送業の方が資金調達するにあたってよくある質問と回答をまとめました。
運転資金はどこから調達する?
基本は銀行・公庫の融資ですが、急な支払いやキャッシュフローの谷間にはファクタリングやビジネスローンが活用されます。また、各都道府県のトラック協会が窓口となる利子補給制度を活用できるケースもあります。
運送業許可って売れるの?
一般貨物自動車運送事業の譲渡譲受は制度上認められているため売買可能です。ただし、相手先を見つける時間や売買手続きに時間がかかるので、急ぎの資金調達のために逼迫している状況では間に合わないかもしれません。
参考:行政書士法人シグマ
運送業の開業に助成金ってもらえる?
開業そのものを目的とした助成金は稀ですが、雇用に関する助成金(キャリアアップ助成金など)や、各自治体の創業支援融資(利子補給)を組み合わせることで、初期費用の負担を軽減できる可能性があります。
助成金や補助金で資金繰りの改善ってできる?
運送業の助成金や補助金は、費用を先出してあとから行政より支払われるものが少なくありません。資金調達自体は可能ですが、資金繰りの面で言えば費用の先出しに変わりないため留意しましょう。
運送業の資金繰りが厳しい理由は?
運送業の資金繰りが厳しい最大の理由は、収益構造と支払構造のミスマッチです。燃料・人件費といった現金流出が先行し、運賃が数ヶ月後に遅れてやってくるため、常に一定以上のキャッシュをプールしておかなければ黒字倒産のリスクがつきまといます。