小規模宅地特例(特定事業用宅地等)の落とし穴と判定ポイント

2026年2月16日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「小規模宅地特例(特定事業用宅地等)の落とし穴と判定ポイント」をお伝えさせていただきます!

相続税の申告において、「小規模宅地等の特例」は、
税額を大きく左右する、非常に重要な制度の一つです。
特に事業をされている社長の場合、
「事業用の土地をどこまで評価減できるか」によって、
相続税が数百万円、場合によっては数千万円単位で変わることもあります。

一方で、この特例は、
「使えたらラッキーな制度」ではなく、
「要件を一つでも外すと使えない制度」でもあります。
近年は、相続直前の節税目的の対策を防ぐため、
制度改正が重ねられ、ルールはかなり複雑になっています。
特に、令和元年度改正以降は、
「特定事業用宅地等」の判定が、実務上とても難しくなりました。
建替えや移転をしている
一時的に休業している
土地の一部を自宅や倉庫として使っている
相続の数年前に土地を取得している
このようなケースでは、
「使えると思っていたのに、実は使えなかった」
ということが、現実に起きています。

この記事では、
小規模宅地特例の中でも特に判断が難しい
「特定事業用宅地等」について、
どこがチェックされるのか
どんなときに否認リスクが高いのか
どう整理しておけば安全なのか
を、できるだけ専門用語を使わずに、
社長にもイメージできる形で解説していきます。
「うちは昔から事業をやっているから大丈夫」
そう思っている方ほど、ぜひ一度、確認してみてください。

【№2 結論】

★重要
小規模宅地特例の「特定事業用宅地等」は、
今の実務では、かなり慎重に判定される制度になっています。
結論から言うと、次の考え方がとても重要です。
相続開始前3年以内に「新たに事業の用」に入った土地は、原則として厳しい
ただし、事業として十分な投資実態があれば、例外的に救済されることがある
建替えや移転など、「事業の継続」と説明できるかどうかが分かれ目になる
判定は「気持ち」ではなく、「日付・金額・資料」で決まる
つまり、
「実際に事業をやっているか」だけでは足りず、
「いつから」「どんな形で」「どれくらいの規模で」
やっているかまで、見られる時代になっています。
特に注意が必要なのは、次のようなケースです。
相続の数年前に、事業用の土地を新しく買っている
高い土地に移転し、簡易な建物で営業している
建替え中、休業中、用途が混在している
事業の内容や規模が、相続前後で変わっている
これらはすべて、
「新たに事業の用に供された土地ではないか」
という視点でチェックされます。
一方で、
昔から同じ場所で事業をしている
建替え後すぐに再開している
事業として十分な設備投資をしている
このような場合は、
きちんと説明できれば、特例が守れる可能性も十分にあります。
★結論としては、
この制度は「使えるか・使えないか」を感覚で判断するものではなく、
「説明できる証拠を揃えられるか」で決まる制度だということです。
相続が起きてから慌てるのではなく、
事業用不動産を動かすタイミングで、
「将来の相続でどう見られるか」を意識しておくことが、
結果的に、一番の節税対策になります。

【№3 やさしい解説】

小規模宅地特例は、土地の評価を下げる制度です。
社長の事業や家族の生活を守る目的があります。
対象の一つが「特定事業用宅地等」です。
これは、被相続人の事業の土地を引き継ぐ場面です。
令和元年度改正で、次が強く意識されました。
「相続直前に高い土地を買って節税だけする」問題です。
そのため、相続開始前3年以内に新たに事業に使った土地は、
原則として特例の対象から外れる方向になりました。
ただし、例外も用意されています。
その土地の上の事業に必要な設備投資が一定以上なら、
形式ではなく実体がある事業として扱う考え方です。
目安として、設備等の価額が土地価額の15%以上です。
これをここでは「15%要件」と呼びます。
また、建替えのように「同じ事業の継続」と見える場合は、
「新たに事業に使った土地」とは扱わない整理もあります。
つまり、事業の継続性と実体がポイントになります。
★注意
土地の使い方が、居住・貸付・事業で混ざることがあります。
そのときは、部分ごとに判定されることがあります。
「全部いけるはず」と決め打ちすると危険です。
静岡・浜松の中小企業さまへ。
事業用不動産の相続は、登記より先に要件整理が重要です。
顧問税理士と早めに、事業の実態と書類を固めましょう。

【№4 具体例】

① 相続の2年前に空き地を買い、倉庫を建てて事業開始。投資が小さく、15%要件も満たさず、特定事業用宅地等が外れる。

② 相続の1年前に事業所を移転し、新拠点の設備投資が土地価額の20%。新規取得でも15%要件で救済される可能性が高い。

③ 以前から同じ場所で工場を運営。相続の2年前に建替えし、完成後すぐ再開。継続とみられ「新たに事業」扱いを避けられる余地。

④ 店舗の建替え後、半分を自宅に変更。事業部分だけの判定になり、面積按分で一部のみ特例の対象になり得る。

⑤ 相続の直前に既存店舗を売り、単価の高い土地を買い、仮設の建物で営業開始。実体が薄いと否認リスクが高い。

⑥ 事業用地だが、相続前に一時的に駐車場として貸付に転用。用途が混ざり、事業用としての継続性の説明が必要になる。

⑦ 災害で休業中。再開準備を進めているが、休業中に一部を別用途に使った。やむを得ない利用でも説明資料が必要になる。

⑧ 被相続人が相続で取得した事業用地を、取得後すぐ事業に使い続けていた。所有期間3年未満でも例外扱いとなる可能性がある。

⑨ 事業は同じ小売だが、業態を少し変更(物販→テイクアウト中心)。事業の同一性の説明が弱いと「別事業」扱いの懸念。

⑩ 2つの事業を同じ敷地で運営。相続後に片方をやめた。残る事業部分のみ特例対象になる整理が必要。

⑪ 事業用建物の移転で、旧建物を解体し新築中に相続。準備行為の状況次第で、継続として扱える余地がある。

⑫ 相続直前に「使っていない土地」を突然事業用に変更。実態が伴わないと「新たに事業」扱いになりやすい。

【№5 手順】

STEP① まず土地の区分を決めます
対象は「特定事業用宅地等」かを確認します。
事業用・居住用・貸付用が混在するなら面積で分けます。

STEP② 「いつから事業に使っていたか」を時系列で並べます
相続開始前3年以内に「新たに事業の用」に入ったかが核心です。
移転・建替え・休業の期間も、必ず日付で整理します。

STEP③ 「新たに事業」の可能性があるなら15%要件を検討します
土地の相続時価と、事業に使う資産の相続時価を並べます。
目安は、資産価額が土地価額の15%以上です。
建物、附属設備、構築物、減価償却資産などを洗い出します。

STEP④ 「継続していた」と言える材料を集めます
建替えなら、旧建物の解体理由、工期、再開時期を示します。
休業なら、再開準備の証拠(見積、発注、求人、仕入など)を集めます。
転業なら、「同じ事業」と言える説明資料を用意します。

STEP⑤ 申告書の添付書類を整えます
15%要件を主張する場合は、資産の種類、数量、価額、所在の明細が重要です。
土地と資産の評価の根拠資料を、同じフォルダにまとめます。

STEP⑥ 最終チェックをします
「相続開始前3年以内」の該当性。
15%要件の計算。
面積按分の根拠。
事業承継の実態(申告期限までの継続)。
★重要
特例は「結論」より「説明の筋」が命です。
税務署が追える形で、時系列と証拠を揃えるのが勝ち筋です。

【№6 FAQ】

Q1. 相続の2年前に買った事業用地は絶対にダメですか。
A1. 原則は厳しいです。ただし15%要件を満たすと救済の余地があります。

Q2. 15%要件の「資産」には何が入りますか。
A2. 建物や附属設備、構築物、事業に使う減価償却資産が中心です。

Q3. 15%要件の計算は、取得価額でいいですか。
A3. 原則は相続開始時点の価額ベースで考えます。評価根拠が重要です。

Q4. 建替え中に相続が起きたら、その土地は「新たに事業」に入りますか。
A4. 速やかな再開が確実で、継続の実態があれば、継続扱いの余地があります。

Q5. 建替え後に建物の一部を自宅にしたらどうなりますか。
A5. 事業部分だけが対象になりやすいです。面積按分の説明が必要です。

Q6. 休業していたら特例は使えませんか。
A6. 休業でも再開準備が進んでいれば、継続として扱える可能性があります。

Q7. 災害で一時的に別用途に使った場合はアウトですか。
A7. 緊急・臨時・一時の利用なら、制度趣旨から直ちに否定されない整理が考えられます。
ただし説明資料は必須です。

Q8. 事業を小売から卸に変えたら転業でダメですか。
A8. 事業の同一性が残るなら、直ちに「新たに事業」とは限りません。
ただ、実態説明が弱いと争点になります。

Q9. 相続後に一部の事業をやめたらどうなりますか。
A9. やめた部分は対象外になり、残る事業部分のみ対象になる整理が一般的です。

Q10. 申告期限まで事業を続けないといけませんか。
A10. 特定事業用宅地等は、申告期限までの保有と事業継続が基本条件です。

Q11. 「何も使っていない土地」を事業用にしたら特例は使えますか。
A11. 相続前3年以内だと「新たに事業」判定に入りやすく、要件クリアが難しくなります。

Q12. 静岡や浜松の小規模企業でも注意点は同じですか。
A12. 同じです。特に「倉庫・作業場・駐車場」が混在しやすいので、用途と面積の整理が重要です。

【№7 まとめ】

小規模宅地特例のうち、特定事業用宅地等は、
「本当に事業を守るための土地か」が強く見られます。
特に、次の3点が実務の分かれ目です。
相続開始前3年以内に「新たに事業の用」に入っていないか。
形式だけの事業ではなく、実体ある投資と運営か。
事業が相続後、申告期限まで継続しているか。
★重要
建替え、移転、休業、用途混在などがあると、
「新たに事業」判定に入るかどうかが争点になります。
「昔からやっているから大丈夫」という感覚は危険です。
日付、工事、再開、投資額を、証拠で説明できるかが重要です。
静岡市、浜松市の中小企業さまでも、
工場、倉庫、作業場、店舗の建替えや移転は珍しくありません。
そのたびに、将来の相続を意識した整理をしておくと、
いざという時に大きな差が出ます。

【№8 出典】

出典:『税務通信』第3878号(2025年12月01日)
「小規模宅地特例における特定事業用宅地等に係る留意点」税理士 加藤 千博
参考:国税庁タックスアンサー
「No.4124 小規模宅地等の特例」
(参照日:2026-01-16)
参考:国税庁タックスアンサー
「No.4152 小規模宅地等の特例の適用要件」
(参照日:2026-01-16)
参考:e-Gov法令検索
「租税特別措置法 第69条の4」
(参照日:2026-01-16)
参考:e-Gov法令検索
「租税特別措置法施行令 第40条の2」
(参照日:2026-01-16)
参考:e-Gov法令検索
「租税特別措置法関係通達 69の4-5、69の4-16、69の4-20の2」
(参照日:2026-01-16)

【№9 該当条文の説明】

ここでは、今回のテーマに直接関係する条文を、
「何を守るためのルールか」という視点で整理します。

■ 租税特別措置法 第69条の4(小規模宅地等の特例)
この条文が、小規模宅地特例そのものの根拠です。
事業や居住を続けるために、土地の評価を下げる制度です。
ただし、無条件ではなく、用途や継続要件が細かく決まっています。
特定事業用宅地等は、その中でも「事業を引き継ぐ場合」の区分です。
相続開始から申告期限まで、土地を持ち続け、事業も続けることが原則です。

■ 租税特別措置法施行令 第40条の2
ここで、面積の計算方法や、対象になる部分の考え方が決まります。
建物の一部だけが事業用の場合は、その部分対応で判定します。
「全部かゼロか」ではなく、「部分ごとに見る」発想の根拠条文です。

■ 措置法関係通達 69の4-5(建築中等)
建替えや移転で一時的に使っていなくても、
事業の準備が進んでいて、すぐ再開する状況なら、
「継続している」と見てよい、という実務ルールです。
工事期間や準備状況の説明が、とても重要になります。

■ 措置法関係通達 69の4-16(転業・廃業)
相続後、申告期限までの間に、
事業を全部やめたり、全く別の事業に変えた場合はアウトです。
ただし、一部をやめただけなら、残る部分は生きる整理になります。

■ 措置法関係通達 69の4-20の2(新たに事業の用に供された宅地等)
ここが、令和元年改正の実務の中核です。
「居住や貸付など、事業以外から事業に変えた」
「何も使っていなかった土地を事業に使い始めた」
この2つが、典型的な「新たに事業」に当たります。
一方で、継続的な建替えや、災害後の再開などは、
「新たに事業」には当たらない整理も明示されています。
★重要
条文と通達は、「どこで線を引くか」を示す地図です。
実務では、この地図に事実関係を当てはめる作業になります。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
※当事務所はDXを経営に活かすことを推進しており、当ブログはAIを活用して生成しています。実際の税制や政策、判例、事件、事象を元に作成していますが、正確な内容や最新の情報とは異なる場合がありますことをご了承くださいませ。
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