相続直前3年以内に取得した不動産の評価と、貸家建付地・貸家の評価減の注意点

2026年2月17日

【№1 はじめに】

こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「相続直前3年以内に取得した不動産の評価と、貸家建付地・貸家の評価減の注意点」についてお伝えさせていただきます!

相続税対策として、
「不動産を買えば評価が下がる」
という話を聞いたことがある社長は多いと思います。
たしかに、貸家建付地や貸家は、自用の土地や建物よりも評価が下がる仕組みになっています。
しかし、相続の直前に買った不動産については、
この“評価が下がる仕組み”が制限されるルールがあります。
それが、
「課税時期前3年以内に取得した土地等・家屋等」
というルールです。
このルールを正しく理解していないと、
評価が下がると思って買ったのに、ほとんど下がらなかった
税務署から評価のやり直しを求められた
想定よりも相続税が数百万円単位で増えた
といったことが、実際に起こります。
特に、
賃貸マンションを買った
区分マンションを複数買った
買ってからすぐに賃貸に回した
というケースでは、要注意です。

この記事では、
そもそも「3年以内ルール」とは何か
どんな場合に評価減が使えて、どんな場合に使えないのか
実務でどう整理すべきか
を、できるだけ専門用語を使わずに解説していきます。

【№2 結論】

先に結論からお伝えします。
相続直前3年以内に取得した不動産については、
「原則として、時価に近い金額で評価される」
という、とても厳しいルールがあります。
そのため、
取得時も課税時もずっと賃貸していた物件
→ 原則として、貸家建付地・貸家の評価減は使えません。
取得時は自用、課税時に賃貸している物件
→ 条件次第で、貸家建付地・貸家の評価減が使える可能性があります。
この「取得時の利用状況」と「相続時の利用状況」の違いが、
実務では決定的に重要になります。
★重要
「相続の直前に不動産を買って貸せば評価が下がる」
という単純な話では、もうありません。

【№3 やさしい解説】

まず、大前提の考え方から整理します。
相続税の世界では、
「財産は原則として時価で評価する」
という考え方が基本にあります。
ただし、
土地や建物は、毎回時価を出すのが大変なので、
国が決めた「評価ルール(通達)」で計算することになっています。
このルールを使うと、
貸家建付地
貸家
については、
「他人に貸していて自由に使えない」
という理由で、評価が下がる仕組みになっています。
ところが、
この仕組みを使って、
「相続の直前に不動産を買って、形だけ貸す」
という対策が横行しました。
そこで、
それを防ぐために作られたのが、
「課税時期前3年以内に取得した不動産は、原則として取得価額ベースで評価する」
というルールです。
つまり、
最近買った不動産は、原則として“評価を下げさせない”
という考え方です。
ただし、
ここで問題になるのが、
「取得したときの使い方」と「相続時の使い方」が違うケースです。
買ったときは自社利用
その後に賃貸に回した
こうした場合まで、
一律に「評価減なし」としてよいのか。
ここが、実務で非常に悩ましいポイントになります。

【№4 具体例】

ここからは、実務で実際に問題になりやすいケースを、
できるだけ社長の感覚でイメージできる形で整理します。
① 取得時も相続時もずっと賃貸中の区分マンション
もともと賃貸中の物件を購入し、そのまま相続時まで貸していたケースです。
この場合、購入時の価格は「すでに賃貸中」という事情を織り込んだ価格です。
したがって、課税時期前3年以内に取得している場合は、原則として評価減は使えません。

② 自社利用していた建物を購入し、その後すぐ賃貸に回したケース
取得時は自用、相続時は賃貸という形です。
取得価額は「自用」としての価格です。
相続時点では「貸している状態」なので、評価の考え方を切り替える合理性があります。
この場合は、貸家建付地・貸家の評価減が認められる余地があります。

③ 同族から未利用の建物を鑑定評価で買い、その後賃貸したケース
取得時は空き家、評価は自用前提の鑑定評価。
相続時は賃貸中。
実態としては②と同じ構造なので、評価減が認められる可能性が高くなります。

④ 新築の一棟マンションを建てて、そのまま賃貸したケース
取得時から賃貸目的で建てています。
取得価額は「賃貸前提の投資価格」です。
この場合は、原則として評価減は使えません。

⑤ 中古の一棟マンションを賃貸中の状態で購入したケース
取得時も相続時も賃貸です。
取得価額にすでに賃貸事情が織り込まれています。
この場合も、原則として評価減は使えません。

⑥ 取得後しばらく自社の倉庫として使い、その後賃貸に回したケース
取得時は自用、相続時は賃貸です。
使用実態が明確に変わっています。
この場合は、評価減が認められる余地があります。

⑦ 土地だけ先に買って、しばらく空き地のまま、その後アパートを建てたケース
取得時は自用地。
相続時は貸家建付地。
この場合も、評価減が認められる可能性があります。

⑧ 相続直前に形式的にだけ賃貸したケース
実態が伴っていないと判断されると、否認リスクが高くなります。
契約内容、入居状況、賃料設定などがチェックされます。

⑨ 一部だけを賃貸にしているケース
建物の一部が自用、一部が賃貸という場合です。
この場合は、賃貸部分に対応する土地・建物だけが評価減の対象になります。

⑩ 法人で買った不動産が株式評価に影響するケース
不動産そのものではなく、会社の株価評価に影響します。
3年以内取得ルールは、ここでも同じように問題になります。

【№5 手順】

では、実務でどういう順番でチェックすればよいかを整理します。

STEP① その不動産は「相続の3年以内に取得したか」を確認する
まずここがスタートラインです。
3年超なら、通常の評価ルールです。

STEP② 取得時の利用状況を確認する
自社利用だったのか。
すでに賃貸されていたのか。
未利用だったのか。

STEP③ 相続時の利用状況を確認する
自用か。
賃貸か。
一部だけ賃貸か。

STEP④ 取得価額が「どの利用形態を前提にした価格か」を整理する
自用前提の価格なのか。
賃貸前提の投資価格なのか。
ここが一番重要です。

STEP⑤ 「取得時と課税時で、評価の前提が変わっているか」を判断する
変わっていれば、評価減を検討する余地があります。
変わっていなければ、原則として評価減は使えません。
★重要
「今、貸しているかどうか」だけでは決まりません。
「いくらで、どんな前提で買ったか」が、必ずセットで見られます。

【№6 FAQ】

ここでは、実務の現場で実際によく聞かれる質問を整理します。
Q1. 相続の2年前に買った賃貸マンションは、評価は下がりますか?
A1. 取得時から賃貸前提で買っている場合は、原則として下がりません。取得価額にすでに賃貸事情が反映されていると考えられるからです。

Q2. 相続の1年前に買って、すぐ貸した場合はどうですか?
A2. 取得時の価格が自用前提なら、評価減が認められる可能性があります。

Q3. 新築アパートを建てた場合はどうなりますか?
A3. 取得時から賃貸前提と考えられるため、原則として評価減は使えません。

Q4. 形式的に一室だけ貸した場合でも評価は下がりますか?
A4. 実態がないと判断されると否認リスクが高くなります。賃料、契約内容、入居実態が見られます。

Q5. 一部を自宅、一部を賃貸にしている場合はどうなりますか?
A5. 賃貸部分に対応する土地・建物の部分だけが評価減の対象になります。

Q6. 相続後にすぐ売る予定でも評価減は使えますか?
A6. この制度は相続時点の利用状況で判断されます。売却予定自体は直接の否認理由にはなりません。

Q7. 法人で買った不動産も同じルールですか?
A7. はい。会社の株価評価の中で、同じ考え方が使われます。

Q8. 静岡や浜松でよくある「事業用兼賃貸」の建物はどう扱いますか?
A8. 事業用部分と賃貸部分を分けて、それぞれ別に評価します。

Q9. 税務署はどこをチェックしますか?
A9. 売買契約書、賃貸契約書、入居状況、賃料水準、資金計画などを総合的に見ます。

Q10. 相続対策として不動産を買うのはもう意味がないのですか?
A10. そんなことはありません。ただし「買うタイミング」と「使い方の設計」がより重要になっています。

Q11. 相続の3年と少し前に買えば大丈夫ですか?
A11. 形式的には対象外になりますが、別の否認リスクが出る場合もあるため、慎重な設計が必要です。

【№7 まとめ】

今回のテーマである、
「相続直前3年以内に取得した不動産の評価」については、
これまでの“節税の常識”がかなり通用しなくなっています。

特に重要なのは、次の3点です。
いつ買ったか
どんな前提の価格で買ったか
相続時にどう使っていたか
この3つの組み合わせで、評価の結論は大きく変わります。
★重要
「今は貸しているから評価は下がる」
という単純な話ではありません。
「取得時点の性格」と「相続時点の性格」が同じなら、
原則として評価は下がらない、
というのが今の実務の考え方です。
一方で、
取得時は自用
相続時は賃貸
というように、実態がはっきり変わっている場合には、
評価減が認められる余地は、きちんと残されています。
相続対策として不動産を使うこと自体が、
否定されたわけではありません。

しかし、
タイミング
使い方
取得価格の考え方
まで含めて、最初から設計していかないと、
「思ったほど下がらなかった」
という結果になりやすくなっています。

特に、静岡や浜松のように、事業用不動産と賃貸不動産が混在しやすい地域では、
この論点は非常に現実的な問題になります。

【№8 出典】

出典:
『税務通信』第3878号(2025-12-01)
「タックスフントウ(奮闘)第159回 課税時期前3年以内に取得した土地等及び家屋等の価額(相続税)」
(媒体名:税務通信)
参考:
国税庁タックスアンサー
「No.4608 土地や家屋の評価」
(参照日:2026-01-16)
参考:
e-Gov法令検索
「相続税法」および「財産評価基本通達(評価通達)」
(参照日:2026-01-16)

【№9 該当条文の説明】

ここでは、今回のテーマに関係する条文や通達を、できるだけやさしく説明します。
まず、大前提として、
相続税の財産評価は、
「財産評価基本通達」というルールブックに従って行われます。

この通達では、
土地は原則として路線価などで評価する
建物は固定資産税評価額をベースに評価する
という、いわば「簡便な計算ルール」が定められています。
そして、
貸家
貸家建付地
については、
「他人に貸していて自由に使えない」
「権利関係が付いている分、価値は下がる」
という考え方から、
一定の評価減を認める仕組みになっています。
これが、いわゆる
「貸家建付地・貸家の評価減」
です。

一方で、
このルールをそのまま使うと、
「相続の直前に不動産を買って、形だけ貸す」
という対策が、いくらでもできてしまいます。
そこで、
財産評価基本通達では、
「課税時期前3年以内に取得した土地や建物については、
原則として、時価に近い取得価額を使う」
という調整ルールを置いています。
これが、
いわゆる
「3年以内取得不動産の評価ルール」
です。
このルールの趣旨は、とてもシンプルです。
最近買った不動産については
まだ“時間の経過による事情の変化”がない
だから、評価を下げさせない
という考え方です。
ただし、
ここで問題になるのが、
買ったときは自用だった
その後に賃貸に回した
といったように、
「取得時点と相続時点で、使い方が変わっているケース」です。
この場合、
取得価額は「自用前提の価格」であり、
相続時点の実態は「賃貸」という、
ズレが生じます。
そのズレをどう考えるか、
というのが、今回の記事のテーマでした。
実務上は、
取得価額がどんな前提で決まっているか
相続時の利用実態はどうか
形式だけの賃貸ではないか
といった点を、
総合的に見て判断されることになります。

【№10 おわりに】

最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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