事業を廃止してから2年以内に再開した場合の消費税の扱い
2026年3月1日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
私たちは「私たちに関わる全ての人を幸せにする」という理念を元に、「最先端のIT技術を活用して中小企業の業務生産性を爆上げする最高の税理士法人」となるべく、日々精進しています!
本日は、「事業を廃止してから2年以内に再開した場合の消費税の扱い」をお伝えさせていただきます!
「一度事業をやめたから、しばらくは消費税は関係ないですよね?」
実は、こうしたご相談は、静岡や浜松の個人事業主の方からも非常に多く寄せられます。
特に、
体調不良で一時休業した
法人化や業態転換のために一度廃業した
別の仕事をしていたが、また事業に戻った
このようなケースでは、
「再開した年は免税になるのか、それとも課税されるのか」
で大きく税額が変わってきます。
さらに、
「簡易課税はすぐ使えるのか?」
という点も、実務では非常に重要なポイントになります。
今回は、
「廃業してから2年以内に再開した場合の消費税の基本ルール」
を、できるだけやさしく整理していきます。
【№2 結論】
結論から申し上げますと、
事業をいったん廃止していても、2年以内に再開した場合には、消費税の扱いが「リセット」されるわけではありません。
消費税の納税義務は、原則として
「その年の2年前(基準期間)の課税売上高が1,000万円を超えているかどうか」
によって判定されます。
そのため、
途中で事業をやめていた期間がある
廃業届を出していた
再開時には設備も取引先も一新している
このような事情があったとしても、
前々年に事業をしていて、売上が1,000万円を超えていれば、再開した年でも課税事業者になる可能性があります。
また、簡易課税制度についても、
「事業開始の年の特例」が使える場合には、
再開した年から適用できるケースがあります。
ただし、これは
「自動的に適用される制度」ではありません。
簡易課税制度選択届出書をきちんと提出しているか
その年が制度上「事業開始」に該当するといえるか
基準期間の売上が5,000万円以下であるか
といった条件を、すべて満たす必要があります。
つまり、今回のテーマは、
「再開=有利になる」でもなければ、「再開=リセット」でもない
という点が、最も重要なポイントです。
再開の仕方や、過去の売上の状況、
そして届出のタイミング次第で、
消費税の扱いは大きく変わります。
だからこそ、
「再開する前」または「再開した直後」のタイミングで、
一度きちんと整理しておくことが、
将来の税務リスクを避ける一番確実な方法になります。
特に、インボイス制度の影響で、取引先から「課税事業者であること」を求められるケースも増えていますので、
再開時の消費税区分の判断は、経営判断の一部として考える視点も重要になっています。
【№3 やさしい解説】
まず、消費税には「納税義務の判定」という大原則があります。
これは簡単に言うと、
「原則として、2年前の売上が1,000万円を超えていれば、今年は消費税を納める立場になる」
というルールです。
個人事業主の場合、
2025年の消費税の判定は、2023年の売上で決まります。
ここで重要なのは、
「途中で事業をやめていたかどうか」は、この判定には基本的に関係ない
という点です。
つまり、
2023年:売上が1,200万円あった
2024年:廃業した
2025年:事業を再開した
この場合、2025年の基準期間は2023年になりますので、
2025年は課税事業者になる、という判定になります。
「一度やめたから免税に戻る」という扱いにはならない、という点が、
多くの方が勘違いしやすいポイントです。
一方で、「簡易課税制度」については、少し違う考え方をします。
簡易課税は、
基準期間の売上が5,000万円以下で、かつ、所定の届出を出している場合に使える制度
です。
通常は、
「使いたい年の前の年の末までに届出が必要」
というルールがあります。
しかし、
新しく事業を始めた場合や、再開した場合には、特例でその年から使える仕組み
が用意されています。
ここでポイントになるのが、
「今回の再開は、税務上『事業を開始した』と扱われるかどうか」
という点です。
事業廃止届を出して、
その後に事業開始届を出している場合は、
形式上は「新たに事業を開始した」扱いになります。
そのため、
納税義務の判定は「過去の売上」で決まる
簡易課税の適用は「再開した年から選べる可能性がある」
という、少しややこしい構造になります。
このズレを理解していないと、
「課税なのに簡易が使えないと思い込む」
「簡易を出し忘れて原則課税になる」
といったミスにつながります。
特に、静岡や浜松の個人事業主の方で、
「一度たたんで、また始めた」というケースでは、
この論点はかなりの頻度で問題になります。
【№4 具体例】
① 2023年の売上が1,200万円、2024年に廃業、2025年に再開した場合
→ 基準期間は2023年になるため、2025年は課税事業者になります。廃業していた事実は判定に影響しません。
② 2023年の売上が800万円、2024年に廃業、2025年に再開した場合
→ 基準期間の売上が1,000万円以下なので、2025年は免税事業者になります。
③ 2023年の売上が3,000万円、2024年に廃業、2025年に再開した場合
→ 2025年は課税事業者です。あわせて、簡易課税の対象にもなり得ます。
④ 2025年に再開したタイミングで「簡易課税制度選択届出書」を提出した場合
→ 事業開始の特例により、2025年から簡易課税を使える可能性があります。
⑤ 2025年の途中、6月から事業を再開した場合
→ それでも2025年全体が1つの課税期間として扱われ、基準期間で判定します。
⑥ 廃業届を出さず、実質休業していただけの場合
→ 「再開」ではなく「継続」と見られる可能性があり、扱いが変わることがあります。
⑦ 2024年に廃業し、2025年にまったく別の業種で再開した場合
→ 原則としては同一人の事業再開と考えられ、基準期間は引き継がれます。
⑧ 法人化のために個人事業を廃止し、翌年また個人で再開した場合
→ 個人としての再開であれば、基準期間の判定は過去の個人事業の売上を使います。
⑨ 2023年の売上が4,800万円だった場合
→ 2025年は課税事業者で、かつ簡易課税の対象になります。
⑩ 2023年の売上が6,000万円だった場合
→ 2025年は課税事業者ですが、簡易課税は使えません。
⑪ 2025年に簡易課税の届出を出し忘れた場合
→ 原則課税で申告することになります。あとから簡易には切り替えられません。
【№5 手順】
ここでは、事業を再開したときに最低限確認しておきたい流れを整理します。
STEP① 2年前(基準期間)の売上を確認する
まず「再開する年の2年前の売上」がいくらだったかを確認します。
1,000万円超なら課税、1,000万円以下なら免税が原則です。
STEP② 5,000万円以下かどうかも確認する
簡易課税が使えるかどうかの判定に使います。
STEP③ 廃業届と開業届の提出状況を確認する
きちんと「事業開始」として扱えるかどうかを整理します。
STEP④ 簡易課税を使いたいか検討する
業種や経費構造によって、有利不利が変わります。
STEP⑤ 使う場合は「簡易課税制度選択届出書」を提出する
原則は期限がありますが、再開の場合は特例でその年から使える可能性があります。
STEP⑥ 期限と提出状況を必ず記録に残す
出し忘れは取り返しがつきません。
【№6 FAQ】
Q1. 一度廃業したら消費税はリセットされますか?
A1. いいえ。原則として「2年前の売上」で判定されます。
Q2. 廃業期間が1年あっても関係ありませんか?
A2. はい。基準期間に売上があれば、その数字が使われます。
Q3. 再開した年は必ず免税になりますか?
A3. なりません。過去の売上次第で課税になります。
Q4. 再開した年から簡易課税は使えますか?
A4. 届出を出せば使える可能性があります。
Q5. 簡易課税の届出はいつまでに出せばいいですか?
A5. 原則は前期末までですが、再開の場合は特例があります。
Q6. 出し忘れたらどうなりますか?
A6. その年は原則課税で確定します。
Q7. 廃業届を出していなかった場合はどうなりますか?
A7. 「再開」ではなく「継続」と扱われる可能性があります。
Q8. 業種を変えて再開した場合も同じ扱いですか?
A8. 原則として同一人の事業として判定されます。
Q9. 法人化してまた個人に戻った場合はどうなりますか?
A9. 個人の基準期間は、過去の個人事業の売上で判定します。
Q10. 静岡や浜松で開業した場合も同じルールですか?
A10. はい。全国共通のルールです。
Q11. 判断に迷ったらどうすればいいですか?
A11. 早めに税理士へ相談することをおすすめします。
【№7 まとめ】
事業をいったん廃止してから再開した場合でも、
消費税の判定は「ゼロからのスタート」になるとは限りません。
消費税では、原則として
「その年の2年前の売上(基準期間)」
によって、課税事業者か免税事業者かを判定します。
そのため、
廃業していた期間があっても
いったん事業をやめて、再開していても
過去の売上が1,000万円を超えていれば、
再開した年でも課税事業者になる可能性があります。
また、簡易課税制度についても、
「事業開始の年の特例」が使える場合には、
再開した年から適用できるケースがあります。
ただし、
届出書を出し忘れた
期限を過ぎてしまった
実は要件を満たしていなかった
このような場合には、
思っていた処理ができず、原則課税での申告が必要
になることも少なくありません。
特に、静岡市や浜松市でこれから事業を再開される方や、
再開と同時に売上の拡大を見込んでいる方は、
最初の消費税の判定を間違えると、
あとから大きな修正や追徴につながるリスクもあります。
消費税は、
「最初の判断」と「最初の届出」で、
数年単位の税負担が大きく変わる税金です。
再開のタイミングこそ、
一度きちんと整理してからスタートすることが、
結果的に一番安全で、一番ラクな選択になります。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3880号(2025年12月15日)
「税務相談 消費税 事業を廃止して2年以内に事業を再開した場合の課税関係」 税務通信
参考:国税庁タックスアンサー「No.6501 納税義務者の判定」(参照日:2026-01-29)
参考:e-Gov法令検索「消費税法第9条」「消費税法第37条」「消費税法施行令第20条」「消費税法施行令第56条」(参照日:2026-01-29)
【№9 該当条文の説明】
まず、消費税の納税義務の基本ルールは、
消費税法第9条に定められています。
この条文では、
「基準期間(原則としてその年の前々年)の課税売上高が1,000万円以下であれば、その年は免税事業者になる」
という仕組みが定められています。
裏を返すと、
前々年の課税売上高が1,000万円を超えていれば、その年は課税事業者になる
ということになります。
ここで重要なのは、
この判定においては、
「その途中に事業を廃止していたかどうか」は、原則として考慮されていない
という点です。
あくまで、
「前々年に事業をしていて、売上があったかどうか」
が機械的に使われます。
次に、簡易課税制度については、
消費税法第37条により、
基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、
一定の届出をすることで選択できる制度とされています。
さらに、
消費税法施行令第56条では、
「事業を開始した課税期間」については、
その課税期間から簡易課税を適用できる、という特例が設けられています。
また、
消費税法施行令第20条では、
「事業を開始した日の属する課税期間の範囲」
について定義が置かれています。
これらの規定の組み合わせにより、
形式的に「事業開始」といえるかどうか
実質的に「単なる再開」や「継続」と見られないか
届出のタイミングが適切かどうか
といった点が、実務上は重要な判断ポイントになります。
条文だけを見ると単純に見えますが、
実際の税務調査では、
「実態としてどうだったのか」
という点まで踏み込んで確認されることも少なくありません。
そのため、
再開時の届出関係や、事業実態の整理は、
後から説明できるように、きちんと整えておくことが非常に重要になります。
実務上は、
「書類上は廃業・開業でも、実態は継続ではないか」
という視点で見られることもありますので、
形式と実態のズレが出ないよう整理しておくことが、安全な税務対応につながります。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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