使用人兼務役員に支給する“使用人分の決算賞与”は、どこまで損金にできるのか?
2026年2月28日
【№1 はじめに】
こんにちは!
静岡市、浜松市から全国へ向けて「IT×税務会計×補助金=経営革新」を発信して、「日本一わかりやすい税理士事務所」を目指す最高のIT税理士法人です!
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本日は、
「使用人兼務役員に支給する“使用人分の決算賞与”は、どこまで損金にできるのか?」
というテーマについて解説します。
決算賞与は、
「うまく使えば節税になる」
「でも一歩間違えると否認される」
という、非常にグレーゾーンが多い論点です。
特に、
社長や役員が現場もバリバリやっている会社
役員でありながら営業や現場責任者も兼ねている会社
売上への貢献度で賞与額を決めている会社
こうした会社では、
「この賞与、どこまでが経費になるのか?」
という悩みがほぼ必ず出てきます。
今回は、
「使用人兼務役員」という少し難しい立場の人に支給する決算賞与
について、税務上どこがラインになるのかを、できるだけ噛み砕いて解説していきます。
【№2 結論】
結論からお伝えします。
使用人兼務役員に支給する“使用人分の決算賞与”は、条件を満たせば損金になります。
ただし、その金額が大きすぎると「役員賞与が混ざっている」として否認されるリスクがあります。
つまり、ポイントは次の2つです。
① 手続き面の要件をきちんと満たしているか
② 金額が「他の使用人と比べて不自然に大きくないか」
このどちらかが欠けると、
「これは実質的には役員賞与では?」
という指摘を受けやすくなります。
特に注意が必要なのは、
「売上への貢献度が高いから」という理由だけで、使用人兼務役員に極端に高額な賞与を出しているケースです。
税務署は、
「その金額、本当に“使用人”としての対価ですか?」
という目で見てきます。
【№3 やさしい解説】
まず、「使用人兼務役員」とは、
役員でありながら、日常業務では社員と同じ仕事もしている人のことです。
例えば、
取締役でありながら営業現場の第一線にも立っている、
工場長や店舗責任者として現場の管理も行っている、
このようなケースが典型例になります。
中小企業、特にオーナー企業では、
「肩書きは役員だが、実態は現場責任者兼プレイヤー」
という形は決して珍しくありません。
税務上は、このような人の給与を、
役員としての職務に対する分
使用人(社員)としての職務に対する分
に分けて考える、という独特の扱いをします。
ここで重要なのは、
役員としての給与は、原則として自由に損金にできない
という点です。
一方で、使用人としての給与や賞与については、
一定のルールを守っていれば、通常の人件費と同じように損金にできます。
問題になりやすいのが「決算賞与」です。
決算賞与は、
一定の要件を満たせば、実際の支払が翌期でも、今期の経費にできる
という、少し特殊な性格を持っています。
そのため税務署としては、
利益調整のために無理に作っていないか
実質は役員賞与を付け替えていないか
という点を、かなり慎重にチェックします。
決算賞与を損金にするためには、原則として次の3つの要件が必要です。
① 期末までに、各人別の支給額をはっきりさせ、通知していること
② 期末の翌日から1か月以内に、実際に支払っていること
③ その事業年度の決算で、未払金などとして損金経理していること
これは、一般の社員についても同じルールです。
しかし、使用人兼務役員の場合は、
ここで終わりではありません。
さらにもう一段階、
「金額そのものの妥当性」
というチェックが入ります。
税務上は、
「同じような仕事をしている社員(比準使用人)」
と比べて、その金額が高すぎないかどうかを見ます。
例えば、
同程度の職務内容の社員の決算賞与が200万円なのに、
使用人兼務役員だけが800万円という場合には、
「この差額は、役員という立場に対する報酬が混ざっているのではないか」
と疑われる可能性が高くなります。
このように判断されると、
超えている部分については、
使用人としての賞与ではなく、役員賞与が混入している
と認定され、その部分は損金にできなくなります。
つまり、使用人兼務役員の決算賞与については、
手続き面(通知・支払・会計処理)
内容面(金額の水準・社員とのバランス)
この2つのハードルを両方クリアして、はじめて、
「使用人分については損金にしてよい」という扱いになる、
という少し厳しめの構造になっているのです。
中小企業では、
「社内では当たり前の配分」
「感覚的に納得できる金額」
で決めてしまいがちですが、税務の世界では、
第三者に説明できるかどうかが常に問われます。
だからこそ、
決算賞与を使う場合は、
「制度」と「証拠」と「説明ロジック」を
最初からセットで考えておくことが、最大のリスク回避になります。
【№4 具体例】
ここからは、社長(中小企業の経営者)がイメージしやすいように、具体例で整理します。
金額は説明用の例です(実際は会社規模・業種・職務内容で変わります)。
① OK例:通知・支払・損金経理が全部そろっている
3月決算、3/25に各人へ支給額通知
4/20に全員へ支払
3月決算で未払計上
使用人兼務役員も同じ流れで支給
→ 損金算入の形式面はかなり強いです。
② NG例:口頭で「たぶん出す」と言っただけ
期末までに書面通知なし
支給額が確定していない
→ 決算賞与としての要件を欠きやすいです。
③ NG例:支払が1か月を超えた
4月末までに払うべきところ、資金繰りで6月に支給
→ 原則、今期損金が崩れやすいです。
④ OK例:数日のズレは合理的理由がある
社内手続きの都合で、社員は4/15、使用人兼務役員は4/18
同一の賞与規程・同一の算定ルール
→ 「同日に支給」ではなく「同時期」がポイントなので、説明が立てやすいです。
⑤ NG例:使用人兼務役員だけ極端に遅れて支給
社員は4/10、使用人兼務役員は5/25
理由は「役員の都合」
→ “同時期”の説明が苦しくなります。
⑥ OK例:貢献度基準が規程に明記され、計算表が残っている
売上や粗利など、評価指標が明確
計算過程が残っている
→ 「恣意性が低い」と説明しやすいです。
⑦ NG例:貢献度は“後付け”で作った
税務調査で聞かれてから計算を作った
→ 説明の信頼性が落ちやすいです。
⑧ 注意例:使用人兼務役員の賞与が社員の4倍
社員の比準使用人:200万円
使用人兼務役員:800万円
同じ「決算賞与」という名目
→ 役員賞与混入を疑われやすいので、合理性の説明が必須です。
⑨ OK寄り:役員分は別枠で整理している
使用人分賞与:比準使用人の上限程度に抑える
役員としての成果部分:事前確定届出給与など、別制度で検討
→ “混ぜない”設計ができると強いです。
⑩ NG例:役員給与のバランスが不自然で、賞与に寄せすぎ
月額役員給与は低い
決算賞与だけが突出して大きい
→ 利益調整と見られやすいです。
⑪ OK例:職務分掌が明確で「社員としての役割」が説明できる
工場長としての担当範囲、権限、評価基準がある
→ 使用人兼務役員該当性の説明が通りやすいです。
⑫ NG例:実態は“統括”で社員ポジションが曖昧
「事業全体の統括」中心
社内の職制上の地位が曖昧
→ 使用人兼務役員に当たらず、使用人分賞与の議論が崩れることがあります。
【№5 手順】
ここからは、静岡・浜松の中小企業さまが実際に決算賞与を検討するときに、社内で迷いにくいよう、確認順に「手順」として整理します。
税務上の要件は細かいので、まずは流れを固定化し、チェック漏れを防ぐことが大切です。
ここでは、静岡市・浜松市をはじめとする中小企業の社長が、
「決算賞与を出しても税務で否認されにくい状態」を作るための確認手順を、順番に整理します。
「利益が出そうだから出す」ではなく、
“出す前にチェックする順番”を固定することが最大の防御になります。
STEP① 対象者が「使用人兼務役員」に該当するか確認する
社内の職制(支店長、工場長、主任など)が明確か
部門統括レベルになっていないか
実態として社員業務に常時従事しているか
STEP② 決算賞与の支給ルールを規程に落とし込む
支給対象者
算定基準(売上、粗利、評価点など)
支給時期
通知方法
STEP③ 各人別の支給額を期末までに確定させる
「後で決める」はNG
計算根拠のメモ・一覧表を残す
STEP④ 各人に支給額を“個別に”通知する
メール、書面、支給通知書など証拠が残る形
「全体に口頭説明」は危険
STEP⑤ 決算で未払金計上などの損金経理をする
会計処理が抜けるとアウト
STEP⑥ 期末翌日から1か月以内に実際に支払う
資金繰りもここから逆算して準備
STEP⑦ 源泉所得税の処理・納付も忘れずに行う
ここでミスると「実在しない賞与」を疑われやすい
STEP⑧ 使用人兼務役員の金額が“比準使用人”と比べて妥当か検証する
同程度の職務の社員と比較
差が大きい場合は理由を言語化
STEP⑨ 役員分と使用人分が混ざっていないか再チェック
役員としての成果は、別制度(事前確定届出給与など)で検討
STEP⑩ 「説明できる資料」を1つのフォルダにまとめておく
規程
算定表
通知証拠
仕訳
振込記録
【№6 FAQ】
Q1. 使用人兼務役員なら、決算賞与は全額損金になりますか?
A1. いいえ。使用人として妥当な部分のみが損金対象になります。過大な部分は役員賞与と見られる可能性があります。
Q2. 売上貢献度で決めていれば問題ありませんか?
A2. それだけでは足りません。役員としての貢献が混ざっていないかも見られます。
Q3. 社員と支給日が数日ずれてもダメですか?
A3. 合理的理由があれば「同時期」として扱われる可能性があります。
Q4. 通知は口頭でもいいですか?
A4. 原則おすすめしません。証拠が残る方法が安全です。
Q5. 決算後にやっぱり出すと決めた賞与は損金になりますか?
A5. なりません。期末までに確定・通知が必要です。
Q6. 使用人兼務役員かどうかは労基法基準ですか?
A6. いいえ。法人税法上の基準で判定されます。
Q7. 社長の右腕の取締役営業部長は該当しますか?
A7. 統括的立場だと該当しない可能性があります。職制と実態次第です。
Q8. 比準使用人がいない場合はどうしますか?
A8. 職務内容が近い社員や過去実績などから合理的説明を組み立てます。
Q9. 税務調査ではどこを見られますか?
A9. 規程、算定根拠、通知証拠、仕訳、振込、金額の妥当性です。
Q10. 静岡や浜松の中小企業でもここまでやる必要ありますか?
A10. はい。むしろオーナー企業ほど重点的に見られるポイントです。
【№7 まとめ】
使用人兼務役員に対する決算賞与は、
「手続き」と「金額の妥当性」の両方を満たして、はじめて損金になるという、少し難易度の高い論点です。
特に中小企業では、
「実態はほぼ役員だけど、現場もやっている」
というケースが非常に多く、税務署もこの点をよく見ています。
形式要件(通知・支払・会計処理)
実質要件(比準使用人とのバランス)
この2つをセットで整えることが重要です。
【№8 出典】
出典:『税務通信』第3880号(2025年12月15日)「税理士実務Q&Aセカンドオピニオン【40】法人税 使用人兼務役員の使用人分決算賞与の損金性」税務通信
参考:国税庁タックスアンサー「役員給与・賞与の取扱い」(参照日:2026-01-29)
参考:e-Gov法令検索「法人税法・法人税法施行令」(参照日:2026-01-29)
【№9 該当条文の説明】
法人税法では、役員給与は原則として自由に損金になりません。
一方で、使用人兼務役員については「使用人としての部分」と「役員としての部分」を分けて考える仕組みになっています。
法人税法第34条では、使用人兼務役員の定義が定められており、
法人税法施行令では、使用人賞与の損金算入要件や、不相当に高額な役員給与の判定方法が定められています。
特に重要なのは、
決算賞与を損金にするための「通知・支払・損金経理」の要件
不相当に高額な役員給与の判定基準
使用人分と役員分を合算して判定する考え方
です。
条文は細かいですが、実務上は
「これは社員として妥当か?それとも役員報酬の付け替えか?」
という視点で整理されます。
【№10 おわりに】
最後に、コラムの内容の詳細や、企業、個人の状況に応じたお悩みについては、静岡市、浜松市から全国の中小企業をサポートする最高のIT税理士法人にお気軽にご相談くださいませ!
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